現地法人の収益性は国内法人よりもやや低いという結果
経済産業省によれば、現地法人の総売上高はおよそ272兆円(2014年度)と過去最高を更新し、経常利益は10.8兆円にのぼりました。現地での事業を成功させるため、企業ではさまざまな施策を講じています。
現地法人の売上高経常利益率は国内法人よりやや低い
現地法人の売上高経常利益率は製造業4.6%、非製造業3.5%という結果でした。一方、2014年度の国内法人の売上高経常利益率は製造業5.9%、非製造業3.9%(財政金融統計)という結果で現地法人は国内法人よりもやや低いことがわかりました。
出典:経済産業省「海外事業活動基本調査」
売上高経常利益率は、「経常利益÷売上高×100(%)」で求めることができます。企業の収益性を示す指標の1つで、数値が高いほど効率のよい経営が行われており、業績がよいことを表しています。
製造業では食料品の売上高経常利益率が高い
現地法人の売上高経常利益率を製造業の業種別で見てみると、食料品が8.2%で製造業平均よりも高く、また、国内法人(2014年度3.3%、法人企業統計調査)よりも高いことがわかります。はん用機械、生産用機械も6%を超えています。非鉄金属(0%)、石油・石炭(0.3%)の業種は売上高経常利益率がかなり低い水準にあります。
出典:経済産業省「海外事業活動基本調査」
非製造業では鉱業の売上高経常利益率が高い
非製造業では、鉱業が12.4%と最も多い結果でした。現地法人の多い卸売業は2.4%と非製造業の平均よりもやや低くなっています。なお、国内法人の卸売業の売上高経常利益率は2.0%です(2014年度)。
出典:経済産業省「海外事業活動基本調査」
売上高の伸び率はサービス業が高い
下の図は、現地法人の売上高を2007年度を100とした場合の2014年度の数値を表したものです。多くの業種で2007年度よりも売上高が伸びていることが分かります。中でもサービス業は601%の伸び率を見せています。
出典:経済産業省「海外事業活動基本調査」
参考サイト
法人企業統計 – 財務省
海外在留邦人数・進出日系企業数の調査結果 – 外務省
アジア・オセアニア進出日系企業実態調査 – JETRO
中小企業・小規模事業者の動向 – 中小企業庁