TOEIC SWライティングテストの英語エッセイ作成問題対策法
TOEIC SWライティングテストの英語エッセイ作成問題では、提示されたテーマや問題に対して自分の意見を述べるエッセイを英語で作成します。英語のエッセイに適した論理的な構成や、的確な接続詞の使用などが高スコアの鍵となります。
TOEIC SWライティングテストで、高スコアを獲得するための対策法を紹介します。
目次
TOEIC SWライティングテストの英語エッセイ問題例と解答例
問題例
There seem to be both merits and demerits of working in a team and working alone. Write your opinion about it and provide reasons with examples.
和訳
チームで働くことにも1人で働くことにも、利点と欠点の両方があるように見える。これについてあなたの意見を書き、例とともに理由を述べなさい。
解答例
It has been said that working in a team is always the best way to contribute to a team. However, the number of people who say working alone sometimes be the best way for a team is increasing. I think working alone is a very good way to boost productivity as well as working in a team, and both working style should be used together properly. That is because I believe the world is managed by the power of two types of people -extroverts and introverts- and working alone helps so much to make use of the advantage of introverts. In addition, some researches show that working in a team has some risk to mislead people.
First, introverts are good at considering things carefully, but they need some isolated environment. They need to think alone, not debating with other people. For example, some researches show that introverts are very thoughtful and productive, but highly sensitive to environmental stimulation and cannot display their real ability in sociable surroundings. In other words, sociable activities like working in a team sometimes exert a bad influence on introverts and damage their productivity.
Second, it is said from a psychological perspective that people tend to be unconsciously influenced by other people’s opinions. For example, we make more incorrect answers when many other people claim that the answers are correct. In this point of view, working in a team has a risk to mislead the team members.
Definitely, working in a team is generally very good for a team. It helps people to work effectively, frankly and passionately. In addition, working alone tends to take more time to process, and sometimes lacks communication. Yes, working in a team has advantages, and working alone has disadvantages. However, in the same way, working in team has disadvantages, and working alone has advantages as I said above.
In conclusion, while people say working in a team is always the best, I think, sometimes, working alone is the best for a team, and both working style should be used to manage a team.
ビジネスの話題に慣れさせる
TOEIC SWライティングテストの大きな目的は、「ビジネスシーンでの英語のアウトプット力」を測ることです。問題で扱われるテーマは、ビジネスに関連した話題が多くなります。社会人経験のない生徒たちが、慣れない文脈に面食らってしまい、本来の英語力を発揮できない、というケースもありえます。生徒たちを、普段からビジネスの話題に慣れさせておくことがすすめられます。教材は、過去問や問題集の問題などがよいでしょう。今、社会のビジネスシーンでどのようなことが話題になっているのかを説明したり、生徒同士で意見を述べさせたりする機会を作るとよいでしょう。
英文エッセイ独特の構成方法
エッセイ問題では、基本の構成パターンをあらかじめ覚えておくことがすすめられます。日本語の小論文や作文でも、「起承転結」といった構成パターンがありますが、英文エッセイにも代表的な構成パターンがあります。
英文エッセイは基本的に、Introduction, Body, Conclusionの3つの要素で成り立っています。日本語の作文との大きな違いは、冒頭のIntroductionで結論を明記してしまうことです。簡単に並べると、次のような流れになります。
- Introduction(結論+全体の要約)
- Body(結論の裏付け)
- Conclusion(再度結論)
英文エッセイの構成は、日本で生まれ育った人には慣れないものですが、書く時には決まった論理の枠を穴埋めするように、1文ずつ当てはめていけばよいだけです。論理構成がしっかりした文章を書くように心がけるとよいでしょう。
生徒が、気後れしたり不安がったりする場合は、板書の色分けや目印を工夫したり、パズルや穴埋めのように演出した教材を作ったりして指導するのも1つの助けになるでしょう。
英文エッセイ構成例
英文エッセイ独特の構成方法を、解答例文を参照しながら見ていきます。解答例の太字部分は、それぞれの文脈で使いやすい、覚えておくとよい表現です。記事の後半でまとめて解説しています。
Introduction
Introductionは、これから書いていく文章の要約です。導入・サマリーとも言います。「これからこういう構成の文章を書いていくからそのつもりで読んでね」という、読み手に対する地図や目次のような役割をします。「現状」や「現状に対する自分の結論」、「結論の裏付け」を簡潔に述べます。
[現状]
It has been said that working in a team is always be the best way to contribute to a team. However, the people are increasing who say working alone sometimes be the best way for a team.
チームで働くことはチームに貢献するにあたって常に最高の方法だと言われてきた。しかし、1人で働くことは時にはチームのために最高な方法だと言う人たちは増えてきている。
日本語の作文では、「起」にあたる部分です。問題文で提示されたテーマについて自分が認識している現状を簡潔に紹介します。
[結論]
I think working alone is a very good way to boost productivity as well as working in a team, and both working style should be used together properly.
私は、1人で働くことはチームで働くことと同じように、生産性を上げるのにとてもよい方法であり、どちらの働き方も適切に併用されるべきだと考える。
[裏付け]
That is because I believe the world is managed by the power of two types of people -extroverts and introverts- and working alone helps so much to make use of the advantage of introverts. In addition, some researches show that working in a team has some risk to mislead people.
それは私が、世界が2つの種類の人々 -外交的な人と内向的な人 – の力で運営されており、1人で働くことは内向的な人の強みを生かすことに大きく役に立つと信じているからだ。加えて、いくつかの調査は、チームで働くことは人をミスリードするリスクを抱えていると示唆している。
上に引用した解答例文の中では、提示した結論に対する2つの裏付けが提示されています。
1. 1人で働くことは内向的な人の強みを生かす
2. チームで働くことには人をミスリードするリスクがある
以降、Body1で1について、Body2で2について、具体例を挙げながら自説の補強を行っていきます。
Body 1
Introductionで提示した結論に対する1つめの裏付けを、理由や具体例とともに詳細に述べていきます。英文エッセイは、きっちりした論理構造を持っており、「結論→裏付け→再度結論」という全体構造と相似を成す構造が、Bodyの各パラグラフにも見られます。Bodyのパラグラフ冒頭では、そのパラグラフで述べたい主張(ここではIntroductionの裏付け1の内容)を提示し、次に具体例などで裏付けを行って、最後に主張を再度述べて強調します。「主張→裏付け→主張」という形になります。
[主張]
First, introverts are good at considering things carefully, but they need some isolated environment. They need to think alone, not discussing with other people.
まず、内向的な人はものごとを慎重に熟考するのが得意だが、いくらか孤立した環境を必要とする。彼らは、ほかの人たちと議論するよりも、1人で考えることを必要としているのだ。
[裏付け]
For example, some researches show that introverts are very thoughtful and productive, but highly sensitive to environmental stimulation and cannot display their real ability in sociable surroundings.
例えば、いくつかの調査では、内向的な人は非常に思慮深く生産的だが、環境刺激に過敏で、社交的な環境では本領を発揮できないということを示している。
前の文で提示した「内向的な人は孤立した環境が必要」という主張に対し、具体説明で裏付けをしています。
[主張]
In other words, sociable activities like working in a team sometime exert a bad influence on introverts and damage their productivity.
つまり、チームで働くような社交的な活動はときに内向的な人に悪影響を与え、彼らの生産性を削ぐことがあるのだ。
ここで、Introductionで提示した主張の1つめ(1人で働くことは内向的な人の強みを生かす)の正当性を強調します。
Body2
2つめの裏付けを、Body1と同じ方法で述べていきます。
[主張]
Second, it is said from a psychological perspective that people tend to be unconsciously influenced by other people’s opinions.
次に、心理学的な観点から、人は他の人の意見に無意識に影響される傾向があるということが言われている。
[裏付け]
For example, we make more incorrect answers when many other people claim that the answers are correct.
例えば、私たちは、他の多くの人たちがその解答が正しいと主張した場合、より多くの間違った解答をする。
[主張]
In this point of view, working in a team has a risk to mislead the team members.
この観点から言って、チームで働くことはチーム成員をミスリードするリスクを抱えている。
Body3
3つめのBodyは、自説を補強する最後の仕上げとなるパラグラフです。「反対意見を示す→反駁(はんばく)する」方法と、「3つめの裏付けを示す」方法の2つがあります。
紹介している解答例文は、「反対意見→反駁」の方法で書かれています。反駁とは「理由や根拠とともに論じ返す」ことです。あえて反対意見を紹介して反駁を行うと、読者に「ここまで深く考えた意見なのだ」という印象を与え、文章全体の説得力を上げてくれます。
Definitely, working in a team is generally very good for a team. It helps people to work effectively, frankly and passionately. In addition, working alone tends to take more time to process, and sometimes lacks of communication. Yes, working in a team has advantages, and working alone has disadvantages. However, in the same way, working in team has disadvantages, and working alone has advantages as I said above.
確かに、チームで働くことは通常、チームにとってとてもよいことだ。人が効果的に、気さくに、情熱的に働くのを助けてくれる。加えて、1 人で働くことは進めるのにより長い時間がかかる傾向があり、時にはコミュニケーションを欠くこともある。そう、チームで働くことには利点があり、1人で働くことには欠点があるのだ。しかし、上で述べた通り、これと同じようにして、チームで働くことには欠点があり、1人で働くことには利点があるのだ。
日本語作文でも「反対意見→反駁」の流れで文章の説得力を上げる方法はよくとられます。「反対意見→反駁」の部分は、日本語作文の起承転結でいえばだいたい「転」にあたる部分と言えるでしょう。
国語の読解指導では、「『しかし』のあとには『言いたいこと(主張、本音、強調したいこと)』がくる」という指導がされることがあります。「しかし」のあとに「言いたいこと」がくるのは日本語でも英語でも同じなんですよ、という方向で指導すると伝わりやすいかもしれません。
Conclusion
Introductionで、述べた結論をもう一度述べて終わります。
In conclusion, while people say working in a team is always the best, I think, sometimes, working alone is the best for a team, and both working style should be used to manage a team.
結論として、チームで働くことが常に最高の方法だと言われているとはいえ、私は、1人で働くことは時にチームにとってベストであり、チームの運営のためにはどちらの働き方も用いられるべきだと考える。
接続詞の使い方をマスターさせよう
接続詞を上手に使いながら文章を展開していくように指導しましょう。例を複数列挙する場合など、First, Second, などを使って流れをわかりやすくします。
書き言葉の文頭に使ってよい接続詞と使わないほうがよい接続詞、フォーマルな書き言葉によく使う接続詞とあまり使わない接続詞があります。あらかじめおさらいさせておくとよいでしょう。
書き言葉の文頭に使わないほうがよい接続詞
書き言葉の文頭に使わないほうがよい接続詞には、 and, but, so, because などがあります。使う場合は文頭に置かず、文中に置くようにします。
✕ John invited me to his birthday party. And I joined the party.
◯ John invited me to his birthday party, and I joined the party.
✕ John invited me to his birthday party. But I didn’t go to the party.
◯ John invited me to his birthday party, but I didn’t go to the party.
✕ John invited me to his birthday party. So I joined the party.
◯ John invited me to his birthday party, so I joined the party.
✕ I joined John’s birthday party. Because he invited me to the party.
◯ I joined John’s birthday party, because he invited me to the party.
becauseを含む表現を文頭に使う場合
because を使う場合には、単体で文頭に使わないように注意します。becauseは理由を述べるときなどによく使う言葉なので、使いこなせるように複数の表現方法を指導しておきましょう。because of に続くのは名詞、that is because に続くのは完全文です。
Because of the heavy rain, he was late for school.
激しい雨のせいで、彼は学校に遅刻した。
He was late for school. That is because it rained very hard.
彼は学校に遅刻した。それは雨が非常に強く降ったからだ。
フォーマルな書き言葉によく使う接続詞
英文エッセイなどのフォーマルな書き言葉に使いやすい接続詞は数多くあります。自由に使いこなせる程度まで覚えさせるため、プリントなどで繰り返しの練習の機会を用意するとよいでしょう。
- It has been said that〜/People say that〜 (〜と言われている)
- Since A, B (AなのでB)
- However, Nevertheless(しかし)
- Although A, B (AとはいえB)
- For example (例えば)
- In addition, (加えて)
- Definitely, →However, (確かに →しかし)
- In other words (つまり/言い換えれば)
- In this point of view, (この観点から言うと)
- as I said above, (上で述べたとおり)
- In conclusion, (結論として)
- In my opinion/view, (私の考えでは)
- I think that〜 (私は〜と考える)
関連サイト
TOEIC Speaking & Writing Tests – 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
採点について – 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
スコアの目安 – 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
TOEIC SWライティングテスト対策ならweblioライティングテストがお薦め