この記事では、日本で長年愛され続けている英字新聞「ジャパンタイムズ」が提供する英語学習教材、「ジャパンタイムズアルファ」と「ジャパンタイムズアルファJ」について、実際に両方を使った上で徹底的に比較します。

独学で2014年に英検1級を取得し、英検に関しては全ての級の受験経験あり。TOEICで930点。大阪大学外国語学部で英語を専攻。コラム執筆や英語ニュースの翻訳に携わりながら、音楽クリエイターの顔も持つ。留学や海外滞在なしでもハイレベルな英語力を身につける方法を日々研究中。
この記事の目次
ジャパンタイムズアルファ/アルファJとは?

ジャパンタイムズ(The Japan Times)は、1897年に創刊された歴史ある英字新聞です。創刊から120年以上の歴史を持つこの新聞は、世界各国の情報に加え、日本に関連するニュースを英語で読むことができる貴重な情報源として、国内外で高い評価を得ています。
そんなジャパンタイムズが提供する英語学習者向けの多読コンテンツが、「ジャパンタイムズアルファ」と「ジャパンタイムズアルファJ」です。これらは単なる英字新聞ではなく、英語学習に特化した教材として開発されています。

ジャパンタイムズアルファ(The Japan Times Alpha)の特徴

幅広いトピックをカバー
アルファでは、日本国内ではあまり報道されないような世界のニュースから、日本国内のトピックや文化に関する記事まで、幅広い内容を取り上げています。
比較的平易な英語で提供
アルファの記事は、ネイティブ向けの英字新聞と比べると、やや平易な英語で書かれています。

日本語の注釈と語彙の解説
各記事には、難しい表現や重要な語彙に対して、日本語の注釈や解説がついています。これにより、辞書を引く手間が省け、スムーズにたくさんの記事を読み進めることができます。
充実したウェブコンテンツ
Webでは、読み上げ音声でリスニング力を鍛えたり、動画講座で発音練習ができるので、リーディングだけでなく、リスニングやスピーキングスキルも伸ばせます。
特にTop Newsの解説動画は、記事の背景情報がわかり、理解をより深めるのに非常に役立つなと感じました。
ジャパンタイムズアルファの料金

| ジャパンタイムズアルファの概要 | |
|---|---|
| 発行頻度 | 毎週金曜日(年間52回) |
| 定期購読料 |
*月額払い、または3・6・12ヶ月の購読期間から選択可能 |
年間購読にすると、1回あたりの価格がさらにお得になるので、長期的な学習を考えている方にはおすすめです。
ジャパンタイムズアルファJ(The Japan Times Alpha J)の特徴

よりやさしい英語
アルファJの記事は、アルファよりもさらに平易な英語で書かれています。簡単な記事は英検3級レベル(中学3年生レベル)から読めるよう設定されているため、英字新聞初心者の方でも挑戦しやすい内容となっています。
紙面とウェブコンテンツの連携
アルファJの最大の特徴は、紙面とウェブコンテンツの優れた連携です。紙面に掲載されているQRコードをスキャンすると、その記事に関連した「ラーニングクエスト」と呼ばれるオンラインエクササイズにアクセスできます。
クエストに沿って、和訳の参照、解説動画の視聴、重要語彙の確認、リスニング、音読、速読と学習を進め、最後に「レビュー問題」で復習するプログラムになっています。

親しみやすいトピック
アルファJでは、時事問題に加え、日常生活に密着したトピックや、若者に人気の話題なども多く取り上げられています。これにより、英語学習に対する興味やモチベーションを維持しやすくなっています。
ジャパンタイムズアルファJの料金

| ジャパンタイムズアルファJの概要 | |
|---|---|
| 発行頻度 | 第2、第4金曜日(年間24回) |
| 定期購読料 |
*月額払い、または6・12ヶ月の購読期間から選択可能 |

ジャパンタイムズアルファとアルファJを体験して比較してみた

体験してわかったアルファとアルファJの共通点

共通点1:充実した学習サポート情報
両方とも、英字新聞を使った学習に必要な情報がしっかりと記載されています。具体的には以下の点が挙げられます。
アルファ/アルファJの学習サポート情報
- 難しい表現や重要な語彙に対する注釈や解説がついている
- 日本語の見出しと記事の要約がついており、読解のヒントになる
- 全記事に読み上げ音声と訳文がついており、Web上で利用できる

共通点2:総合的な英語力向上
アルファもアルファJも「読む教材」ですが、「読む力が“聞く力・話す力”を支える」という考えに基づいています。
長く読み続けることで、総合的な英語力の向上につながります。
共通点3:国内外の様々なトピックが読める
両教材とも、日本に関連するトピックと世界のニュースをバランスよく取り上げています。これにより、英語を学びながら、日本の文化や社会についての理解を深めつつ、国際的な視野も広げることができます。
共通点4:ウェブコンテンツが充実
アルファ、アルファJともに、紙面だけでなく充実したウェブコンテンツを提供しています。オンラインでアクセスできる追加の学習材料やエクササイズなどが用意されており、学習の幅を大きく広げることができます。

体験してわかったアルファとアルファJの違い

違い1:コンテンツのボリューム
紙面の場合、全体的にアルファの方がボリュームが多くなっています。実際に体験してみると、アルファが20ページあったのに対し、アルファJは12ページでした。

違い2:記事の難易度と種類
アルファは中級から上級者向けの記事が中心で、政治、経済、国際問題など、より複雑で考えさせられる時事ニュースが多く掲載されています。

違い3:オンラインコンテンツの特徴
どちらもオンラインコンテンツが充実している点では共通していますが、特にアルファJは、記事を読んだあとに「ラーニングクエスト」や「レビュー問題」が用意されていて、オンラインまで含めた一連の学習プログラムになっています。

体験してわかったウェブコンテンツの特徴

音声コンテンツが充実
アルファ/アルファJのウェブサイトでは、各記事に対応した音声を聞くことができ、リーディングだけでなくリスニング力も同時に鍛えることができます。

ニュースに対応した様々なエクササイズ
アルファでも発音レッスンなど、様々なウェブコンテンツが用意されていますが、特にアルファJでは、各記事に関連した「ラーニングクエスト」や「レビュー問題」が用意されています。

解説動画がすごい
アルファにもアルファJにも、記事の文法や重要ポイントを解説する動画がついています。
アルファではTop Newsの1本に、アルファJではTop Newsに加え他の10本の記事にも解説動画が用意されています。
一人でも安心して学習を進められる心強いサポートです。

以上の特徴により、ジャパンタイムズアルファとアルファJは、単なる英字新聞ではなく、実は紙面とWebを組み合わせた総合的な英語学習プラットフォームとなっていることがわかりました。
体験してわかったアルファ・アルファJがおすすめの人

ジャパンタイムズアルファがおすすめの人
英語学習中上級者の方
アルファは、ある程度の英語力がある方に適しています。TOEIC 600点以上、英検2級以上の方でも、語注や動画などのサポートを活用すれば内容を理解し、学習効果を得られるでしょう。
TOEIC対策をしている方
アルファの記事は、TOEIC Part 7(読解問題)の長文対策にもなるような難易度と内容になっています。定期的に読むことで、TOEICのスコアアップにつながるでしょう。また、読み上げ音声を活用すればリスニングパートへの効果も期待できます。
大学受験でリーディング対策をしたい方
アルファの記事は、特に大学入試の2次試験の長文読解問題と似たレベルの英文が多いです。アルファを読む習慣をつければ、入試対策として十分な効果が期待できます。
毎週コンスタントに学習したい方
アルファは週刊なので、毎週決まったペースで学習を進めたい方や、多読の練習をしたい方にもぴったりです。
ジャパンタイムズアルファJがおすすめの人
初級者・学び直しをしたい方
アルファJは、英検3級レベル(中学3年生レベル)から読めるよう設計されています。実際に読んでみても、英語学習を始めたばかりの方や、基礎からやり直したい方に最適だと感じました。

高校受験の対策をしている中学生
アルファJの記事レベルは、高校入試の長文問題対策にもなります。定期的に読み、Webコンテンツにも取り組むことで、入試に必要な英語力を楽しく身につけられると感じました。
大学受験の早めの準備をしたい高校生
大学受験まであと1〜2年ある高校生にも、アルファJはおすすめです。アルファよりやさしい英語で書かれているので、無理なく学習を進められます。

ゆっくりペースで学習したい方
アルファJは隔週刊なので、毎週の学習は負担に感じる方でも取り組みやすい多読教材だと感じました。仕事や学業で忙しい方にもぴったりです。

ジャパンタイムズアルファとアルファJのおすすめ勉強法

勉強法1:紙版で見出しをまずはざっと見てみる
最初に紙版を手に取ったら、まずは見出しだけをざっと見てみましょう。
こうすることで、興味のわく記事を見つけやすくなります。自分の興味関心に合った記事から始めることで、学習のモチベーションも上がりやすいです。

勉強法2:Webコンテンツをフル活用する
先ほども触れたように、アルファもアルファJも、Webコンテンツは単なる「紙のオンライン版」に留まりません。充実したWebコンテンツを活用するのが、効果的な勉強法のポイントといえます。
まず、記事を読んだ後は、必ず音声を聴くようにしましょう。最初は文字を見ながら聴き、慣れてきたら文字なしで聴いてみます。これにより、リーディングだけでなくリスニング力も向上します。

さらに、記事に関する解説動画は、初級者の方だけでなく、中級者の方もぜひ視聴してください。詳細な文法や語彙の解説により、「なんとなく」で読んでいた箇所の解像度が高まります。
加えて、アルファJでは、各記事に関連した「ラーニングクエスト」(エクササイズ)や「レビュー問題」が用意されています。読んだ内容の理解度を確認するだけでなく、語彙や文法の定着にも役立つので、必ず全てのクエストや問題に挑戦するようにしましょう。
勉強法3:難しく感じた記事はしっかり復習する

復習のステップ
- まず、難しいと感じた箇所に印をつけます。
- 語彙の解説や注釈を丁寧に読み込みます。
- 解説動画を参考にしつつ、主語と動詞の関係、修飾語の位置などを確認しながら、文法的に難しいと感じた箇所を分析しましょう。
- 内容の理解度を深めるため、記事全体の要約を自分の言葉で書いてみます。
- 数日後、同じ記事を再度読んでみます。今度は英文だけを読んで、内容がしっかり理解できるか確認しましょう。

【まとめ】ジャパンタイムズアルファ/アルファJはWebコンテンツとの組み合わせで幅広い英語学習ができる英字新聞!
ジャパンタイムズアルファとアルファJは、単なる英字新聞ではありません。紙面とWebコンテンツを組み合わせることで、リーディング、リスニング、ライティング、さらにはスピーキングまでカバーする総合的な英語学習ツールです。
アルファは中級者から上級者向け、アルファJは初級者から中級者向けと、自分のレベルに合わせて選択できるのも大きな魅力です。どちらを選んでも、日本的視点と国際的視点のバランスの取れた記事内容で、英語力だけでなく、国際感覚も養うことができます。










