学習障がいの子どもに向いている英単語の覚え方
学習障がい(LD)を抱えている子どもは、読むことや書くこと、聞くこと、話すこと、計算すること、推論することなどに著しい困難を示します。中でも、文字を読んだり書いたりすることが苦手なディスレクシアの子どもは、英単語を覚えるのに苦労します。
学習障がいの子どもに向いている英単語の覚え方を見ていきましょう。
アルファベットの覚え方
英単語を覚える前に、まずはアルファベットの読み方を覚えましょう。学校の英語の授業では、例えば、「dogは、ディー、オー、ジーと書いて、ドッグと発音します。意味は犬です。」と教えます。1つの英単語について、綴りと発音、意味の3つを覚えるので、学習障がいを抱えている子どもにとっては、大きな負担になります。負担を減らすには、英単語を覚えるための学習法「フォニックス」(Phonics)がお薦めです。フォニックスとは、英語を母語としている国の幼児が、英語の読み方を覚えるために開発された学習法です。アルファベットを、発音に近い呼び方で読むという特徴があります。例えば、dogの「d」は「ドゥッ」、「o」は「オ」、「g」は「グ」と読みます。続けて読むと「ドゥッオグ」となって、発音とほぼ同じになります。(参照:学習障がいの子どもの英語学習には「フォニックス」がお薦め)
フォニックスでのアルファベットの読み方一覧
フォニックスを使っても正しく発音できない英単語が中にはありますが、小学校や中学校で学習する簡単な英単語であれば、発音とほぼ同じになります。
英単語をフォニックスで発音した場合の例
英単語をグループ分けすると覚えやすい
英単語を覚える時は、単語カードを使うとよいでしょう。単語カードの順番は、アルファベット順(あるいは五十音順)よりも、グループに分けしたほうが効果的です。例えば、「家族」というグループを作り、「父(father)」や「母(mother)」、「兄弟(brother)」、「姉妹(sister)」などの単語カードをまとめたものを使って覚えていきます。子どもには、「家族に関する英単語だよ」「学校に関する英単語だよ」など教えてあげるとよいでしょう。
グループの例
- 家族
father、mother、brother、sister - 食事
breakfast、lunch、dinner - 家庭
room、kitchen、door、desk、chair、table、window、bed、house、garden - 学校
school、class、teacher、student、notebook、pen、pencil、eraser - スポーツ
sport、soccer、baseball、basketball、tennis、swimming、ball
学習障がいの特性に配慮した英単語カードを作る
読むことが苦手な子どもには、英単語や日本語の文字を読みやすい大きさで書き入れたり、文字の間隔を広げたりしてあげるとよいでしょう。英語の学習を始めたばかりの子どもには、単語カードにヒントを書き加えます。例えば、「tennis」の英単語の下に「テ〇〇」と書き加えれば、「テ」で始まる語ということがわかります。「cat」の英単語の横に猫のイラストを書き入れたりするのもよいでしょう。正解率が上がれば、子どもの自信につながります。
正解した英単語カードには、星印(★)などのマークを付けるのもよいでしょう。マークが増えていくと、英単語が覚えられたということが実感でき、学習意欲も沸いてきます。マークの付いていない英単語カードを集めれば、苦手な英単語だけを学習することができます。
関連サイト
ディスレクシア | 子どもの病気 – 国立成育医療研究センター
読み書きのみの学習困難 (ディスレキシア)への対応策 – 科学技術・学術政策研究所
学習障害(LD)児に対する英語指導―フォニックスを中心に― – 増田惠子
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