学習障がいを抱える子どもへの学習支援の仕方
学習障がい(LD)は、聞くことや話すこと、読むこと、書くこと、計算すること、推論することのうち1つ、あるいは複数について著しい困難を示す障がいです。知的発達に遅れは見られませんが、国語や算数(数学)などの学習面において1学年以上の遅れが見られるという特徴があります。
学習障がいを抱える子どもにはどのような学習支援が効果的でしょうか?
カードを使って意思疎通を図る
聞くことが困難な子どもは、1回で話を聞き取ることができません。そのため内容を理解するまでには至りません。理解しないまま学習を進めていっても学力向上にはつながりません。
大きな口でゆっくり、はっきりと話し掛けてあげます。理解するまで根気よく何度も話し掛けましょう。○マークと×マークのカードを用意して、わかったら○マーク、わからなかったら×マークで示してもらい、意思疎通を図っていきましょう。
物語のような長い文を読み聞かせる時は句読点で一呼吸置いたり、段落ごとに「わかったかな?」と確認しながら進めていくとよいでしょう。
その場で正しい話し方を教える
話すことについては、伝えたいことを的確に話せない場合があります。話し方の特徴としては、「が」「の」「を」「に」といった助詞を抜かして話したり、「これ」「それ」「あれ」といった代名詞を多用したりします。
何を言っているのかわからないと突っぱねてしまうのはNGです。何を伝えたいのか、子どもの立場になって考えます。例えば、「明日 晴れ 公園」と言ったとしたら「明日、晴れたら公園に行くのね」と、その場で正しい話し方を教えてあげましょう。
句切りに線を引いて読む支援をする
読むことが困難な子どもは、文章を1文字ずつ読み上げていったり、句読点で句切る句切らないで読んだりします。そのため、文の内容を理解することができません。
句切る所がわかるように、赤いペンで線を引くなどして支援すると効果的です。句切りを入れる所は、句読点のある所以外に「~ね」で句切ることのできる所にも入れると良いでしょう。例えば、「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました。」の文に「ね」を挿入すると「むかしむかしね、あるところにね、おじいさんとね、おばあさんがね、いましたね。」となるので、「むかしむかし|あるところに|おじいさんと|おばあさんが|いました。|」のように区切りを入れます。
拗音や促音を書く練習をする
書くことについては、ひらがなや漢字などを正確に書けなかったり、筋道を立てて文章が書けなかったりします。
文字を正しく書けない子どもは、拗音(ゃ、ゅ、ょ、ゎ)や促音(っ)、撥音(ん)、長音符(-)を誤って書く傾向にあります。例えば、「きしゃ」を「きしや」、「びっくり」を「びくり」「びつくり」と書いたり、「タンポポ」を「タポポ」「アンポポ」、「ゲーム」を「ゲイム」と書いたりします。書き誤ったらその場で正しい書き方を教えてあげましょう。
ひらがなには、「い」や「く」のように書きやすい字もあれば、「あ」「ぬ」のように曲がりくねって書きづらい字や形の似た字があります。このような字は1字ずつ練習するのではなく、「あめ」や「ぬりえ」のように単語で練習すると単語も覚えられるので効率的です。
筋道を立てて文章が書けない場合は、どのような順番で書いていくのかを子どもと話し合うとよいでしょう。いつ、どこで、だれと、何をしたのか、何を思ったのかといったことを中心に箇条書きにして示すと書きやすくなるでしょう。
解きやすい計算問題で自信をつけさせる
計算が苦手な子どもは、数の概念が理解できないために筆算や暗算ができません。例えば足し算や引き算の場合には、指や積み木、ボールなどを使って計算の練習をしてみると良いでしょう。数式を見て解けるようになるまで練習を重ねていきましょう。
計算式の問題を作る時に一工夫してみるのもよいでしょう。例えば、「2+1」「2+2」「2+3」のように同じ数字で始まる計算式や、「1+6」「2+5」「3+4」のように答えが同じになるような計算式を作ります。比較的解きやすい問題を作って、自信をつけさせてあげるのです。
ヒントを出して推論しやすくする
推論することについては、見たり聞いたりしたことから原因が推し量れなかったり、結果が予測できなかったりします。推論することが困難な子どもは、数学(算数)の図形問題や証明問題などが苦手です。答えを全部書かせるのではなく、ヒントを付したり答えを穴埋め形式にしたりして支援するとよいでしょう。大切なことは、問題を解いて自信をつけさせることです。
関連サイト
LD(学習障害)とは – 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
学習障害児に対する指導について – 文部科学省
発達障害の理解のために – 発達障害情報センター
学習障害 – e-ヘルスネット
学習障がい(LD)の子ども向けのオンライン英会話サービス
放課後等デイサービス「みらいジュニア」では、学習障がい(LD)など発達障がいを抱える子ども向けのオンライン英会話サービスを提供しています。お子さん一人ひとりの能力面や身体面に合わせたレッスンカリキュラムで、学習障がい(LD)を抱えるお子さんでも安心して楽しく英語を学ぶことができます。