発達障がいを抱える子どものコミュニケーション力の改善方法
発達障がいを抱えている子どもの中には、コミュニケーションや対人関係に苦手意識を持っていて、友だちが少なかったり、口数か少なかったりする子どもがいます。
コミュニケーションが苦手な子どもには、聞き手が支援の手を差し伸べて、話をしっかりと聞くことが大切です。子どものコミュニケーション力を改善するには、親御さんは子どもとどのように接していけばよいでしょうか?
周囲に迷惑がかかる言動は注意してあげる
ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の子どもは、協調性を欠いた行動をとることがあります。例えば、他の人たちの会話を遮って喋りだしたり、長話をしたりします。周囲が困っていることに気付かない子どもには、「いま、他の人とお話をしているから待ってね」「時間がないから話はここで終わろうね」と注意してあげましょう。他人からの注意を不快に思う子どももいます。注意を受け入れてくれたら「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えて、不快に思う気持ちを和らげてあげましょう。少しずつコミュニケーションのルールを覚えさせていきましょう。
言い間違いはその場で指摘する
コミュニケーションや対人関係が苦手な子どもは、自分の考えを上手く伝えられません。話が支離滅裂になったり、間違ったことを言ってしまったりします。もし、間違えたことを言ったら、その場で指摘してあげましょう。「違うよ」「何を言っているの?」と言うよりも、具体的にどこを間違えたのか、正しい言い方も併せて教えてあげましょう。感情的になって叱ることは避け、子どもが納得できるように説明します。1度指摘されたことをまた繰り返してしまうこともありますが、温かい目で見てあげましょう。
言葉が出てこない時は、声を掛けてサポートする
相手からの問いかけに、すぐに返すことができず、相手を待たせてしまうことがあります。そのような時は、話し始めるまで待ってあげましょう。待っている間、聞き手が心配そうな顔をしたり、不機嫌な表情をすると、子どもは余計に焦ってしまって言葉が出なくなってしまいます。困っていたら、「大丈夫だよ」「頑張ってね」と言って励ましてあげましょう。
コミュニケーションのルール「曖昧な言葉は避ける」
発達障がいの子どもには、冗談やお世辞、嫌味が通じません。相手の顔の表情を見て、話の内容を把握することや、声の大小、抑揚で判断することも困難です。冗談を言う時には、初めに「冗談の話なんだけどね」と一言添えると、子どもは分かってくれます。
「しらを切る」「力を入れる」「骨が折れる」といった慣用表現もなるべく使わないでコミュニケーションをとるとよいでしょう。「いつも通り」「あんな感じ」「普通でいいよ」といった曖昧な言葉も控えましょう。
長い話をする時は1つずつ丁寧に話す
親御さんが子どもに長い話をする時は、一気に話すのではなく、1つずつ丁寧に話すように心掛けましょう。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」の5W1Hを意識して話してみましょう。言わなくても分かるでしょ? と思ってしまいがちな事柄もしっかり言葉にして伝えてあげることで、子どもの理解度がアップします。
話が長くなっても最後まで聞いてあげることが大切
話が長くなってしまう子どもに、その都度、話を中断させてしまうと、子どもは、話すことに興味を持たなくなり、自信を失くしてしまいます。時間に余裕のある時は、子どもに話したいだけ喋らせてあげましょう。一番の理解者である親御さんが、じっくり話を聞いてあげれば子どもはきっと喜んでくれます。
関連サイト
コミュニケーションを促すための指導 – 発達障害教育推進センター
発達障害、知的障害、精神障害のある方とのコミュニケーションハンドブック – 国土交通省
理解する ~発達障害って何だろう?~ – 政府広報オンライン
発達障害者支援施策 – 厚生労働省