英語で「褒められたときの返し方」を表現する上手な言い方(お褒めの言葉ありがとうございます等)

こんな風に表現できます

  • Thank you for your compliments. (お褒めの言葉ありがとうございます / お褒めに与り恐縮です)
  • Oh, you flatter me. (あらやだお上手ですね)
  • I’m flattered. (お世辞と分かっていても嬉しいです)
  • I’m very happy to be told that. (そう言ってもらえるととても嬉しいです)
  • とっさに表現が出てこなければ Thank you . だけでも多分大丈夫
  • ※注意※ That’s a nice thing to say. (嬉しいこと言ってくれるじゃない)は皮肉の定番フレーズなので避けた方が無難
  • ※注意※ 謙遜は通じないので相手の発言を否定しない方が無難

相手に褒めてもらった場合、どう対応するべきでしょうか? ひとまずお礼を言って返すのが適切でしょう。言われっぱなしの「だんまり」はいけません。むやみに謙遜するのもいけません。

日本人同士の会話の感覚で謙遜して「いえいえ」「そんなことはありません」なんて言うと、相手を否定する発言として聞こえてしまいます。自分を下げるどころか相手を下げてしまいかねないのです。

どうしても謙遜したいなら flattered(お世辞を言われて得意になる)という表現を活用する手はあります。

英会話の中で褒めてもらったら素直に受け止めて「ありがとう」と感謝を示す対応が基本と考えておきましょう。

基本は「ありがとう」と感謝を表現する

褒め言葉は、相手から自分への肯定的な評価です。まずは素直に受け取りましょう。そして、「褒めてもらえて嬉しい」という心情を、「(褒めてくれて)ありがとう」という感謝の表現で伝えましょう。

会話中その場で返すなら、単に Thank you. と述べるだけでも十分です。「褒めてくれてありがとう」と明示的に述べるなら、Thank you for praising me. のように表現するとよいでしょう。praise は「ほめる」「称える」といった意味の動詞です。

Thank you for praising me.
褒めてくれてありがとう

ありがとう、と返答することで、相手の発言を肯定的に(ありがたく)受け止めましたという姿勢が伝えられます。

謙遜して「いえ全然まだまだです」のように言う場合にも、はじめは Thank you. の一言を返しましょう。そうすれば、相手の発言を否定するものではないことが示せます。

英語で伝える「ありがとう」の言葉、場面別に使えるお礼と感謝の表現集

素直でポジティブな喜びと驚きを

お礼の言葉に加えて、「そう言ってもらえてとても嬉しい」とか「その褒め言葉は自分にとって助けになる」いった心情を述べると、さらに前向きな返し方にできます。

嬉しさ+驚きの表明は、相手の言葉を素直に受け取ったことも示しつつ、自分ではそんな風には思っていなかったという謙遜に通じる姿勢も示せます。

I’m glad to hear that.
そう言ってもらえて嬉しく思います
That means a lot to me.
すごく感激です
That encourages me a lot.
とても励みになります

謙遜は「言葉のあや」に注意して慎重に

謙遜する言い方は十分な注意が必要とはいえ、うまく表現すれば十分にそのニュアンスを伝えることはできます。

謙遜を示すにしても、まずは Thank you. と感謝を伝えましょう。その上でなら、But that’s not true. (でもそんなことはないんです)と否定表現を使った言い方をしても、意図は誤解されずに伝わるでしょう。

Thank you, but that’s not true.
ありがとう、でもそんな事はありませんよ

あるいは、謙遜ではなくて実際に褒めるには値しない実情があった場合、たとえば「実は他の方の助力を得ていまして……」といった事情がある場合には、that’s not true はむしろ適切でしょう。

謙遜はあくまでポジティブな言い方で

ただ、どうせ謙遜の意味合いを示すなら、ただ相手のホメ言葉を否定するだけの言い方ではなく、もっと前向きで未来志向の切り口を探しましょう。

たとえば「自分はまだまだです」とか「もっと学ぶべきことがあります」のような、高みを見据えるような言い方は、謙遜のニュアンスが伝わりますし、相手の心証を損ねることもありません。

I’m still learning.
まだまだ学んでばかりです
I have a lot of things (that) I need to learn.
学ばなくてはいけないことがたくさんあります
I still have a long way to go.
まだまだ道のりは長いです。

この辺の考え方は、日本語の会話の中でも活用できそうです。


相手を褒め返すという方法もある

場面や状況・文脈にもよりますが、「自分を褒めてくれた相手を自分からも褒める」という返し方もあります。

You too.
あなたもね
It’s very nice of you.
とてもお優しいですね
I’m happy to hear that, especially from you.
あなたからそんな言葉を頂けて嬉しく思います

「お上手ですね」のように伝える

相手が褒めてくれたことそのものに焦点を当てて賞賛を返す言い方もアリでしょう。日本語で言うところの「お上手ですね」に通じる表現です。

相手がお世辞を言っている、と暗に前提しつつ、冗談めかして言う言い方なので、相応の和やかな雰囲気に包まれた場面で使いましょう。

flattered

動詞 flatter は「お世辞を言う」「おべっかを使う」という意味の動詞です。語形を転じて形容詞の be flattered の形を取ると、「嬉しい」という意味合いが中心となります。

I’m flattered.
お上手ですね

flatter の原義に「お世辞」のニュアンスを含みつつ、「そう言ってもらえて嬉しい」という意味で使えるとなると、flattered は「お上手ですね」というニュアンスに一番近い表現かも知れません。

派生語の名詞 flattery は「お世辞」「甘言」といった意味合いです。「お世辞でも嬉しい」という言い方に使えます。

I’m happy even if it’s just flattery.
ただのお世辞でも私はとても嬉しい

動詞 flatter をそのまま使うと、「お世辞を言っているのね」「お上手ね」というニュアンスが濃く出てきます。

Oh, you flatter me.
あらやだお世辞なんて言って

compliment

compliment は「賛辞」などと訳される語です。社交場の場面における「光栄な言葉」、あるいは「社交辞令としての賛辞」(つまりお世辞)という両方の意味で用いられます。

ただし compliment  が指すお世辞は、いわゆる「よいお世辞」です。基本的にポジティブな発言であり、皮相・皮肉なニュアンスは含みません。

Thank you for your compliment.
お褒めに与りありがとう存じます

発想を転換する練習をしよう

褒められたら感謝を伝えることが、まずは大切です。そして余裕があれば「その言葉が自分をいっそう励してくれる」ことを伝えてあげましょう。ホメた側の相手もきっと快く受け取ってくれます。

ほめ言葉に返す言い方は、日本的思考ではネガティブな方向に向かいがちです。日頃から「よりポジティブに捉える言い方・考え方」を意識しておくと、とっさの場面できっと役立つでしょう。

  • 「まだ英語が全然話せない」よりも「もっともっと努力が必要」と考える。
  • 「自分の人生これでいいのか?」ではなく「どうしたら今から開花できるか?」と考える

こうした前向きな発想は、英語・英会話だけでなく、日頃のものの見方にも良い影響をもたらしてくれるはずです。

言ってはいけない返し方事例

そんな私なんて全然

? You are very beautiful.
お綺麗ですね
? No, not at all.
いえ全然そんなコトないですよ
? ……

容姿を褒めてもらった場合、それを認めるような言い方も高慢じみているし、かといって前向きに謙遜する言い方も見つけにくいし、で「全然そんなことはない」という否定に走りがちです。

そんな風に言うと相手の審美眼にケチを付けていることになりかねません。

褒められたら素直に喜び、褒めてくれたことへお礼を述べましょう。

たいしたものではありませんが

? You are an excellent cooker.
お料理がとてもお上手ですよね
? No, I’m not.  I’m sorry for this meal. 
いえいえ下手ですよ、こんな食事で申し訳ありません
? ……

自作の料理などは「粗末なものですが」と言って出したくなりますが、作った当人が「こんなもの」と評するようなモノを提供しています、というニュアンスに聞こえかねません。

褒められたら素直に喜びましょう。謙遜を示すなら、「もっと上手になりたい」といった前向きな言葉を返しましょう。

はい私もそう思います

? You are good at English.
英語がお上手ですね
? Yes, I think so.
ええ、そうでしょうとも
? ……

ほめ言葉がお世辞かどうかに関わらず、賞賛を当然視するような受け方は、よほど冗談めいた雰囲気というわけでなければ、人格を疑われる懸念が大です。


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