この記事で分かること
- 英単語を真っ先に覚えるべき理由
- 絶対NGな英単語の覚え方
- 英単語を覚え始める前にすべきこと
- 効率的な英単語の覚え方
- よくあるお悩み相談
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東北の田舎町出身。国際基督教大学在学中。2年間の独学で、英検3級レベルからIELTS7.0を取得。アプリやオンライン教材を使った、「安くて効率の良い英語学習法」を高校生・社会人向けに教えている。学習ロードマップ→https://learn-to-earn-log.com/
英単語の記憶保持力を向上
『Globify(グロビファイ)』
数ある英単語アプリの中から
Globifyが選ばれる理由
①動画と画像で楽しく学ぶ単語帳
②英語を95%理解ができる、最も使用される3,000語を収録
③記憶を長期的に定着させる間隔反復学習
この記事の目次
英単語の覚え方を知る前に
なぜ英単語を覚えなければいけないのか
英語力が高い人ほどボキャブラリーを増やすことの重要性を理解しており、英語力が低い人ほど発音やニュアンスを気にする傾向にあります。
特に日本で英語を学習をしていると、細かい文法や発音に対して神経質になってしまいがち。
そのため、初学者であるほどそれらの細部に気を取られすぎて肝心のボキャブラリーを増やすことに注力できていないことが往々にしてあるのです。
英語を勉強する目的にもよりますが、資格試験の点数などではなく英語自体ができることを目標にしている方は、尚更ボキャブラリーを増やす必要があります。
英語学習には、文法や単語、発音、ニュアンスなどたくさんの要素がありますが、80%ほどは単語学習が占めているといっても過言ではないと思います。発音などの正確さを求める学習はあくまで氷山の一角でしかありません。
また、リスニングやライティングなど特定のスキルができないという方のほとんどは、端的に語彙力が足りていないことの方が多いです。
語彙力を伸ばすことが出来れば、相対的に4技能全てを伸ばすことができます。
もし少しでも思い当たる節がある方は一度集中して語彙力を増やしてみることをお勧めします。
英単語は単純暗記するのではなく理解しよう
英単語学習はただの暗記ではない
皆さんは英単語学習と聞くとどのようなことを思い出しますか?私は高校時代にやったひたすら同じ単語を書き写すという宿題を思い出します。
当時は自分の英単語力がなかったので、ひたすら書いて覚えることが正しいことだと思っていました。
ですが、学習を続けていくうちに英単語の学習は単なる暗記では通用しないということに気づきました。
動詞の細かいニュアンスの違いや、似ているスペルの単語、既に知っている単語の組み合わせの単語など、語彙力が増えれば増えるほど暗記をしても効率が悪いうえにあまり意味がないということに気づきました。
人間は意味のないものの羅列を覚えられない
そもそも私たちの脳は、自分たちに意味があるものでなければ覚えてくれません。
これは英単語に関しても同じで、自分が理解していない単語や自分にとって意味のない単語というのはなかなか覚えられないものです。
英単語を「理解」するとはどのようなこと?という方は、ぜひこの記事の英単語を覚える下準備のパートを読んでみてください。
何時間かけたかではなく、何回に分けて学習したか
忘却曲線とは?
エビングハウスの忘却曲線のことは誰しもどこかで聞いたことがありますよね。
簡単に特長をまとめると以下の2点になります。
①復習をしないと学習した内容が短期記憶で消えてしまう
②復習をする回数が増えるほど、徐々に忘れるまでの時間が長くなる
(長期記憶につながりやすい。)
テストの前の日に一夜漬けで覚えても、次の日にはもう忘れてしまっているというのは誰しもが経験があることですよね。
特に英語学習においては、たくさんの語彙を長期に渡って使えるようにする必要があるため、短期記憶ではなく長期記憶を増やす必要があります。
長期記憶にするためには、一夜漬けの様に一度の何時間も勉強をするのではなく、忘れては覚えるという過程を繰り返す必要があるのです。
スペースレペティションとは?
そこで登場するのが、スペースレペティション(Spaced Repetition)の考え方。
言葉でいうのは簡単ですが、実際にやるとなると自分が忘れているものを把握するのは至難の業です。
単語帳例に考えると、一冊に2000もの単語がある中で全ての単語をどの程度覚えていて、すべてを完璧にするためには毎日それぞれの単語をどれくらいの頻度で復習すればいいのかを管理しなければなりません。
そのため、
分かってはいるけど復習ができないから困っているんだ
という方がほとんどだと思います。
この記事では、このめんどくさがり屋な方が目をつぶりたくなるような学習管理の問題も解決してくれるアプリなどについて解説するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
受動的ではなく、能動的な学習になっているか
アクティブリコーリングとは?
マーカーで線を引く、何度も読み返す、何度も書くなど私たちが学校で効果があると教えられた勉強法は、学習の効率をあげることにはつながらないということが多くの研究ですでに明らかになっています。
そこで大事になってくるのが、アクティブリコーリングというテクニックです。
具体的には、テストをしたり、実際に学んだ知識を使ったり、誰かに教えることが脳への負荷を高めるとされています。
ラーニングピラミッドとは?
ラーニングピラミッドとは、学習法と定着率の関係を示したピラミッド図のことです。
これを見ると、「なぜマーカーを引いたりするだけでは記憶の定着が続かない」ことが分かります。
上記のピラミッドを見てもわかる通り、受動的な学習の代表例である「見るだけ」などはたったの20%程度の効果しか見込むことできません。
研究によると、1回のテストを行うことはを4回読み返すことと同程度の学習効果が見込まれることが分かっています。
絶対NGな英単語の覚え方
NGな覚え方①1日〇個の単語を覚える
「1日〇個の単語を覚える」という単語の覚え方はNG。
既に忘却曲線の部分でもお話した通り、暗記に必要なのは何時間かけるかではなく、何回に分けて学習するかです。
特に英単語学習においては、一度に覚える単語の量が膨大なため、尚更忘れては復習するサイクルを繰り返す必要があります。
そのため、単語帳学習をする際には、多くの単語を、高速で、何度も復習するようなイメージを持って学習を進めましょう。
NGな覚え方②ただ眺めるだけの学習
単語帳の学習をする際にありがちなのが、単語帳を眺めるだけという学習のスタイルです。
ラーニングピラミッドの部分でもお話ししましたが、ただ見るだけというのは脳への負荷が少なく、余程の天才でない限りはいつまでたっても記憶に定着することはありません。
そのため、単語帳学習をする際には意識的にテストをやるようなイメージを持ちながら学習を進めていくようにしましょう。
NGな覚え方③締め切りを決めない
皆さんは1冊の単語帳を学習すると決めたらどれくらいの期間をイメージするでしょうか?
人によって個人差はありますが、多くの場合が明確な締め切りがないまま学習をしてしまうことが殆どです。
まだ学習を始めたばかりの頃は、勉強しなければならないことが多く、様々なことに手を出した結果学習が進まないことも。
私が今まで学習をお手伝いさせて頂いた方の多くも、一度に文法や発音、速読などを一気にやろうとする方が多かったです。
しかし、きちんと締め切りを設けて学習を進めれば忙しい社会人の方でも無理なく1か月に2000単語を覚えることが出来ました。
締め切りが無ければ達成できない目標も正しい目標設定をすることで達成できるようになるのです。
【下準備4つ】英単語の覚え方を実践する前に
1.ボキャブラリーテスト
まず、一番最初にやっておきたいことがボキャブラリーテストです。
皆さんは今自分がどれくらいの単語を知っているかをきちんと把握できていますか?
一般的な資格試験ではスコアは出ますが、自分がどの程度の英単語を覚えているかということについては知ることができません。
スコアなどはテストを受けるテクニックなどで、実力以上のスコアが取れてしまうため自分の本当の英語力が分かりにくいことがあります。
そこでもっとも簡単に自分の英語力を測る指標として有効なのが、語彙の量を測ること。
語彙力を測ることで自分の成長を可視化することができ、目標設定がしやすくなるのです。
「Test Your Vocab」という、こちらのサイトを使うことで、たったの10分程度で自分の語彙力がどの程度あるのかということを測ることができます。
テストの内容自体は、かなり難しめになっているので、分からない単語ばかりでも落ち込む必要はありません。
このサイトを利用する際の注意点としては、自分が見て1秒で分かる単語だけを選ぶということです。
実際にネイティブと会話をするときは、言葉を言われてその単語の意味が即座に分からなければコミュニケーションを取ることができません。
そのため、自分がきちんと理解できている単語の数を知るためにもこの1秒ルールはきちんと守るようにしましょう。
参考までにネイティブの持っている語彙力と、資格試験別の語彙力についてまとめました。
ネイティブの平均語彙力
ネイティブ 成人 | 20,000〜35,000語 |
---|---|
ネイティブ 8歳 | 10,000語 |
ネイティブ 4歳 | 5,000語 |
資格試験別の語彙力
英検1級 TOEIC900点程度 | 10,000~12,000語 |
---|---|
英検準1級 TOEIC800点程度 | 8,000~8,500語 |
高校卒業、英検2級 TOEIC600点程度 | 4,000~5,000語 |
中学卒業程度 英検3級 | 〜2,000語 |
これらの指標をもとに自分が今どこにいるのかということを事前にきちんと把握したうえで今後の学習方針を続けていきましょう。
資格試験と違い、お金をかけることなくいつでも自分の現状を測ることができるのがこのボキャブラリーを測ることの最大の利点です。
2.単語帳選び
ここからはボキャブラリーテストで測った自分の語彙力をもとにどの単語帳を選んでいけば良いのかという話をします。
具体的には、自分で単語帳を選ぶ際の基準、単語量別のおすすめ単語帳の2つの順番で解説します。
自分で単語帳を選ぶ際の基準
そんな時に、これだけは守りたい3つのことについて解説します。
・最初は単語量が1,500~2,000語程度のものを選ぶ
・本の中を見てみて、分からない単語が7割以上を占めるものを選ぶ
・自分の学習目標に沿って作られた単語帳である
まず、特に最初の単語帳を選ぶ際には1,500~2,000単語程度かつ1~2ヶ月程度で学習を終わらせることができる量の単語帳を選ぶということです。
後程更に詳しく解説しますが、単語帳は基本的に1冊1~2か月程度で終らせることを前提で選ぶことをお勧めしています。
だらだらと学習を続けてもどうしても定着しにくいので、短期間で終らせることができる範囲で単語帳を選ぶことが大切です。
人によって持っている単語レベルは違うので、完璧な単語帳のガイドはありません。
ですが、最低限この基準だけを守れば見当はずれの単語帳を学習することは防ぐことができます。
最後に、自分の学習目標に沿って作られた単語帳を選ぶということです。
資格試験対策をするのであれば、その試験専用の単語帳がありますし、会話力を伸ばしたい人であれば会話用の単語帳があります。
ですが、1万以下の語彙力であれば語彙力がまだ相対的に足りていないので、自分の学習目標に合った適切な単語帳選びをしていくようにしましょう。
結論としては、正直多くの人が正しい単語帳を選ぶこと自体が目的化していて、肝心の語彙力を増やすことに時間を使えていません。
もしも、単語帳選びに迷っている人は以下の語彙力別おすすめ単語帳をもとにまずは学習を始めることを優先させてみて下さい。
語彙数~4000 『ターゲット1900』
どこの本屋さんにも置いてある代表的な受験対策単語帳ですね。
特長としては、無料のアプリでクイズや音声再生をすることができる点があります。
後述しますが、単語帳をやるうえで音声を分かっていることはとても重要なので、アプリでいつでも音声を再生することは大きな利点です。
もしも、
という方がいれば、カバーを裏がえすことでおしゃれになるので、気になる方は確認してみて下さい。
正直、語彙力~4000までの単語帳は他にもDUO3.0やシステム英単語など定番の単語帳が多くあります。
ですが、どの単語帳にしろ1~2か月程度で終わらせて次の単語帳に取り組むようなペースで進めるので、最後はこれらのレベル帯の単語帳から自分がデザイン面などで気に入ったものを選んでしまいましょう。
語彙数 4000~7,000 『鉄壁』
東大受験用の単語帳というくくりになっていますが、受験生以外にもぜひおすすめしたい一冊です。
特長としては、ただ単語と例文が書かれているだけという他の単語帳と違い、単語を理解する上で大切な接頭語、接尾語や、イディオムを覚える際に必要な前置詞のイメージまで網羅されているという点です。
通常、他の単語帳では上記のものが書かれていないため、基本的には自分で学習をする必要があります。
ですが、鉄壁には予め解説が書かれているため、自分で毎回語源などを調べる手間を大幅に省くことができるのです。
語彙数 7,000~11,000 『TOEFL3800』『英検1級出る順パス単』
語彙力が7,000を超えてくると、単語のレベルもかなり高くなってきます。
アカデミックな語彙なども増えてくるため、普段は使わないのではないかというような単語もたくさん出てくるのがこれらのレベル感です。
ですが、このTOEFL3800や英検1級の単語帳にでてくるような難しい単語でも、ネイティブの会話の中で平然と出てきます。
そのため、英語を勉強するのではなく、英語で何かをするためには大体語彙力が1万程度になるまでは単語帳での学習を進めた方が良いです。
語彙数 11,000~
11,000を超えてくると多くの場合はGREなどの大学院用の単語帳となってしまいます。
ですが、ビジネス英語や英語で生活をする程度であれば無理に大学院用の単語までやる必要はありません。
この語彙力までたどり着いているようであれば、洋書を読むにしてもストレスが少なくなってきているはずなので、わかる単語を実用単語(Productive vocabulary)に変えるために自分の好きな本を読んで語彙力を補強するのが一番良い方法だと思います。
以上がそれぞれの語彙数別の単語帳ガイドでした。
英語学習全体のやり方として、早く語彙を増やして英語を学習することから、英語で学習することが大切だということを繰り返しお伝えします。
よく言われる洋書の多読や、ひたすら英語を聞きましょうというような学習方法は、一定上の語彙力がなければあまり意味がありません。
一方、語彙がある段階でドラマをたくさん見たり、自分が好きな本を読めば勉強している感覚がないまま英語力をあげることができるのです。
勉強をしているという感覚がある時点で、学習時間はどうしても伸びてこないので、早い段階でこの1万語彙の壁を超えて、学習を楽しめるようになりましょう。
3.発音記号・フォニックス
さて、これまでの部分では現状把握をして正しい単語帳を選ぶという内容でした。
これからはいかに単語帳をやっていくのかという内容で解説いたします。
単語の読みが分かることの重要性
まず、単語をやるにあたって大事なのは単語の読み方が分かっているということです。
単語レベルが4,000程度で良いという方であれば、毎回Googleなどで検索して単語の読み方を調べて丸暗記すればいいかもしれません。
ですが、語彙力10,000などを目指す方であれば予め単語の発音に関する知識を入れておかなければ、時間を無駄にしてしまう可能性が高いです。
そのため、発音の知識はどうしても受け付けないという人であっても、最低限読み方を把握した段階で単語帳学習を初めるようにして下さい。
フォニックスとは?
皆さんはフォニックスを知っていますか?簡単にいうと、スペルと発音がきちんと合うようにするための学問です。
英語圏の小学校で、小学生が初めて見る単語を見ても正しい発音ができるのは、このフォニックスの知識を教わっていることが多いからです。
これは小学生だけではなく、英語を第二言語として学習している方にもあてはまるので、フォニックスの勉強をすることで毎回単語を勉強する必要がなくなるのです。
でも、フォニックスって難しいんでしょ?
という方もいると思います。
そんな方にお勧めなのが、この「あいうえフォニックス」というYoutubeのサイトです。
このYoutubeのチャンネルでは、若い人だけではなく、大人でも使えるような発音改善の方法についても解説されています。
単語帳を始める前に動画を見ることで、徐々に単語を調べる回数も減ってくると思います。
読むことができる単語は、聞くこともできるようになりやすいので、単語帳を効率的に学習する下準備としてやっておくことをお勧めします。
4.接頭語・接尾語
もう一つだけ、単語帳を始める前にやっておきたい下準備あります。
それが、「接頭語・接尾語」を覚えるということです。
なぜ接頭語・接尾語を覚える必要があるのか
特に語彙力を1万程度まで伸ばす予定がある人であれば、接頭語・接尾語を覚えることは大きな時間の削減となります。
有名な例としては、companyという単語があります。
Companyは、com-(一緒に)、 pan(パン)、 -y(こと)という3つのパーツからできています。
これらを組み合わせて、一緒にパンを食べる仲、つまり仲間や会社というような意味へ発展しているのです。
このような形で、少しずつ接頭語や接尾語を覚えていくと、見たことのない単語を見た時にも対応できるようになってきます。
例えば、companionという単語を例に考えてみましょう。
先ほどの学習した接頭語の知識があれば、一緒にパンを食べる仲、つまり仲間や連れというように単語の意味を類推することができるようになります。
これらはほんの一例ですが、英語学習を進めていけばいくほど、この小さな類推が大きな力を持つようになります。
最低限の英単語を覚えれば、既に知っている単語+接頭語・接尾語の組み合わせで大きく語彙量を増やすことが可能になるのです。
どうやって覚えればいいのか
では、この便利な接頭語、接尾語ですがどのように覚えればいいのでしょう?
具体的には以下の3つの方法をお勧めします。
①英単語の語源図鑑(初心者向け)
これらは特にイラストで学習を進めたい方におすすめです。
2冊セットで、接頭語、接尾語以外にも英単語の語源などにも楽しんで学習を進めることができます。
もし、まだ英語が初学者で語彙力もほとんどないという方はぜひこちらから始めてみて下さい。
②Gogengo!
もし、既に少し語源などの知識を持っている、お金をかけずにパパっと勉強をしたいという方であれば、こちらのGogengo!というサイトをおすすめします。
こちらのサイトではかなり多くの語源について紹介しているため、時間が無い方は良く出る語源の上位30個程度の学習をすることができれば十分だと思います。
③Quizlet (めんどくさがり屋の方向け)
こちらの単語帳アプリのQuizletでは、すでに他の学習者の方が作った単語帳のデータを活用して、効率よく接頭語・接尾語を覚えることができます。
スマホでアプリをダウンロードして学習をすることができるため、アプリでの学習などに抵抗が無い方であれば特にお勧めです。
【ポイント3つ】英単語の効率的な覚え方
1.単語帳の回し方
基本的な学習方法
この記事の冒頭で、忘却曲線やアクティブリコーリングのについてお話しました。それらから学んだこととしては、
・かけた時間よりも、何回に分けて学習するか。
・受動的な学習よりも、テストなどの能動的な学習をできているか。
という2つのことが大事だということでした。
これらを最大限生かすためには、これから以下のポイントを意識することが必要です。
・1単語あたり1秒のルールを守る。
・何時間かけたかよりも、何周したかを優先する。(一度にたくさんの単語を学習する)
・いつまでも単語帳だけで学習を続けない。(アプリでテストをする)
単語帳だけで全てを覚えようとしている人は、無意識の内に多くの時間を無駄にしている傾向にあります。
また、一日に~単語覚えるというような学習方法は、序盤でもお話したとおり記憶の定着の観点からはあまり効果がありません。
そのため、何時間もだらだらと学習をするよりも、1単語1秒で短時間の間にできる限り多くの単語を学習するということを心がけることが必要です。
こちらの記事でご紹介する学習方法は、これまで下準備お話ししてきた接頭語、接尾語やフォニックスなどの知識を活用して単語帳で学習を進め、その後単語帳だけでは覚えきることができない単語をアプリに移行して覚えていくというものです。
イメージとしては、単語帳での学習はあくまで覚えられる単語とそうでないものの選別過程だと思ってください。
ここからは更に具体的に、どのように単語帳を進めていき、アプリへ移行していくのかというお話しをします。
2.単語帳学習!【単語の選別が命。】
単語帳学習ではそれぞれ何周目かでやる内容が変わってくるため、周別にどのような学習をすればいいのかについて解説します。
0週目 単語の種類分けとは?
前述したとおり、この学習法では単語帳をあくまで単語の選別のために利用して、後程登場するアプリでの学習につなげていくことを前提にしています。
そのため、いつまでもだらだらと単語帳だけで学習することを防ぐために、単語の選別が終わり次第アプリへ移行するといいう形を取ります。
その選別の際に利用するのが以下の3つの基準です。
〇 すでに覚えている
△ どこかで見たことあるor分解できてるから覚えられそう
× 何回みても覚えられる気がしないor分解のしようがない
今まで学習した接頭語・接尾語などを使用すると、単語を理解することができるようになるため、比較的容易に学習を進めることができるようになります。
ですが、単語帳を進めていくにつれて、どうしても覚えることができないという単語は一定数存在します。
そのような単語は、単純暗記の効率を最大化するアプリでぱぱっと覚えてしまった方が大きく時間を節約することができるようになるため、×をつけてとしまうことをお勧めします。
一度忘れたとしても、ただ暗記している単語と違い理解して覚えた単語はあとで思い出すことも容易なので、いつまでも覚えている単語に時間を使う必要はありません。
既に覚えている〇の単語よりも、もう少しで覚えられそうという△の単語を重点的にやるようにしましょう。
この単語の選別基準をもとに単語帳に取り組んでいきます。
1周目 顔合わせ期(読めない単語をなくす)
まず、単語帳を始めるにあたって一番最初にすることは単語の読みを把握することです。
名前の呼び方が分からない友人のことを覚えられないのと同じように、読み方がわからない単語はどうしても覚えづらい傾向があります。
そのため、以下の方法を活用して全ての単語の読み方を一度分かるようにしてください。
・発音記号を利用して、単語を読めるようになる
・フォニックスの動画を利用して、自分が苦手な単語のスペルだけ読めるようになる
・付属のCDなどで単語のスペルと音が一致するようにする
個人的には1つ目の発音記号を利用して単語を読める様になるをお勧めします。
という方もいらっしゃるかと思いますが、自分がいつも読めない記号だけを重点的に学習すればそこまで時間をかけずに学習を進めることができます。
こちらのAtsuさんのサイトに発音記号がまとまっているので、どこで勉強したらいいのか分からないという方はこちらのサイトを参考にして見てください。
出典:https://atsueigo.com/
発音記号等はどうしても苦手という方でも、単語帳に付属の音声を利用して最低でも1回は音声を聞くようにしてください。
もしも、ここできちんと読み方を把握しないまま単語を覚えても、後でリスニングで聞く際にも単語がただの雑音に聞こえてしまいますし、当然自分で発音することも出来ません。
2周目 自己紹介期(単語を分解して理解していく)
2周目からは、単語を接頭語、接尾語などを利用して分解、理解する作業に入ります。
一部の単語帳では予めこの分解が行われているのですが、ほとんどの単語帳では自分でこの分解をする作業をする必要があります。
自分でこの分解の作業を行うことは、後々自分でわからない単語が出てきたときに類推する力も高めてくれるので、できれば自分で時間をかけて単語を分解、理解してみるのがお勧めです。
私の使用した単語帳を例に見ると、exやoutなど既に覚えている接頭語、接尾語を利用して覚えられる単語から覚えていました。
ですが、charade、charlatanなど分解のしようがなく、丸暗記をするしか無い単語に関しては×の単語に分類して、後程アプリ学習で覚えてしまいました。
また、outrageなど既にカタカナ語になっている単語に関しては理解している単語として扱っています。
このように最初の段階で、ゆっくりと時間をかけて分解することで、一見非効率に見えるかもしれませんが、後から覚える際のとっかかりが生まれて覚えやすくなります。
3~5周目 顔見知り期(単語を見たことがあるレベルまで持っていく)
単語を自分ができる範囲まで理解することができれば、後は何周も繰り返していく過程に入ります。
ここで意識するのが、「1単語1秒」のルールです。
単語の意味の部分を隠しながら、毎回テストをするような形で学習を進めていき、単語を見て1秒で分からないようであれば、その単語にしるしをつけていきます。
当然、3~5周程度では、殆ど覚えることができないため、無理に覚えようとするのではなく見たことがあるというレベルまでもっていくことが出来れば成功です。
5~7周目 知り合い期(一部の単語を段々と覚え始める)
ここまでくると少しづつ単語を覚え始めてきます。
既に覚えた単語に関しては、それ以上時間を使ってもあまり意味は無いので、スキップしてもいいです。
それと同時に、ここまで学習を進めると自分がどうしても覚えることが出来ない、×の単語というのも分かってきます。×の単語は時間を無駄に使ってしまう原因となるため、後でアプリで覚える単語として割り切ってしまう方がいいです。
7~10周目 友達期(覚えた単語と、覚えられない単語の選定を終える)
7~10周程度学習を進めると、自分がすでに覚えた単語と単語帳だけでは覚えることが出来ない単語に分けることができるようになります。
覚えられない単語は、単語帳でいつまでも眺めていても永遠に覚えることができないので、だらだらと続けるのではなくスパっと選別完了としてしまうことをお勧めします。
また、これらの~周というのはあくまで目安であって個人差があるので、あくまで×の単語を選定が終わるまでという意識で学習を進めてください。
この×単語の選定が終れば、いよいよアプリを利用した学習に進みます。
3.単語帳→アプリへの移行
単語帳だけのアプリでは、どうしても既に覚えている単語も復習しなければいけないし、何より単語帳を持ち歩くのがめんどくさくてスキマ時間に勉強することが難しいですよね?
おすすめの英単語アプリを紹介している記事はこちら!
Anki
そんな時に使うのが、「Anki」というアプリです。
Ankiは、海外の医学部生など多くの暗記をしなければいけない人のための暗記アプリです。
忘却曲線に合わせて、最も効率的に暗記を行うことができるように学習のペースを管理してくれます。
そのため、毎日スキマ時間を使ったAnkiを進めるだけで知らぬ間に覚えてしまうという優れモノです。
単語帳の種類は2種類。
①Anki webから他のユーザーが作成した単語帳をダウンロードする
②自分で単語帳を作る
この学習では、後者の自分で単語帳を作る方法を活用します。
Ankiにはアプリの他にデスクトップもあるため、パソコンで作成した単語帳をスマホに同期することが可能です。
デスクトップ版は無料で、iOS版は3000円ほどになっています。
なぜ、他のアプリではなくAnkiなのか
英単語学習には、たくさんのアプリが公開されています。
mikanやQuizletなど他に多くのアプリがあります。ですが、その中でもAnkiを選ぶ理由には以下の点があります。
・カスタマイズできるカードの種類の豊富さ
・充実した統計データ
・追加課金なし
Ankiを使えば、音声の録音や画像からカードを作成するなど様々な種類のカードを自由につくることができます。
また、androidであれば最初から無料で、iOSでも初期の3000円で使い放題です。
オンライン上の単語帳データを自由に使って学習することができ、自分の学習データに関する分析も見ることができます。
この記事で利用する学習法にも、自分で録音してカードを作ると言うものがあります。
Ankiを利用する最大の利点である自分で作った自分専用の単語帳で学習するという点を最大限生かすためにも、こちらのアプリを使ってみることをお勧めします。
「Anki」の使い方
ここからは単語選別で残った、×の単語をどのようにアプリに移行していくかについて解説します。
基本的には、Ankiのカードを追加から、表に日本語の意味、裏に英単語を追加するだけです。
このように、できることであれば単語+例文+画像のような形で追加することが理想的です。
Ankiには録音の機能もついているため、発音を覚えられない単語などついては音声も追加することが可能。
基本的には音声も一緒に覚えた方が覚えやすいので、余裕がある方は音声の追加をすすめることもお勧めです。
単語カードを追加し終われば、後はAnkiが提案する学習プランに合わせて毎日数十分ほど学習を続けるだけでみるみるうちに単語を覚えていきます。
Ankiが提案する学習量だけでは物足りないということであれば、学習の頻度なども設定から変えることができるようになっているため、自分にあった学習量を設定してみて下さい。
無理なく覚えるには、毎日の新規カードを20程度から初めて、徐々に毎日の新規カード数を増やしていき、最大でも50程度におさめた方がいいです。
パソコンで作ったカードは、同じアカウントにログインすることでスマホでも同期することができるので、パソコンでまとめて作ったファイルをスマホで学習する形が良いです。
スマホで学習ができるようになることで、日常のスキマ時間を全て学習時間に変えることができるようになります。
Ankiは一回1~5分程度でも学習を進めることができるため、どんなに忙しい方でもこれで学習が進められるようになりますね。
以上が単語帳で単語を選別、アプリへ移動して更に効率的に学習するための全行程でしたが、いかがだったでしょうか?
覚えた単語数にしても3000単語を超えるため、毎日20分程度の学習でも無理せずに結果を出すことができる方法論になっています。
このアプリはラーニングサイエンスに基づいて作られているため、年齢に関わらず多くの人に再現性がある学習法だと思うのでぜひお試しください!
英単語の覚え方に関する悩みを解決!
イディオムが覚えられない
look at、look for、look forward toなど、すこし変わるだけで意味が全く変わってしまうのがイディオムです。
覚えるしかないとひたすら覚える方もいらっしゃいますが、単純暗記ではどうしてもすぐに忘れてしまいますよね。
そんな方におすすめなのが、前置詞のイメージの学習をすることです。
前置詞はそれぞれイメージがあり、単語をイメージと一緒に理解することで自分でイディオムを暗記ではなく、理解することができるようになります。
例えば、さきほどのlookのイディオムで出てきた、atとforとforwardを使って考えてみましょう。
atのイメージ=点
atのイメージは、点なので、一点を見つめるから、見るや眺めるという意味になります。
forのイメージ=〇〇の方向を見る
forは方向などのイメージから、~の方向を見るから、~を探すという意味になります。
また、forは語源的には前という意味もあるため、方向という意味のwardと合わせて、look forwardは前の方向を見る、つまり先のことを楽しみにするという意味になるのです。
このように一つずつ前置詞のイメージをマスターしていくと、見たことのないイディオムを見た時や、おぼろげにしか覚えていないイディオムを使いたいときなどにも、自分の頭で考えて喋ることができるようになります。
イメージで覚える前置詞
特に前置詞のイメージを覚える際には、イラストなどと一緒に覚えることが効果的です。
Pinterestというこちらのサイトを利用するとイラストで前置詞を覚える素材を手に入れることができます。
もう一つのおすすめとしては、日本語で解説が書いてある本を1冊買うことです。
このようなイラスト+日本語での解説が書かれている本を1冊やって、最低限の前置詞のイメージを覚えるだけで今後の学習効率が大幅に変わってきます。
イディオムに困っているという人ほどぜひ一度、前置詞の学習を進めてみてはいかがでしょうか。
ニュアンスがわからない
それ以外にも、homeなど、日本語ではカタカナ語に訳されているものでも英語では違うニュアンスで使われている単語など、単語のニュアンスのマスターには時間がかかります。
ここでは、そんな単語のニュアンスをマスターするための方法を3つご紹介します。
Google 画像検索を使う
Google画像検索を使うとより、単語のイメージがつきやすくなります。
特に名詞のイメージなどは、画像でみることで更に分かりやすくなります。
例としては、同じ地球という意味のearthとglobeがいい例です。言葉で説明されるよりも、より直感的に違いを理解することができるようになるため、ぜひ一度試してみてください。
また、動詞などのニュアンスにも画像検索を使うことで、より直感的に理解することができます。
先ほど出てきた、see、look、watchなどの違いも画像で図解されているものが多く出てくるのでぜひ一度お試しください。
ネイティブがやっている英語解説チャンネルを見る
やはり、単語のニュアンスなどはネイティブの感覚によるものなので、ネイティブからの解説を見るのが一番です。
今はたくさんのチャンネルがありますが、時間がない方であれば特に以下のチャンネルをお勧めします。
この投稿をInstagramで見る
こちらのチャンネルでは、30秒で英語のフレーズや英単語についての紹介をしています。
単語のニュアンスだけでなく、実際に使う際の具体例と一緒に紹介されているため細かい英語のニュアンスが分かりやすくなっています。
動画をみてどのように単語が使われているかを確かめる
あとは、語彙力が8,000~10,000程度の人であれば徐々に多読や、ドラマを字幕なしでみることもできるようになってきます。
実際に自分で試し見て、ちょっと難しいけど頑張れば理解することができるという方は自分で好きなドラマやpodcast、洋書などを読む過程で徐々に単語のニュアンスを理解していけばいいです。
繰り返しになりますが、単語量が少ない段階で無理に洋書を読んだり、Netflixで海外ドラマを見ても効果は薄いです。
十分な語彙数に達している人であれば、意識的に上記の方法を活用して英語に触れれば徐々にニュアンスを理解していきましょう。
意味はわかるけど使えるようにならない
英単語は、Receptive vocabulary(理解はできるけど使うことはできない)とProductive vocabulary(理解した上で使うことができる)の2つに分けることができます。
とりわけ日本人はインプットは多くするのですが、実際に話す機会が少ないことから理解できるけど自分で使うことはできないという単語の方が多くなりがちです。
Receptive vocabularyをProductive vocabularyに変えていくためには、インプット偏重を辞めてアウトプットを増やすしかありません。
ここでは、アウトプットを増やしていくためのいくつかの方法をご紹介します。
Hello Talk
こちらのアプリは言語交換のアプリで、日本語を学びたい外国の方に日本語を教える代わりに、こちらも英語を教えてもらえるというサービスです。
基本無料でネイティブから自分が書いた文章を直してもらったり、仲良くなれば通話などをすることもできます。
課金をすることで、回数無制限の翻訳機能を使いながらチャットをすることもできるようになるため、アウトプット量を大幅に増やすことができます。
レアジョブ英会話
言わずと知れたNo.1英会話サービスです。
レアジョブは用意されたレッスンをこなすこともできますが、自由に会話をするコースを選ぶこともできます。
このフリーカンバセーションのレッスンを最大限活用することで、発音の矯正や英単語のニュアンスなどについても聞くことができます。
自分がニュアンスが分からない単語を予めリストアップしておけば、レッスンの際にいっきにそれらの質問を聞くことができます。1レッスン129円からできるので、ぜひ一度お試しください。
最大のAnki活用法「録音」
また、一人でも英単語を知っているから使える様になる方法として、自分の声をAnkiで録音してカードを作るという方法があります。
Hello Talkやレアジョブ、ネイティブ30秒英会話などから学習した内容を、録音しながら自分の言葉で解説し直すというものです。
これは序盤でご紹介した、ラーニングピラミッドの中の他の人に教えるという最も学習効率が高い学習法になります。
録音しながら、未来の自分に向かって解説をすると後で聞き直した際に過去の自分がどれだけ理解していたのかに驚くはずです。
折角単語のニュアンスなどを理解しても、覚えなければ結局はすぐに忘れてしまいます。
なので、一度使えるようになったらずっと使えるようにするためにも、Ankiへ学習内容の追加は習慣化できるといいですね。
効率的な英単語の覚え方を実践しよう!才能も年齢も関係なし!
この記事では、英単語の学習の心構え、学習方法について解説してきましたがいかがだったでしょうか?
この記事の要点は以下になっています。
・英単語学習はただの暗記ではなく、理解が大切。
・何時間学習するかよりも、何回に分けて学習するか。
・アプリと単語帳の両方を活用する。
・脳に負荷がかかるような学習をして、記憶への定着を促す。
もしもまだ理解していない部分がある方は、ぜひもう一度読み返してみてくださいね。
最後に、英語学習には年齢も才能も関係ないという話で終わります。
年齢を重ねると英語学習には不利だというのは通説ですよね。
ですが、MITが出した研究結果によれば大人でも子どもと同じように言語を学習してネイティブレベルに達することは可能だとされています。
大人は単に子どもよりも学習する機会が少ないために、英語学習が進んでいないだけなのです。
そのため、正しい方法で、一定量の時間をきちんと使えば、年齢に関わらず誰でも英語は学ぶことができます。
この記事でご紹介した方法などをもとに、ぜひネイティブへの一歩を踏み出してみてください。