小学校教員の英語力の実態、想像以上に英語ができない?
今は小学生でも英語教育が行われています。2008年度から開始され、2011年度には小学5年生以上は英語が必修に、2020年度からは教科としての英語の授業が開始と、段階的に小学校の英語授業導入が推進されています。入試科目に英語を取り入れている私立中学校も出てきました。
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小学校教員の「英検準1級以上」取得率はたったの1%
文部科学省の調査によれば、公立小学校教員の英検準1級以上の取得率は1.0%という結果でした。
中学校の英語担当教員の場合、英検準1級以上の取得率は30.2%。同じく高等学校の英語担当教員の場合は57.3%です。比較するまでもありませんが、小学校教員の英語力はこの指標を参照する限りかなり低いことがわかります。
※英検準1級以上は、英検準1級以上以外にTOEFLのPBT550点以上、CBT213点以上、iBT80点以上、TOEIC730点以上を指します。
なお、中学校と高等学校の英語担当教員に対しては、文部科学省が「英検準1級以上取得率50%以上」を目標に掲げています。小学校教員については同様の目標は掲げられていません。ちなみに小学校教員の資格認定試験の科目は国語や社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育など。英語は含まれていません。
小学校の教員は中学・高校とは毛色が異なるため、単純な比較は困難ではあるとはいえ、純粋に英語力という観点で見るとやはり低いと言わざるを得なません。
出典:平成27年度公立小学校における英語教育実施状況調査の結果について(文部科学省)
小学校教員の英検準1級以上取得者数は3,433人で、2013年度以降、年々増加の傾向にあります。
出典:公立小学校・中学校及び高等学校における英語教育実施状況調査(文部科学省)
小学校教員は海外留学の経験者が少ない
小学校教員の海外留学の経験率は5.4%で、中学校英語担当教員の52.5%、高等学校英語担当教員の51.9%と比べるとかなり低い数値となっています。
出典:平成27年度公立小学校における英語教育実施状況調査の結果について(文部科学省)
小学校教員の3分の1は英語関連試験を受験している
小学校教員の英検準1級以上の取得率は低い結果でしたが、英検やTOEFL、TOEICなどの英語能力に関する試験を受験している割合は36.6%という調査結果が出ています。およそ3分の1以上の教員が自身の英語能力を測っていますが、英検準1級以上の資格は取得できなかったことになります。
参考サイト
外国語教育 – 文部科学省
文部科学白書 – 文部科学省
小学校における英語教育の現状と課題 – 文部科学省
英語教育関連資料 – 首相官邸
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