フィリピンへの海外進出について知っておくべき点まとめ
フィリピンは、東南アジアに位置する大小7,000以上の島々から成る島国です。日本とフィリピンは戦略的パートナーシップの関係にあり、日本からは貿易や投資、経済協力といった支援が行われています。また、多くの日系企業がフィリピンへ進出しています。
日系企業のフィリピンへの進出状況
JETROによれば、フィリピンの日系企業数は1,448社(2015年)で、業種別で見ると卸売業が最も多く、輸送機械、情報通信機械、その他の製造業と続いています。トヨタや日産自動車、ホンダなどの自動車メーカーをはじめ、キヤノン、村田製作所、エプソン、ユニクロ、三菱商事、丸紅、伊藤忠など日本を代表する企業がフィリピンに進出しています。
出典:経済産業省「第45回海外事業活動基本調査結果概要」
フィリピンの概要
フィリピンの国土面積は30万平方キロメートルで日本の国土の約0.79倍の広さです。人口は9,988万人で日本の人口の約0.78倍です。言語はフィリピノ語、英語、セブアノ語などが用いられています。
出典:ジェトロ「フィリピン」
フィリピンでは日本と同じく小学校と中学校が義務教育とされていて、小学校1年から英語の授業が設けられています。また、数学、理科、そして英語の授業では、英語が「指導言語」に指定されており、授業そのものが英語を使って進められています。
フィリピンの経済状況
フィリピンの実質GDP成長率は6.10%と高く、一方で1人当たり名目GDPは2,850ドルと低水準にあります。フィリピンの1人当たり名目GDPを他のアジア諸国と比べてみると、インドネシアより低く、ベトナムより高い水準にあります。1人当たり名目GDPの伸び率を2000年当時と比較するとフィリピンは約2.76倍に増えていますが、他のアジア諸国よりも低い伸び率です。
出典:IMF「IMF DATA」
下のグラフは、フィリピンやインドネシア、タイ、アメリカ合衆国の通貨の対円レートを、2005年の為替レートを100として、その後の変動を表したものです。フィリピンの通貨である「ペソ」は、為替が円安へ推移すると他の通貨よりも円安にぶれやすいことがわかります。
出典:IMF「IMF DATA」
出典:ジェトロ「フィリピン」
フィリピンへ進出した企業が認識するリスク
フィリピンに進出した企業に対する、日本国内でのリスクと比較したアンケート調査によれば、フィリピンでのリスクは総じて日本よりも高いという結果が出ています。主なリスクとしては以下のものが挙げられます。
- インフラの未整備
- 盗難・強盗・誘拐
- 自然災害
- 治安・政情の悪化
出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「海外リスクマネジメント実態調査」
参考サイト
戦略的パートナーシップ強化のための行動計画 – 外務省
フィリピン共和国 – 外務省
フィリピン調査レポート – JETRO
2015年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査
フィリピン政府観光省
フィリピンにおける小売・サービス業調査