海外進出する企業向けの補助金・助成金制度まとめ
日本の政府機関では、海外進出する企業の事業や人材育成、販路開発における補助金や助成金、融資など資金面での支援活動を行っています。
事業支援
海外展開・事業再編資金
財務省の財政投融資により、中小企業の海外展開や事業再編を支援するために日本政策金融公庫を通じて融資を行うものです。融資限度額は7,200万円(うち運転資金は4,800万円)です。
関連サイト:海外展開・事業再編資金
海外展開支援
日本政策金融公庫が、中小企業の海外展開を支援する取り組みの1つです。2012年度からスタンドバイ・クレジット制度を開始し、韓国やシンガポール、インドネシアなどの大手金融機関からの資金調達がしやすくなりました。
関連サイト:海外展開支援
グローバルニッチトップ支援貸付制度
商工中金が、グローバルニッチトップ企業やそれを目指している中小企業の海外展開を支援することを目的とした融資です。2016年度の予算として130億円が計上されています。
関連サイト:海外展開支援(オーバーシーズ21)
JAPANブランド育成支援事業
中小企業庁が、日本の素材や技術を活かして魅力を高め、世界に通用するブランド力の確立を目指す取組みに要する経費の一部を補助金として支援するものです。具体的には商品開発(最大500万円)や国際見本市への出展(最大2,000万円)に係る費用などに割り当てることができます。
関連サイト:JAPANブランド育成支援事業
ジャパン・コンテンツ ローカライズ&プロモーション支援助成金
地域発コンテンツ海外流通基盤整備事業費補助金に基づいて、映像産業振興機構が事務局となって海外展開の際のローカライズやプロモーション活動を行う事業者に対して交付される補助金です。助成金の総額は155億円です。
関連サイト:映像産業振興機構
人材育成支援
海外進出支援奨励金
厚生労働省が、これから海外事業展開を考える海外未進出企業に対して人材育成のために係る費用を助成するものです。具体的には、社員を海外留学させた場合に発生する授業料や教科書代(年間最大100万円)住居費や交通費(年間最大75万円)が助成の対象です。
関連サイト:海外進出支援奨励金
キャリア形成促進助成金
厚生労働省が、企業の従業員の能力向上を目的とした活動に対して支払われる助成金です。キャリア形成促進助成金は雇用関係助成金の1つで、海外関連業務に従事する人材育成訓練に対して1時間あたり800円の賃金助成と、訓練実費額の半額が訓練経費助成として支給されます。雇用関係助成金には、この他に技能検定合格報奨金制度や社内検定制度などがあり、海外進出を見据えて制度を導入することもできます。
関連サイト:雇用関係助成金
技術協力活用型・新興国市場開拓事業
企業が発展途上国の人材育成のために日本へ招き、研修を行う際に発生する費用などを国庫補助金で賄うものです。一般財団法人海外産業人材育成協会が行っている事業で、宿泊費や食費など1日あたり1万円前後が補助対象額となっています。2016年度の予算として24億円が計上されています。
関連サイト:技術協力活用型・新興国市場開拓事業
低炭素技術輸出促進人材育成支援事業
企業がエネルギーインフラ等の運転・保守管理等の人材育成、および、海外工場における生産プロセスの省エネ化における人材育成のために現地人材を日本へ招いたり、専門家を派遣する際の費用に対して補助金が支給されるものです。一般財団法人海外産業人材育成協会が行っている事業で、宿泊費や食費など1日あたり1万円前後が補助対象額となっています。2016年度の予算として9億円が計上されています。
関連サイト:低炭素技術輸出促進人材育成支援事業
販路開発支援
グローバル技術連携支援事業
経済産業省が、技術の流出防止を図りながら海外展開を目指して取り組む試作開発や販路開拓を支援することを目的として補助金の支援を行うものです。対象は、中小企業や大学、公設試の共同体で、試作品開発や販路開拓に係る経費です。金額は、共同体の1事業につき5,000万円(単年度の補助限度額は2,000万円、最長3年間)となっています。
関連サイト:グローバル技術連携支援事業の概要
中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業
中小企業の海外展開を支援するためにジェトロと中小機構が海外の市場動向の情報を提供したり、海外販路開拓の支援、現地進出後の支援をしたりするものです。2015年度の予算として25億円が計上されています。
関連サイト:ジェトロ
ふるさと名物支援事業
中小企業庁が、企業の新商品や新サービスの開発、販路開拓などを支援したり、各種情報を提供したりすることを目的とした事業です。補助対象経費の3分の2以内が補助金として支給されます。2015年度の補正予算として30億円が計上されています。
関連サイト:地域産業支援
グローバル農商工連携推進事業
中小企業庁が、農商工連携によって先端的な生産システムや、生産から加工、流通、販売に至るまでの一貫したバリューチェーンを構築して、3年以内の事業化を目指す実証等の取組を支援する事業です。2015年度の補正予算として8億円が計上されています。
関連サイト:第5章 中小企業・小規模事業者のイノベーション推進
参考サイト
経営サポート「海外展開支援」 – 中小企業庁
海外進出支援 – 日本貿易振興機構
平成28年度において講じようとする中小企業施策 – 中小企業庁
平成27年度において講じた中小企業施策 – 中小企業庁
備考
※本稿で列記した支援活動、制度は2016年9月に調査したものです。制度の廃止、金額変更などのある可能性があります。詳しくは関連サイトをご参照ください。