業種別に見る、海外進出の盛んな日本の事業分野ベスト3
市場経済のグローバル化が進む中、海外へ進出して現地法人を構える日本企業も日増しに増えています。海外進出を推進する企業の割合は、分野によっても違いが見られます。
1位は卸売業
業種別に見ると、1位は卸売業の6,641社、2位は輸送機械の2,201社、3位はサービス業の2,105社という結果でした。卸売業が、他の業種を大きく引き離していることがわかります。
日本国内の卸売業界は、少子高齢化による個人消費の冷え込みで売り上げが頭打ちの状態にあります。一方、東南アジア諸国を始めとする発展途上国の消費は活発で、企業は海外需要を見込んで海外へ進出しています。また、卸売業は他の業種よりも人材や設備投資などを低コストで抑えられ海外進出しやすい環境にある点も現地法人の多い要因となっています。
出典:海外事業活動基本調査 – 経済産業省
現地法人数、非製造業は7年間で1.6倍増加
日系企業の現地法人数の推移を製造業と非製造業に分けて見てみると、どちらの業種も増加していることがわかります。2007年度の現地法人数は製造業、非製造業ともほぼ同数でしたが、2014年度では非製造業が製造業のおよそ1.3倍上回っています。
出典:海外事業活動基本調査 – 経済産業省
2007年度の現地法人数を100とした場合の、その後の推移をグラフで表したものです。製造業はおよそ1.3倍増加、非製造業は1.6倍と大きく増加していることがわかります。
出典:海外事業活動基本調査 – 経済産業省
製造業の中では輸送機械がトップ
製造業のうち、現地法人数の多かった業種は輸送機械の2,201社で、その他の製造業の1,377社、情報通信機械の1,065社と続いています。輸送機械は、自動車をはじめ航空機や船舶、鉄道車両、自転車などを製造する企業が多く含まれます。
出典:海外事業活動基本調査 – 経済産業省
下の図は、主な製造業の現地法人数の伸び率を2007年度を100としてグラフで表したものです。金属製品と生産用機械は2007年度から2014年度の間におよそ1.8倍に大きく増加していることがわかります。
出典:海外事業活動基本調査 – 経済産業省
非製造業では卸売業が半数以上を占める
非製造業のうち、現地法人数の多かった業種は卸売業輸送機械の6,641社で、サービス業の2,105社、運輸業の1,294社と続いています。
出典:海外事業活動基本調査 – 経済産業省
下の図は、主な非製造業の現地法人数の伸び率を2007年度を100としてグラフで表したものです。サービス業が7年間のうちに2.7倍と大きくの伸びています。
出典:海外事業活動基本調査 – 経済産業省
参考サイト
個人消費の動向について – 内閣府