インドネシアへの海外進出で知っておきたいことまとめ
インドネシアは、北緯6度から南緯11度、東経95度から141度に位置する大小17,000以上の島から成る国です。日本との関係も友好で、物価も安いことから多くの企業がインドネシアでビジネス展開を果たしています。
インドネシアへの進出状況
インドネシアの日系企業は1,533社で、主な企業にはトヨタ自動車やダイハツ工業、三菱自動車、ホンダ技研、スズキといった自動車メーカ、パナソニック、シャープ、エプソンなどの電気機器メーカー、また、東レ、ユニチャーム、ライオン、花王、味の素、ヤクルト、日清食品、旭硝子、ヤマハといった日本を代表する企業がインドネシアへ進出しています。また、インドネシアの在留邦人数は18,463人です。
出典:ジェトロ「インドネシア」
インドネシアの日系企業を業種別で見ると輸送機器が最も多く、卸売業、その他の製造業、化学、運輸業と続きます。
出典:経済産業省「海外事業活動基本調査」
インドネシアへの進出で押さえておきたい法律
インドネシアでは、一般的な法律に加えて大統領規程や大臣規程と呼ばれる規程によって規制が設けられています。海外進出の企業についてもこれらの規程により定められています。例えば、2007年4月26日付第25号新投資法において、武器や弾薬、爆発物など国防産業への外国資本による投資は禁止されています。また、2013年12月6日付商業大臣規程2013年第70号では、商業施設の立地条件や設置条件、事業許可等が規定されています。他には、農園事業について、収穫物の加工事業、栽培事業などに細かい規制が定められています。
インドネシアの概要
面積は191万931平方キロメートルで日本の面積のおよそ5.1倍あります。また、人口は2億5,217万で中国、インド、アメリカ合衆国に次いで世界4位です。宗教はイスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教などですが、9割近い国民がイスラム教徒です。
出典:ジェトロ「インドネシア」
インドネシアの経済状況
インドネシアのGDP成長率はここ10年間5%前後で推移しています。さらに50年ほど過去に遡って見ても7%~8%の高い成長率を維持しています。1998年のアジア通貨危機では、首都のジャカルタで民主化運動が激しくなり暴動が起きるなどして経済が悪化した経緯がありましたが、その後は順調な成長を続けています。
出典:ジェトロ「インドネシア」
インドネシアの通貨は「ルピア(IDR)」で、2016年9月時点での円との為替レートは、1ルピア0.007764円です(1円換算で128.64ルピア)。為替レートの推移を見てみると、1980年代は1ルピア0.35円前後でしたが2000年に向けて大きく円高が進行し、以降もわずかながら円高へ推移しています。
インドネシアへ進出した企業が認識するリスク
海外進出した企業の、日本国内でのリスクと比較するアンケート調査によれば、インドネシアには、
- インフラの未整備
- 商慣習・風俗・宗教に関するトラブル
- 贈収賄
- 税務手続きに関するトラブル
- 治安・政情の悪化
- 法規制の変更・不透明な運用
などが日本国内と比較してリスクが高いと認識しています。
出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「海外リスクマネジメント実態調査」
参考サイト
インドネシア観光局
ジェトロ・ジャカルタ事務所
インドネシア投資調整庁
外務省「最近のインドネシア情勢と日・インドネシア関係」