インプットを中心に英語学習をある程度進めてきた中上級者に多いのが、スピーキングが苦手という悩み。
「TOEICでは高得点が取れるのに、英語で自分の意見を言うのが難しい…」、「準備したプレゼンはできるけど、英語での質疑応答がうまくいかない…」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、中上級者がインプットしてきた「知識」を、実際に使える「技能」に転化することをコンセプトとした独学教材のパタプライングリッシュを徹底解説。
実際に体験した上で、「本当に中上級者の独学に最適なのか?」という点も検証しました。
独学で2014年に英検1級を取得し、英検に関しては全ての級の受験経験あり。TOEICで930点。大阪大学外国語学部で英語を専攻。コラム執筆や英語ニュースの翻訳に携わりながら、音楽クリエイターの顔も持つ。留学や海外滞在なしでもハイレベルな英語力を身につける方法を日々研究中。
この記事の目次
パタプライングリッシュの特徴
①音声中心のアウトプットトレーニング
パタプライングリッシュ最大の特徴は、中上級者のビジネス英語、特にスピーキングのトレーニング教材でありながら、音声中心に学習できるということ。
※引用:パタプライングリッシュ公式サイト
1回のレッスンは短いものだと12分、平均して約15~20分の音声で完結。パソコンはもちろん、スマホからも学習できるため、スキマ時間を活用したビジネス英語のスピーキングトレーニングが可能です。
パタプライングリッシュでは、汎用性の高い「チャンク(英語の意味のかたまり)」を身につけながら、チャンクを場面に応じて入れ替える「パターンプラクティス」というトレーニングを実践。
※引用:パタプライングリッシュ公式サイト
パタプライングリッシュでこうしたチャンク×パターンプラクティスのトレーニングを積み重ねることで、スピーキングの反応速度アップが期待できます。
②継続できる仕組みが整っている
パタプライングリッシュのマイページにアクセスすると、達成状況と推奨レッスンが表示されます。また、復習レッスンの間隔は、記憶力に関する科学的根拠(エビングハウスの忘却曲線)をベースに設定されています。
これにより、現在地や「今日何をするべきか?」に迷うことなく、効率よく学習を進めることが可能に。
※引用:パタプライングリッシュ公式サイト
レッスンページ下部にある「記録する」ボタンを押すだけで、システムが自動で学習を管理して推奨レッスンを表示。また、学習状況をTwitterでシェアしやすいのもポイント。
※引用:パタプライングリッシュ公式サイト
さらに、より効果的な学習や計画の立て方のアドバイスなども記載した「パタプラ通信」も、定期的にメールで配信されます。
③メインレッスン以外のコンテンツも充実
パタプライングリッシュには、先ほど紹介した達成状況や推奨レッスンの表示、レッスンの記録やパタプラ通信以外にも、メインレッスンと並行して使える下記のようなコンテンツが用意されています。
パタプライングリッシュの様々なコンテンツ
- 4~5レッスン間隔で受験できる「テスト」
- 発音のポイントや会話に役立つ表現を学べる「レッスン番外編」
- メインレッスンとは異なるパターンのトレーニング「つぶやき応用練習」
- 英語ミーティングへの即効性がある「会議の英語」
- ビジネスに役立つ思考・行動を学べる「グローバルマインドセット」
このように充実したパタプライングリッシュのコンテンツも、マイページから気軽にアクセスできるので、複数のページをブックマークする必要がありません。
※引用:パタプライングリッシュ公式サイト
パタプライングリッシュの料金
パタプライングリッシュの概要 | |
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料金(月額) | 実質約4,150円(1年間継続した場合) |
料金(総額) | 49,800円(税込) |
入会金 | なし |
受講形態 | 専用アプリ・サイトを利用する独学教材 ※音声のダウンロード可 |
受講内容 | メインレッスン62本と番外編 確認テスト13回 応用練習レッスン[a]、[b]の2種類(それぞれ13本) 復習間隔の管理と達成状況の表示 会議の英語 マイチャンク Zoom学習コンサル1回 メールサポート グローバルマインドセット パタプラ通信(学習のコツなどお役立ち情報を定期的に配信) メールで推奨レッスの通知 購入後に改良があった場合は無料アップデート |
教材 | オリジナル |
支払い方法 | クレジットカード |
運営会社と所在地 | 運営会社 : アブログ合同会社 会社所在地 : 東京都品川区西五反田5-9-20 |
*全て税込価格
パタプライングリッシュは、中上級者のスピーキング力アップに最適化された買い切りの独学教材です。
そのため、いったん49,800円(税込)で購入すれば、月額費用の負担なく永久に利用可能。
パタプライングリッシュで全額返金保証を利用する場合、下記の条件があります。
パタプライングリッシュ全額返金保証の条件
- 購入後、ログイン情報発行日から60日以内であること
- 音声のダウンロードをしていないこと(専用サイトのみで音声を利用)
音声をダウンロードし、スマホのミュージックアプリなどでオフラインでも学習できるパタプライングリッシュですが、返金保証を利用する場合は、音声をダウンロードしていないことが条件の一つとなります。
パタプライングリッシュを体験してみた!
購入後、専用サイトにログインすると、パタプライングリッシュの特徴やメソッドが詳しく解説されたページが表示。
一通り確認したら、右上のメニューからコンテンツを利用します。
パタプライングリッシュZoomでの学習サポートを受けてみた
パタプライングリッシュ学習サポートの内容
- 学習の目標や現状のヒアリングとアドバイス
- 復習のペースなど、パタプラの仕組みのわかりやすい解説
- 疑問点の解消
学習サポートはメインレッスンを数回やってみた後でも、一通りのコンテンツにチャレンジした後でも、いつでも受けられるとのことでした。
特に印象に残ったのが下記のようなやり取り。
他にも、学習サポートを受けた日にたまたまパタプライングリッシュのアップデートが行われたというので、詳細を尋ねてみると、つぶやき応用練習[a]と会議の英語のそれぞれで、1レッスンで使う表現をまとめて聞ける音声が追加されたとのことでした。
パタプライングリッシュメインレッスンのレビュー
メインレッスンは全部で62回、番外編として別途6回用意されています。
初回レッスン時には、下記のように使い方のポップアップが出てくるので、迷うことなく学習できました。
初回レッスンは約22分で、“I need you to”というチャンクを用いたトレーニングでした。
レッスンでは”I need you to”の後に、”work on the sales forecast(販売予測に取り組む)”のような様々な表現を代入していくパターンプラクティスを実践。
「表現について学ぶ」→「代入語(パターン)を理解する」→「日本語で聞こえた代入語を英訳」→「元の構文に代入語を入れる練習」→「代入語を用いたロールプレイ」という流れでレッスンが進みました。
レッスンページを下部にスクロールすると、復習用音声やワンポイントアドバイスも用意されていました。
さらに下の方には、「記録する」とTwitterでのシェアボタンもありました。
ちなみに、再生中は下記の画像のように「5秒戻る(進む)」、「一時停止」のボタンも表示されます。
今回利用したiOS15(iPhone)では、ブラウザアプリを最小化してホーム画面に戻っても、ミュージックアプリのようにバックグラウンドで再生を続けることができました。
実際のレッスンの流れを開発者の方が解説した動画も参考にしてください。
パタプライングリッシュテストのレビュー
第1回のテストページにアクセスすると、全体の流れの説明がありました。
最初の「復習チェック」では、実際にフレーズを入力して英文の穴埋めを行います。
テスト本編は、「指定されたチャンクを用いた英訳」→「口頭での回答」→「口頭で回答した英文の入力」を繰り返して、各レッスンの内容の定着度を確認するという内容でした。
パタプライングリッシュレッスン番外編のレビュー
パタプライングリッシュのレッスン番外編は、メインレッスン30回目以降に全6回用意。
番外編1~3回目は発音に関するもの、4、5回目は「部下の相談に乗る」というテーマ、6回目は英語のリズムを取り扱っています。
今回、「[æ] と [ʌ] の区別」、「[ɔ:] と [ou] の区別」の番外編レッスンを受講して、一般的な発音トレーニングと異なる特徴と感じたのが、「すべてにおいて完璧なネイティブ発音ではなく、『相手に一度で分かってもらえる発音』を目指す」という点。
どのように口を動かすべきか、日本語と比べた時に何が違うのかなど、「とにかく聞き取ってもらえる発音をするにはどうしたらいいか?」という点に集中した詳しい解説が掲載されています。
パタプライングリッシュつぶやき応用練習aのレビュー
パタプライングリッシュのつぶやき応用練習は、テストのように4~5回のメインレッスンを単位に用意されています。
さらに「つぶやき応用練習[a]-1」、「つぶやき応用練習[a]-2」、「つぶやき応用練習[b]」の3段階に分かれており、第5回目のメインレッスンを終えた後にそれぞれ挑戦してみました。
つぶやき応用練習[a]-1では、メインレッスン第1回目(I need you to)の代入語として出てきた”gather information on our competitors”などの表現を、2回目以降のレッスンで出てきた”Can you~?”や”Would you~?”などの別の表現とも組み合わせたトレーニングを実践。
その後、つぶやき応用練習[a]-2では、①指定の構文に対して「入替えチャンクリスト」を参考にしてチャンクを交換する、②登場人物・時制、肯定文⇔否定文、平叙文⇔疑問文等を変える、という2種類のパターンプラクティスに取り組みました。
パタプライングリッシュつぶやき応用練習bのレビュー
つぶやき応用練習[b]では、対象範囲のレッスンで学んだ表現と、自分で集めたマイチャンクを組み合わせたパターンプラクティスを行います。
パタプライングリッシュ会議の英語のレビュー
パタプライングリッシュの「会議の英語」は、使い方の説明と、「会話を修復するフレーズ」と「議論で使うフレーズ」の2つのユニット、全12チャプターから構成されています。
コンテンツのタイトル通り、会議の即戦力となる英語表現を学ぶもので、「そのまま使う決まり文句」と、適宜表現を入れ替えて利用する「応用するフレーズ」の2つが学べます。
チャプター1に移動すると、「さえぎって質問する」ために必要な様々なフレーズと音声が掲載されていました。
まさに会議ですぐにでも使えそうなフレーズばかりでしたが、さらに印象的だったのは、「日本では話をさえぎることは失礼だが、英語のコミュニケーションでは必ずしも失礼でない。むしろ理解できていないのに、さえぎって質問しないことの方が失礼」という文化的な背景の違いも解説されていたこと。
パタプライングリッシュマイチャンクのレビュー
パタプライングリッシュの「マイチャンク」では、日々の仕事や生活で見つけた(思いついた)チャンクを登録できます。
登録したチャンクはフラッシュカード式で復習できるだけでなく、応用練習[b]でも様々な表現と組み合わせて学習できます。
機能はシンプルに「チャンクの登録」と「フラッシュカード生成」の2つ。
パタプラ通信を読んだ感想
レッスンに匹敵するお役立ち情報を記載した「パタプラ通信」は、登録したメールアドレス宛に送られてきます。
初回のメールに「パタプラ通信も教材の一部」と記載がありましたが、それも納得のボリュームです。
パタプライングリッシュを体験してわかった3つのこと
パタプライングリッシュの3つのメリット
- ビジネス英語のスピーキング力を多角的に鍛えられる
- 復習の間隔などを気にせずに、継続して学習に集中できる
- サポートも充実しており、安心して学習できる
正直に言うと、体験する前は「スピーキングトレーニングばかりだと飽きそうだな…」と思っていましたが、豊富なコンテンツのおかげでマンネリ化を感じることなく継続できました。
また、そもそもメインレッスン自体の内容が充実していて、実用的な表現の学習、ニュアンスの違いの解説、置き換えできる様々なチャンクの習得とパターンプラクティスといった一連のトレーニングが一つのレッスンで取り組めます。
さらに、「記録する」ボタン一つで学習記録がつけられたり、それをもとに推奨レッスンを表示してくれるシステムも、学習を進めるにあたって利便性の高さを実感。
また、買い切りの教材でありながら、Zoomでの学習サポートが受けられ、開発者自らが動画やパタプラ通信などでの情報発信を積極的に行っているので、安心感が大きいというメリットも実感。
パタプライングリッシュは余計なことを考えずに、スピーキングトレーニングに集中して取り組みたい中上級者におすすめ!
英語学習中上級者になると、初級レベルに比べて使える教材が限定されるもの。しかも、書店などで手に入る数少ない教材が必ずしもスピーキング力の向上につながるとも限りません。
パタプライングリッシュは、そんな教材選びに悩みやすい中上級者のスピーキングトレーニングとして最良の内容になっているだけでなく、レッスンの管理や学習サポートもあり、余計なことを考えずにトレーニングに集中できます。