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コラム
発達障がい

学習障がいにおける算数が苦手な症状「ディスカリキュリア」とは

学習障がい(LD)とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった能力のうち、1つ以上の能力の習得や使用が著しく困難を示す発達障がいのことです。

 

学習がいの中で、計算することや推論することが困難な症状を「ディスカリキュリア」(dyscalculia)といいます。算数の勉強が困難なことから「算数障がい」と表現することもあります。具体的には、簡単な計算問題が解けない、図形が理解できない、文章問題が苦手といった症状を示します。

 

ディスカリキュリアは、就学前に発見されることは少なく、算数の勉強が始まる小学校1年生以降に発見されるケースが多いという特徴があります。中には、中学生になってディスカリキュリアであることがわかったという人もいます。ディスカリキュリアとはどんな症状なのか見ていきましょう。

小学生の頃に見られるディスカリキュリアの症状

小学校低学年では、1から50までの数が数えられなかったり、数字を飛ばして言ってしまったり、途中で考え込んでしまったりする、という症状が見られます。

 

簡単な足し算や引き算ができないこともあります。「+」や「-」の記号を見ないで解いてしまったり、解答欄にすべて同じ答えを書いてしまったりする子どももいます。

 

「+」や「-」の記号を見逃してしまう子どもには、計算式が足し算なのか引き算なのかが一目でわかるような支援が必要です。例えば、「+」や「-」の記号にマーカーで線を引いてみたり、計算式の上部に「たしざん」「ひきざん」というような字を書き添えたりしてあげます。ビー玉やおはじきなどの道具を使えば、目で確認しながら計算できるのでお薦めです。

小学校中学年から高学年にかけては、繰り上がりや繰り下がりの計算に困難を示すことがあります。単位の計算も苦手で、例えば、「1.5m+50cm=51.5m」と答えたり、「7時30分から10分後は?」に「17時30分」と答えたりします。

 

ディスカリキュリアの児童は、算数の授業を聞いても理解できない、テストでは思うような点数が取れないというような困難に直面します。そのため、算数の授業が嫌いになったり学校へ行くのが嫌になったりすることがあります。困難を乗り越えるには、まずは解ける問題からやらせて、「できた」という喜びを与え、自信を付けさせることが大切です。少しずつレベルアップしていけるように支援していきましょう。

中学生の頃に見られるディスカリキュリアの症状

中学校に入ると、教科が算数から数学へ変わります。計算問題に加えて、より高度な文章問題も数多くこなしていかなければなりません。小学校の頃は計算問題や文章問題が解けたのに、中学校へ入ったら突然解けなくなってしまった、というケースも見られます。
文章問題では、読解力や推論する力が求められます。ディスカリキュリアの子どもには、答えを導くためのヒントを示しながら解かせていくとよいでしょう。例えば、次のような問題があったとします。

 

問題:ある学校の全生徒数は98人で、男子は女子よりも6人多いです。女子の人数は何人ですか。

 

ディスカリキュリアの子どもには、能力に合わせて次のようなヒントを示します。

 

  • 問題では女子の人数を聞いているので、女子の人数をx人とします。
  • 男子は女子よりも6人多いので、男子の人数は、(x+6)人になります。
  • 全校生徒数は、女子の人数と男子の人数を足した数なので、x+(x+6)=98という方程式を作ることができます。
  • x+(x+6)=98の括弧を外すと、x+x+6=98になります。
  • xの部分を計算すると、2x+6=98になります。
  • =の左辺にある「+6」を右辺に移動すると、2x=98-6になります。
  • 左辺を計算すると、2x=92になります。
  • 両辺を2で割り、xの値を求めて女子の人数を出しましょう。

 

問題が解けるようになってきたら、少しずつヒントの数を減らしていってみてください。

 

学校の授業に乗り遅れないためには、予習や復習をすることが大切です。予習をすることで、授業での理解度アップを図ることができ、学習意欲を高めることができます。復習は、授業でわからなかった内容を解決するために宿題として出される課題は復習すべて解いて提出できるようにします。予習、復習は、放課後等デイサービスの活用がお薦めです。

ディスカリキュリアかなと思ったら

学習の理解度や脳の成長は人それぞれ異なります。特に幼少期ではその差は大きいので、算数、数学が苦手だからといって、ディスカリキュリアと決めつけてしまうのは時期尚早です。しかし、毎回同じミスを繰り返して改善が見られない、算数の授業が嫌い、学校へ行きたくないといった状況が続くのであれば、まずは保健センターや児童相談所に行って相談してみることをお薦めします。早期発見して、早期療育することが大切です。

関連サイト

学習障害 – 文部科学省

算数の文章題が苦手なのですが・・・ – 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

支援のためのツール – 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

算数につまずく可能性のある児童の早期把握 – 海津亜希子

発達障がいの子ども向けのオンライン英会話サービスをお薦めします

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