スタディツアーというと、「海外」をイメージする方も多いと思います。
しかし、近年では国内のスタディツアーも多く開催されるようになりました。
SDGsなどの活動により、社会全体がさまざまな問題について目を向けるようになり、テレビや雑誌も多く取り上げています。
また、日本の地震発生率は世界4位といわれており、震災が多い国といえます。
東日本大震災から学べる災害対策は多くの人が知っておくべき情報です。
このように国内で起きている問題や課題を学べるのが、国内のスタディツアーです。
本記事では、国内で開催しているスタディツアーについて解説していきます。
この記事の目次
国内のスタディツアーとは?
国内のスタディツアーは、日本が抱える問題や課題と向き合えるツアーが多く、自然環境・地域活性・災害復興などが学べます。
年齢や性別を超えた交流や経験豊富な人の話を聞くことができる貴重な機会なので、学生の学習プログラムの一環として活用するケースも増えています。
学生の時期に、問題に取り組む姿勢やさまざまな人との交流を通して、社会の活動を目にすることで、さまざまなことを感じて考えることができるでしょう。
では、国内のスタディツアーでは具体的にどんなことを学ぶことができるのか、詳しく解説していきます。
国内スタディツアーでSDGsを学ぶ
SDGsは、持続可能な開発目標で以下の17の項目によって構成されています。
・貧困をなくそう
・飢餓をゼロに
・すべての人に健康と福祉を
・質の高い教育をみんなに
・ジェンダーの平等を実現しよう
・安全な水とトイレを世界中に
・エネルギーをみんなに そしてクリーンに
・働きがいも経済成長も
・産業と技術革新の基盤をつくろう
・人や国の不平等をなくそう
・住み続けられるまちづくりを
・つくる責任 つかう責任
・気候変動に具体的な対策を
・海の豊かさを守ろう
・陸の豊かさも守ろう
・平和と公正をすべての人に
・パートナーシップで目標を達成しよう
上記の世界共通の目標を2030年までに解決しようと、2015年に国連で定められたのがSDGsです。
SDGsは、2000年に国連で制定されたMDGsが2015年に達成期限を迎えたので、新たに制定された目標です。
以前のMDGsと呼ばれる目標は、以下の8つの項目で構成されていました。
・極度の貧困と飢餓の撲滅
・初等教育の完全普及の達成
・ジェンダー平等推進と女性の地位向上
・乳幼児死亡率の削減
・妊産婦の健康の改善
・HIV/エイズ、マラリア、その他疾患の蔓延の防止
・環境の持続可能性確保
・開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
このMDGsとSDGsを比較すると、現在のSDGsの方が分かりやすく細分化されていると感じるでしょう。
国内のスタディツアーは、主にSDGsの後半の7つの項目に関連したツアーが多いです。
地域活性化・自然環境保護・食品や産業廃棄物問題・災害復興などを、スタディツアーで学び体験することができます。
国内の問題について考えることは、世界的な問題の解決の第一歩になります。
スタディツアーでSDGsを学び、自分たちが生きる将来について考えるきっかけをつくってみてはいかがでしょうか?
国内スタディツアーで自然を体験する
海や山などに生息する動植物が好きな人は、ネイチャー体験ができるスタディツアーがおすすめです。
沖縄・伊豆大島・小笠原・佐渡など、海の美しい場所のスタディツアーは、海洋生物と触れ合いながら環境問題について考える体験ができます。
普段の生活の中でポイ捨てをしない道徳感や、ペットボトルやビニール袋が海洋生物に与える影響の重要さなどを学ぶことができます。
生き物を守るためには、自然環境を壊さないように保護する活動が必要です。
大自然の中で活動をして、楽しみながら環境問題について学べるので、美しい景色を守るために何ができるのかを考える体験となるでしょう。
また、海に住む生物に詳しくなれるので、生き物に関心がある人にもおすすめの国内スタディツアーです。
国内スタディツアーで地域活性を学ぶ
地域活性化を学ぶスタディツアーは、農村部や漁村などの過疎化が進む地域で行われるツアーが多くなっています。
町づくり・町おこし、おみやげ商品の開発など、将来、地域活性化や地方再生に関する職業に携わりたいと考える人におすすめです。
ツアーでは、普段交流することがない専門的な知識がある人や、年齢・性別が違う人の意見を交えながら、現場を視察します。
移住者を募る方法・観光収入の確保・インバウンドについての知識などが学べて、意見交換ができます。
過疎化が進む場所ではどのような問題があるのかについて学べる体験となるので、日本の生活をよりよいものに変えたいと考える方にもぴったりのスタディツアーといえます。
また、独自の政策や催し物などで地域活性化に成功している場所でのスタディツアーもあり、このような成功事例から学ぶツアーもおすすめです。
他にも、地形や環境を上手く利用した地域活性化もありますので、観光業に関心がある人の参加も多くなっています。
国内スタディツアーで災害や復興を学ぶ
東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方は、防災や災害復興のスタディツアーが多く行われています。
東北地方のスタディツアーは、海外からの参加者も多く、原発問題について学べるため世界から注目されている場所です。
災害復興支援として、東北地方の特産品を食べて応援する方法もありますが、「実際に現地の方々がどういった活動をしているのか」ということを知ることも大切です。
また、災害復興だけではなく、自然災害が多い日本の防災意識を高めるためのスタディツアーもあります。
地震や津波で被害に遭った方の体験談や災害の専門家による分析で、災害時にどのように行動すべきか学びます。
日頃から防災意識を高めておくことは、自然災害に遭ったときに被害を最小限に抑えることに繋がります。
災害の爪痕が残る場所でのスタディツアーは、被害や歴史を風化させないという目的もあります。
東北地方の震災で多くのことを学んだ人の意見をさまざまな人に伝えていくのも、スタディツアーを開催する意義の一つです。
詳しくは下記の記事でもご紹介していますので、参考にしてみてください。
<おすすめ記事>
東北地方のオンラインスタディツアーで災害や復興を学ぶ >
オンラインで参加できるスタディツアーの事例ご紹介
実際に訪問する国内のスタディツアーもありますが、ネット環境がある自宅や学校から参加するオンラインスタディツアーも開催されています。
世界情勢の変動や国内政策の影響により、旅行が容易にできなくなることもあり、オンラインで開催されるスタディツアーが増えてきました。
インターネットがあれば誰でも参加できるのが特徴で、ツアーによっては動画視聴のあとにグループセッションの時間が設けられているツアーもあります。
遠方への移動がないので、災害復興支援・自然環境問題・地域活性化など、生徒が関心のあるテーマを選びやすいのも魅力です。
自身の興味があるツアーに参加することで大きな学びを得られるでしょう。
国内のオンラインスタディツアーの事例をいくつか紹介します。
オンラインスタディツアー選びの参考にしてください。
※現在参加募集していない場合もございます。
国内オンラインスタディツアー事例1:讃岐うどんでSDGsをおいしく学ぶ!スタディツアー
うどんで有名な香川県。
県民1人当たりの年間うどん消費量は日本一ですが、同時に、年間推計6000トン(小麦粉換算)以上ものうどんが廃棄される食料廃棄の問題も抱えています。
香川県のうどん店から廃棄物を減らすための活動を紹介します。
内容 | うどんに関する社会課題と解決策をクイズとレクチャーでご紹介、手打ちうどん体験 |
時間 | 1.5時間 |
費用 | 8,800円~ |
ツアー詳細 | HIS公式サイト |
国内オンラインスタディツアー事例2:東北オンラインスタディツアー2021
東北の震災と復興を伝えるため、Dialogue for Peopleとオリンパス株式会社が協力し学生向けに企画されたツアーです。
元々現地開催でしたが、新型コロナウイルスをきっかけにオンライン化しました。
フォトジャーナリスト安田菜津紀さんの司会・進行のもと、被災地(岩手県・宮城県・福島県)とオンラインでつなげて、「東北の今」の話を聞くことができます。
参加者同士で対話・交流の時間もあります。
内容 | 被災地交流 |
時間 | 2時間半 |
費用 | 無料 |
ツアー詳細 | Dialogue for People公式サイト |
日本をもっと知るために、オンラインスタディツアーを!
国内で開催されるスタディツアーについて解説してきました。
自分たちが住む日本をより知るために必要なツアーであることがわかったかと思います。
修学旅行がキャンセルになった場合の代案として、オンラインスタディツアーを利用するのも一案だといえます。
課外学習の一環に、学校から参加できるオンラインスタディツアーを企画してみてはいかがでしょうか?
ここでは、20社以上の英会話スクールに実際に足を運んでレッスンを受けた僕が、「コーチング型」の英会話スクールを合計で17社厳選して紹介しています。