生徒の英文を添削するには英語の校正ツール「Ginger」がお薦め
生徒の作成した英作文を添削する時には、文法ミスやスペルミスなどに注意しながら進めていきます。しかし、英作文の問題には決まった解答がないため、誤っている箇所を見落としてしまうこともあります。そのようなミスを起こさないためには、文法ミスやスペルミスを自動で見つけてくれる英文校正ツール「Ginger」がお薦めです。
Gingerを活用して、生徒の英作文添削に役立てましょう。
目次
英文校正ツールGingerは、スペルチェックや文法チェックが的確に行える
Gingerの主な機能は、スペルチェックや文法をチェックする機能です。校正に使われているデータベースは、インターネットに公開されている大量の英文をもとに作成されているので、よりネイティブに近い、適切なチェックが行えます。英作文で間違えがちな inやatなどの前置詞、中学生が間違えやすい助動詞を使った後のbe動詞のミスなどもチェックしてくれます。
(例1)
チェック前
I will go the station.
チェック後
I will go to the station.
(私は駅へ行きます)
(例2)
チェック前
I will am able to eat the dinner with you.
チェック後
I will be able to eat the dinner with you.
(夕飯をご一緒できます)
Gingerの校正候補は、文法やスペルの正しさだけではなく、英文としての自然さも考慮されています。Let’s grab a bear. (クマを掴もう)のように、文法的には正しいけれど不自然な英語表現を検出すると、Let’s grab a beer.(ビールを飲もう)のように修正してくれます。
(例3)
チェック前
I thought you were hear.
チェック後
I thought you were here.
(ここにいると思いました)
他の英文校正ツールでは「あなたが聞いたと思った」を意味するI thought you were heard.という文章を提案する場合もありますが、Gingerでは、表現として自然なI thought you were here.(あなたがここにいると思った)という文章を提案してくれます。
英文校正ツールを利用すると文法的な正しさを指摘しているか注目しがちですが、自然な英語をふまえることも大切です。ネイティブ表現に近い提案ができるツールを利用した方が、適切な英語表現が身につき、英語力が伸びやすいと考えておくとよいでしょう。
英文校正ツールGingerは1.5兆の英文を参考にしている
GingerのWebサイトによれば、Gingerは、オンライン上でネイティブが使う1.5兆の英語フレーズを独自に解析しているとのことです。解析したデータに基づいて、英文をより自然で正しい英語に最適化できることが特徴です。
Gingerが、通常の英文チェッカーと比較して優れている点は主に2つです。1つ目はネイティブが実際に使用している英語フレーズが揃っていること、2つ目は文脈に適した言い換え文章を提案してくれることです。ingerを使えば、ネイティブのような自然な英文を書く訓練ができます。
Gingerの「リフレーズ機能」は、より自然な言い回しを提案してくれる
学習塾で、生徒に英作文を指導する場面で役に立つのが、Gingerに搭載されているリフレーズ機能です。李フレーズ機能は、入力した英文の類似表現を複数提案してくれるというものです。英作文の回答は1つではなく、複数パターンあるということを授業中に紹介するのもよいでしょう。意図した表現が書けなくても、リフレーズ機能を使えば最適な表現を見つけられ、類義語や類似表現の勉強になります。センテンスリフレーザーを利用すれば、慣用表現の知識が広がり、ライティング以外のスキルにも磨きがかかります。
リフレーズ前の英文例
Thanks for your cooperation.
リフレーズ後の英文例
Thanks for all your cooperation.
Thanks again for your cooperation.
Thanks for your kind cooperation.
Thanks for your anticipated cooperation.
Thanks for your help and cooperation.
Thanks in advance for your cooperation.
文法的に間違いがない英文であっても、Gingerならば複数の異なる表現フレーズを提案してくれます。
Gingerはパソコンやスマートフォン、タブレット端末で使える
Gingerは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末で使用することができます。WebブラウザのChromeの拡張機能からも使うことができます。無料で使える英文校正ツールのなかには、Webブラウザでしか使用できないものも少なくありません。Gingerは、Webブラウザ版とインストール版がリリースされています。インストール版では、Microsoft Office Wordで英文チェックができます。
Gingerの有料版ではミスしやすい表現を分析して教えてくれる
Gingerには、無料版と有料版が用意されています。
無料版でも使える機能
- 翻訳(Translations in 40 Languages)
- 辞書(Definitions)
- Webブラウザ利用(Ginger for Browsers)
有料版だけで使える機能
- 無制限の文法・スペルチェック(Unlimited Grammar Checker)
- 文章の言い換え(Sentence Rephraser)
- 音声読み上げ(Text Reader)
- 間違えた問題の復習(Practice on your mistakes)
- 間違い傾向の分析(Analysis of your errors)
有料版の料金は、1か月契約で毎月29.96ドル、3か月契約で毎月19.98ドル、年間契約で毎月12.48ドルです。年間契約すると、1か月契約を12か月続けた場合よりも200ドル以上安くなります。学生の場合は、さらに10%割引されます。セールが開催されていることがあるので、契約するタイミングによってはさらに安い金額でも利用可能です。
高度な英作文には英文校正ツール「Grammarly」がお薦め
英作文のスキルを十分に鍛えておきたいという講師の方にお薦めなのが「Grammarly」です。Gingerは2013年にリリースされて以来、無料で使える英文校正ツールとして人気でしたが、2016年にGingerをリニューアルしたGrammarlyも人気の英文校正ツールです。
Grammarlyは、Gingerと同じように、一部の機能は無料で使えます。英文法エラーのチェックとスペルミスの修正をするためだけであれば、どちらの英文校正ツールも同じ程度の精度です。Grammarlyが人気を得ている理由は、本格的な英文ライティングの構成に役立つからです。Grammarlyは、作成した英文のスコアを算出してくれます。スペルや文法、英語表現の正確さに加えて、使用している単語のレベル、文章の読みやすさが考慮される採点基準です。
Grammarlyの、英文法やスペリングの間違いを指摘する機能は無料で使えます。有料版では、指摘基準を細かく指定でき、より高度な英文校正ができます。GrammarlyにはSet Goalsという項目があり、文章の目的に合わせた校正が可能です。文章の意図が学校などで配る「お知らせ」の場合と、小説やブログに掲載する「物語」では指摘箇所が異なりますし、フォーマルとインフォーマルな文章では修正すべき表現が異なります。文章の意図や想定する読者、文章のスタイル、感情的かそうでないか、領域(ビジネスやアカデミックなど)を選択して校正できるので、通常の校正ツールよりも精度の高い指摘を受けられます。
Grammarlyの使用料金は、1か月契約で毎月29.95ドル、3か月契約で毎月19.98ドル、年間契約で毎月11.66ドルです。年間契約すると、1か月契約を12か月続けた場合よりも139.95ドル安くなります。3人以上の利用者が集まれば、1人あたり月額10ドルのチームプランも利用できます。Gingerと同様にセール時に契約するとお得です。
関連サイト
大学入試英作文の語彙分析 – 公益財団法人日本英語検定協会
英語教育の在り方に関する有識者会議 英語力の評価及び入試における外部試験活用に関する小委員会(第1回) 議事録 – 文部科学省
Ginger – Ginger Software
Grammarly – Grammarly Inc.
学習塾の英作文対策には「Weblioのライティングテスト」がお薦め