うちの子どもADHDかな? と思った時のチェックリスト
ADHDとは、脳機能の障がいによって、ものごとに集中できなかったり、じっとしていられなかったり、衝動的な行動をとったりするといった特徴をもつ発達障がいのことです。日本語では注意欠陥多動性障がい、あるいは注意欠如多動性障がいといいます。
ADHDの症状は、6歳から15歳までの小児期に現れはじめます。ADHDの有病率は、小学校から高校までの学齢期では3%~5%(20人~30人に1人程度)といわれていますが、脳の成熟や社会的能力の成長により成人期の有病率は2%~2.5%まで減少します。
ADHDは、治療すれば完全になくなるということはありませんが、ADHDの症状がほとんど見られない、というところまで改善できることがあります。そのためには、早期に発見して治療、支援することが大切です。「うちの子どもはADHDかもしれない」と思っている親御さんがいたら、まずは家庭でもできる簡単な診断チェックをしてみるとよいでしょう。
ADHDにおける不注意の症状
ADHDにおける不注意の主な症状としては、「1つのことに集中することが困難」「忘れ物をよくする」などが挙げられます。ADHDでない子どもでも、集中力が続かなかったり、忘れ物をすることがあります。
ADHDの子どもの場合は、症状が半年以上にわたって続き、改善を試みてもなかなか改善できないといった特徴があります。下のチェックリストを見て、思い当たる点がないか確認してみましょう。学校生活に該当する項目は、担任の先生に聞いてみるとよいでしょう。
不注意に関するチェックリスト
- 気が散りやすく、集中力が続かない
- 興味のあることに集中しすぎてしまい、切り替えることが困難
- 同じことを繰り返す作業が苦手
- 勉強や家の手伝いなど、与えられた課題を最後までやり遂げられない
- ものごとを順序立てて進めていくことができない
- 家庭や学校において、毎日することでも忘れてしまうことがある
- 約束したことを忘れる
- 忘れ物が多い
- 人の話を聞いてないように見える
- 音や光に敏感に反応する
- 漢字の書き取りや算数の計算などで簡単なミスをする
ADHDにおける衝動性の症状
衝動性の症状が見られる子どもは、自分の感情をうまくコントロールすることができません。例えば、順番を待つことができなかったり、勉強や遊びの邪魔をしたりすることがあります。そのため、クラスメートと喧嘩をしてしまうこともあります。
衝動性に関するチェックリスト
- 順番待ちすることができない
- 相手の話が終わっていないのに話してしまう
- 他人を邪魔したり妨害したりする
- 場所をわきまえずに行動する
ADHDにおける多動性の症状
ADHDにおける多動性の主な症状としては、「授業中に急に席を立つ」「いつもそわそわしている」といったことが挙げられます。クラスメートからは、ちょっと変わった子と見られることもあります。
多動性に関するチェックリスト
- 授業中や食事中に急に席を離れることがある
- 場所をわきまえることができずにしゃべってしまう
- しゃべりだすと止まらない
- 一方的にしゃべる
- 同じ場所にじっとしていられない
- 落ち着きがなく、いつもそわそわしている
- 走り回ったり高い場所へ登ったりする
専門医に診てもらいましょう
チェックリストにある症状は、程度に差はあるものの、どんな子どもにもあります。症状が長い間続いている、注意してもすぐ繰り返すという場合には、早めに小児科や児童精神科の専門医に相談することをお薦めします。近くに病院がない時は、自治体が運営している保健センターや児童相談所に聞いてみましょう。
関連サイト
ADHD(多動性症候群) – 国立精神・神経医療研究センター
ADHDにおける診断の実際 – 北海道大学病院
注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解 – J-Stage
平成30年度全国児童相談所一覧 – 厚生労働省
ADHDの子ども向けのオンライン英会話をお薦めします