pardonはもちろん英会話で使えます。ただし、単体で使う場合とイディオムで使う場合で、使うシチュエーションが変わってくるんですよ。
気になる“pardon my French”の意味は後ほど本記事の中で紹介します。今回は、“Pardon”の意味や使い方について詳しくみていきましょう。
この記事で分かること
- Pardonの語源
- Pardonの意味と使い方
- Pardonを使ったイディオム
- Parodnの言い換えフレーズ
- Pardonの国別イメージ
東京の大手ICT企業の海外プロジェクトのPMを担当し、グローバルチームを率いました。幼少期を米カリフォルニアで過ごして以来、英語はもちろん多言語geek。日々、言葉の仕組みや文化的特色を発見しては感動しています。日常会話からビジネスシーンで使えるものまで実践的な英語を楽しくお伝えしていきます。
この記事の目次
“Pardon”の語源
“Pardon”(パードゥン)という単語には、ラテン語で「徹底的に与える」という意味があります。
ラテン語はヨーロッパの複数の言語の語源になっています。フランス語の“pardonner”(許す)はこれに由来しており、フランス語圏では現在も日常の中で頻繁に使われています。
“Pardon”の意味と関連語の使い方
“Pardon”の意味と使い方
“Pardon”(パードゥン)一語だと、「許す」という意味の動詞の命令形になりますが、フレーズそのものが丁寧な表現なので「すみません」という意味になります。
(街なかや電車の中などで他人と肩がぶつかった時)
Oh, pardon. I was in a hurry.
あっすみません。急いでいたもので
相手の言っていることを上手く聞き取れなかったときや、周囲が騒がしくて聞き返しをするときなどは、“Pardon?”(パードゥン?)のように、語尾を上げて発音します。
Pardon? I didn’t catch that.
え?もう一回言って
“Pardon me”の意味と使い方
“Pardon me”(パードゥンミー)にも“Pardon”と同じく「すみません」という意味があります。
(思わずあくびが出てしまったとき)
Oops. Pardon me.
おっと失礼
Pardon me. Please let me through.
すみません。通してください
“Pardon me.”(すみません)だけで使うこともできますが、後ろに文章を続けることで「〜をお許しください」のように、自分の起こした(もしくはこれから起こす)失礼にあたる内容について詫びを入れる表現になります。
Pardon me but I should get going.
申し訳ありませんが、そろそろ行かなくてはなりません
Pardon me for bothering you but I really need to ask you something.
邪魔して悪いんだけど、どうしても聞きたいことがあるの
“Pardon me?”の意味と使い方
“Pardon me?”(パードゥンミー?)と、語尾を上げて疑問形にすることで、“Pardon?”と同じ聞き返しの表現になります。
地域によっては、“Pardon”より“Pardon me?”のほうが一般的に使われている場合もあります。
Pardon me? I didn’t quite catch your name.
もう一度お名前を教えていただけますか。うまく聞き取れませんでした
Pardon me?
今なんて言ったの?
“I beg your pardon?”の意味と使い方
“I beg your pardon”(アイ・ベッグ・ユァ・パードゥン)というフレーズでは、“pardon”は「許し」という意味の名詞として使われています。
“beg”は「乞う」という意味なので「あなたの許しを乞う」つまり「お許しください」や「すみません」という謝罪の意味になります。
I beg your pardon for my mistake.
私の犯した過ちをお許しください
“I beg your pardon?”のように語尾を上げると、聞き返しの表現になります。
I beg your pardon? The connection is not stable.
もう一度言ってもらえますか?電波が悪いみたいです
ここで注意したいのが、“I beg your pardon?”は言い方や文脈によっては、相手の言ったことに対して不満や驚きを表す表現になるということです。
上手く聞き取れなかったから聞き返すのではなく、その内容に不信感を抱いて「敢えて聞き返してその真意をたしかめる」という意味でも使われることがあります。
「(信じがたいから)もう一度言ってみてください」というニュアンスでしょうか。
“Pardon”を使ったイディオム
“Pardon my French”
これを直訳すると「私のフランス語を大目に見てください」となりますが、フレーズとしての意味は全く異なります。
どんな言語にも汚い言葉や下品な表現は存在し、会話の中でついその言葉を口にしてしまうことはあると思います。そんな時に「(下品な言葉を使ってしまって)失礼」や「(これから汚い言葉を使うけど)許してください」という意味で“Pardon my French.”を使います。
“Exucuse my French”という表現も同じ意味で使われています。
ちくしょー、ク○ったれ!おっと、失礼
下品になるけど許してね……まじで狂ってる!
言葉悪いけど……なんてこったい!
ちなみにこのフレーズは“French”のみ適用され、“Pardon my English”や“Pardon my Russian”と別の言語にアレンジしてしまうと、単に「つたない英語をお許しください」や「ロシア語が下手ですみません」という意味になってしまうので注意です。
では、なぜFrench(フランス語)なのかというと、諸説はありますが「罵る時の話し言葉は全く別の言語と思って聞いてほしい」という意図からきていると言われています。
“There’s nothing to pardon”
直訳すると「許すことは何もない」という意味になります。
このフレーズは、誰かが“I beg your pardon.”や“I’m sorry.”というような謝罪をしてきたときに、「(あなたが)許しを乞うことは何もない」という意味で、“It’s ok.”(大丈夫です)や“No problem.”(問題ありません)という意味になります。
Sorry, I burped.
ゲップしちゃった。ごめんね
There’s nothing to pardon.
気にしないで
“Pardon me for breathing”
ほんの些細なことで理不尽に怒られたり鬱陶しがられたりした時には、“Pardon me for breathing.”(それはどうも悪かったね)という表現が使えます。皮肉をたっぷり込めて言うのがポイントです。
直訳すると「私が息をしていること(生きていること)をお許しください」という意味になるので、かなり大げさに聞こえます。ちょっと話しかけたりしただけで、思った以上に相手の怒りを買ってしまったり邪魔がられたりしたときに使われます。
“breatihng”の代わりに“existing”(存在する)や“living”(息をする)を使っても意味は同じになります。
やぁマーク!やること終わった?
頼むから、2秒でいいから静かにしててくれない??
分かったよ分かったよ、悪かったね ※皮肉を込めて
他に下記のような使い方もできますよ。
Get out of my way! You are everywhere I go!
どいてくれよ!ちょこちょこしやがって
Pardon me for existing!
それはそれはどうもすいませんでした!
“Pardon”の代わりに使える聞き返しフレーズ5選!
Sorry? / Excuse me?
“Pardon?”が使われることがほとんど無いほとんどの英語圏では、聞き返しの表現とて“Sorry?”や“Excuse me?が主流になっています。
Sorry? Say that again?
今なんて言ったの?もう一回言って?
Excuse me?
今なんとおっしゃいましたか
Could you repeat that please?
うまく聞き取れなかったときは、相手にしっかりと「もう一度言ってください」と伝えましょう。
Sorry but could you repeat that please?
すみませんがもう一度おっしゃっていただけますか
Would you mind repeating that again?
今一度繰り返していただいてもよろしいですか
家族や友人など親しい間柄では次のようなカジュアルな表現でリピートを頼むことができます。
Say that again?
もう一回言って
Come again?
もう一回?
What was that?
「何て言ったの?」という意味で相手に聞き返す表現です。
What was that? I couldn’t hear well.
今なんて言ったの?よく聞こえなかった
What?
なんて?
“What?”の一言だけで聞き返すととてもストレートな表現のため、場合によっては相手に不快な印象を与えることもあるので注意が必要です。
例えば、授業中に生徒が先生に“What?”(え?)と聞き返すのは適切ではないかもしれません。
一方、イギリスの上流階級ではこの聞き返し表現が適切とみなされることがあります。
いずれにせよ、どの表現もTPOをよく理解して使うことが重要です。
I didn’t catch that.
うまく聞き取れなかった、またはよく聞こえないことを相手に伝えてもう一度言ってもらう表現です。
悪いけどよく聞こえなかった
お電話が遠いようです。
うまく聞こえないです
It’s a bit noisy.
周囲が騒がしくて相手の言っていることが上手く聞き取れない場合は、“noisy”(騒がしい)という言葉を使って聞き手の状況を説明しましょう。
It’s a bit noisy here. Could you speak louder please?
周囲が騒がしいので、もう少し大きな声でお話しいただけますか
Sounds like it’s noisy there. Try again.
周りがうるさそうだね。もう一回言って
国別!“Pardon”の使用頻度とイメージ
アメリカで“Pardon”を使うと?
前述の通り、アメリカでは“pardon”が単体で使われることはほとんどありません。
「“pardon”はクイーンズ・イングリッシュ」や「フォーマルすぎる」というイメージが一般的にあり、聞き返しの表現には“Sorry?”や“Excuse me?”が圧倒的に多く使われています。
長年アメリカで生活をしていて“pardon”を使っている人を一度も目にしたことがないという話も珍しくありません。
イギリスで“Pardon”を使うと?
イギリスでは、“pardon”という言葉自体は“Pardon me”や“I beg your pardon?”のようにフレーズとして使われることが比較的多いです。
聞き返しの表現として一般的なのは“Sorry?”ですが、今でも少なからず残る階級制度におけるいわゆるミドルクラスでは、聞き返しの表現に“pardon?”を使うことが推奨されていることもあるようです。
オーストラリアで“Pardon”を使うと?
イギリスの影響を受けているオーストラリア英語でも、聞き返しの表現の“Pardon?”が使われることはたいへん稀で、やはり“Sorry?”や“Excuse me?”が主流のようです。
カナダで“Pardon”を使うと?
カナダは公用語にフランス語も採用していることもあり、場所によってはフランス語の影響で聞き返しや謝罪の表現に”Pardon”を使う人もいるようです。
とはいえ、「カナダ人はすぐに“Sorry”を使う」というレッテルが広く認識されているほど、カナダ人にとっては“Sorry”の方が馴染み深いかもしれません。
“Pardon”はイディオムにすると使える!
“Pardon”という単語は、地域や文化に違いがあるものの、英語圏において単体で使われることは“Sorry”や“Excuse me”に比べるとあまり多くないかもしれません。
しかし、ご紹介してきたフレーズやイディオムの中で使われることはあります。
もちろん、話し相手や場合によって選ぶ言葉を上手く選択することは大切ですが、まずは“pardon”の意味をしっかり理解してその場にあった表現をうまく使いこなせるように練習してみましょう。