シンガポールへの海外進出について知っておくべき点まとめ
シンガポールは、マレー半島の南端に位置する国土面積719平方キロメートルの国です。東京23区よりもやや広い程度の小さな国ですが、世界有数の金融拠点、貿易拠点として知られています。
日系企業のシンガポールへの進出状況
シンガポールの日系企業を業種別で見ると卸売業が最も多く全体の4割を占めています。2位はサービス業、3位はその他の非製造業と続きます。住友化学やアサヒグループホールディングス、不二製油、ソフトバンク、東京ガス、三菱重工業、ヤマトホールディングスなどの企業がシンガポールで事業展開を図っています。
出典:経済産業省「第45回海外事業活動基本調査結果概要」
アジア諸国における現地法人数を製造業と非製造業に分けてみると、ほとんどの国で製造業が非製造業を上回っていますが、シンガポールでは非製造業が製造業を上回る結果となっています。
出典:経済産業省「第45回海外事業活動基本調査結果概要」
下のグラフは、日系企業がシンガポールで新設した現地法人数の推移を表したものです。2000年から2009年までは20社未満で推移していましたが、2010年以降は毎年20社以上が新規設立しています。
出典:経済産業省「第45回海外事業活動基本調査結果概要」
シンガポールでは、多くの海外企業を受け入れるために、外資100%企業の認定、法人実効税率の17%への引き下げなどの優遇措置が図られています。
出典:財務省「法人実効税率の国際比較」
シンガポールの概要
シンガポールの国土面積は719.1平方キロメートルで日本のおよそ500分の1の広さです。人口は553万人で日本の人口の23分の1程度です。言語は英語、中国語、マレー語、タミル語などが用いられていますが、ビジネスを含めてほとんどのシーンで英語が通用します。
出典:ジェトロ「シンガポール」
シンガポールの経済状況
シンガポールの実質GDP成長率は2.92%で、他の先進国とほぼ同様の成長率を遂げています。1人当たり名目GDPは、およそ5万6,000米ドルと世界の中でも高水準にあります。下の図は、2005年から2014年までの1人当たり名目GDPの推移を国別で表したものです。これを見ると2005年の名目GDPは最下位でしたが、2009年から2011年にかけて大きく伸び、2011年以降はトップを継続していることがわかります。
出典:IMF「IMF DATA」
出典:ジェトロ「シンガポール」
シンガポールへ進出した企業が認識するリスク
シンガポールに進出した企業に対する、日本国内でのリスクと比較したアンケート調査によれば、シンガポールには脅威となるリスクがほぼないことが判明しています。シンガポールよりも日本国内のほうが高いと認識しているリスクには以下のものが挙げられます。
- インフラの未整備
- 環境汚染
- 贈収賄
- 知的財産に関するトラブル
- 従業員による不正行為
- 労使間のトラブル
- 治安・政情の悪化
- 盗難・強盗・誘拐
- 法規制の変更・不透明な運用
- 自然災害
出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「海外リスクマネジメント実態調査」
参考サイト
シンガポール政府観光局公式サイト
シンガポールへ進出 – JETRO
シンガポールにおける金融ビジネスの立地競争力に関する調査報告書
進化続くシンガポールの水戦略 金融、まちづくりと結合