法人向け英語研修は最初の「目的設定」がカギを握る
一口に「法人向け英語研修」と言っても、レッスンの内容・レベルやレッスン方式は需要に応じて千差万別です。英語研修の導入を検討する第一歩は「英語研修に何を求めるか」という明確な目的設定といえます。
研修目的がレッスン内容を規定する
法人向け英語研修として提供されるレッスンは、英語研修が目標とするところに応じて柔軟に変化します。法人向け英語研修サービスを提供している事業者 (英会話スクール)は、あらゆる要望に対応し最適な研修が実現できるように、さまざまなレッスンプランを用意しています。
研修プランの立案は、もちろん、要望のヒアリングと提案による双方の共同作業ですが、問い合わせの手前の段階で目的をある程度明確にできていると、最初の進め方もだいぶ違ってきます。また、企業が企業として英語研修を実施する以上、そこには明確な目的が設定されているべきでしょう。
誰をどのように英語力アップさせるのか見極める
英語研修の目的は、業態や活動フィールドによっても違ってきます。企業のステージによっても違ってくるでしょう。特定のイベントを見据えた英語力の引き上げを図る場合もあれば、教養の一部として・自己啓発の助力として位置づける場合もあります。
研修目的は何か? 何のために英語力を引き上げるのか? を明確にすると、それだけで、目的に合ったレッスンの規模や内容がおおむね絞られて具体的な形を取り始めます。
典型的な目的としては、たとえば次のようなタイプが挙げられるでしょう。
海外に担当者を派遣したい
- 海外の自社工場に赴任させる
- 海外企業の工場見学に行かせる人
視察・見学・あるいは赴任といった目的が想定される場合、レッスン受講者は「担当者」1名~数名に絞れます。必要な英語力としては、「専門分野に関する英語知識」を把握した上で「口頭で質問でき」、かつ「相手の発言(回答)を正しく聞き取れる」レベルが望まれます。
海外拠点への異動(赴任)なら、現場で実務をこなす英語力の他に、日常英会話の基礎および現地生活の予備知識なども求められます。レッスンを通じて得させるか自習させるかはまた別問題ではありますが。
海外の企業と交渉したい
- 海外企業に自社製品を売り込む
- 海外の展示会で出展・発表する
海外企業への売り込みや提携交渉を可能にする英語力を身につけたい、という目的があるなら、レッスン受講者は「担当者」1名~数名に絞られ、英語レベルは「専門分野に関する英語知識」が求めらます。その上で、いわゆるセールストークやプレゼンテーションに関するテクニックを身につけなくてはなりません。長所や利点を的確に述べて相手に訴求できる表現、プレゼンテーションの場にふさわしい立ち居振る舞いや話し方など、より相手の心に響かせるための技術が求められます。
海外に事業展開するタイプ
- 海外市場に売り込んでいく
- 海外に販路を開拓する
こうした場合には、当該部署数名~十数名(あるいは数十名)の英語力引き上げを図る必要が出てくるでしょう。自社製品を売り込む話術や(プレゼン力)や、問い合わせメールに対応する文章力・メールの書き方、海外の商習慣に関する基礎知識なども必要になってきます。
グローバル化時代の素養を身につけるタイプ
特定のイベントに対応するためでなく、英語コミュニケーションが必要となる場面に備えて英語力の底上げを図っておくという場合ももちろんあります。
- 突然の海外からの電話問い合わせに対応できるようにする
- 外国人観光客への接客を満足にこなせるようにする
- 英語で資料収集できるようにする
- 福利厚生の一環として語学レッスンを従業員に提供する
こうした場合には「全社員」あるいは「一定以上の役職の者全員」といった大人数を対象とし、かつ、期限の決まった突貫式のレッスンではなく、不断の学習を促すものとして、ある程度の継続性を念頭に置くことになります。
このように目的が明確化すると、レッスン形態もほぼ具体的に見えてきます。
- マンツーマンレッスンか少人数レッスンか、あるいは格安のオンラインレッスンか
- レッスン教室に通わせるか、自社内に部屋を用意して講師を招くか
- 短時間で長期的に行うか、じかんをみっちり割いて集中的に行うか
具体的なプランは多種多様、格安から充実のカスタマイズまで
法人向け英会話レッスンを提供している事業者の多くが、顧客の要望に最適化したレッスンを提供できるだけの豊富なプランを用意しています。事前調査は、あくまで事前調査。ある程度の具体像が見えてきたら、法人向けサービスを提供している事業者に問い合わせ、まずは相談してみるとよいでしょう。担当者がヒアリング内容を基に最適なプランを紹介してくれるはずです。