発達障がいの子どもとのコミュニケーション・上手な叱り方
発達障がいの特徴として、人の言うことを聞かなかったり、同じミスを何度も繰り返したりすることが挙げられます。「何度叱っても同じ失敗を繰り返してしまう」といった悩みを抱えている親御さんも多いかもしれません。
お子さんを叱る時、うまく伝えられていますか? この機会に確認してみましょう。
理由と改善点を明確に伝える
「しゃべってはいけません」「立ってはいけません」といった声掛けは、起きたことへの否定を伝えただけです。お子さんにとっては、なぜしゃべってはいけないの? なぜ立ってはいけないの?と疑問に思うだけで、どうすればよいのか理解することができません。「みんな本を読んでいるから静かにしようね」のように理由と改善点を明確に伝えることが大切です。
他の子どもと比較をしない
逆上がりができなかった子どもに、「○○ちゃんは逆上がりできたよ。なぜあなたはできないの?」のような他の子と比較する言葉はNGです。他の子と比較されると、なぜ自分はできないのだろうと思い込んで自信を失ったり、ひがんだりしてしまいます。また、「なぜできないの?」は子どもを否定する言葉なのでNGです。
短くまとめて話す
ADHDのような発達障がいを抱える子どもは集中力が持続しません。注意する時や指示する時は、話が長くならないように心掛けましょう。内容は端的に、余計な話をはさまないようにすることも大切です。
場所を選ぶ
発達障がいを抱える子どもは、人の多い所や騒音のある所などでは注意散漫になる傾向にあります。人ごみの少ない静かな場所を選んで話をするとよいでしょう。
具体的に話す
「だめ!」「うるさい」というようなあいまいな言葉を理解できない子もいます。何がだめなの? 何がうるさいの?と疑問に思ってしまうのです。具体的に伝えるとよいでしょう。
「もっと」は使わない
「漢字のテストで80点取れたんだね。すごいね。今度はもっと良い点数を取ろうね。」と褒めた言葉でも、発達障がいの子どもは、もっと良い点数を取りなさいと言われていると理解して、叱られている気持ちになります。「漢字のテストで80点取れたんだね。すごいね。お母さんは嬉しいよ。」のように「もっと」を使わないで言ってあげるとよいでしょう。
複数人で叱らない
子どもに対して、親御さんや家族の人が2人がかりで叱ってはいけません。情報が錯綜して理解できません。叱る時や注意する時は、必ず1対1で話すようにしましょう。
感情的にならない
子どもが毎日同じミスを繰り返してばかりいると「何度言ったらわかるの?」「昨日も言ったでしょ。」と、つい声を荒らげてしまうことがあるかもしれません。発達障がいを抱える子どもは、やってはいけないことを故意にしているわけではありません。叱る前に一呼吸おくことも大切です。優しく話しかけるように心掛けましょう。
必ず名前を呼ぶ
「勉強しなさい」「着替えなさい」といった言葉が届いていたとしても、発達障がいの子どもは、それが自分への指示なのかどうかが理解できません。話す時には「○○ちゃん」「○○くん」のように名前を呼ぶことを心掛けてみましょう。
叱る回数を減らすには
お子さんを叱る回数を減らすには、ミスを起こす前に声掛けをすることです。ゲームは1日30分と決めているのに、いつも時間をオーバーしてしまうような時には「6時から夕食の時間だから、6時までゲームをしていいよ。6時になったらゲームは終わりだよ。」と伝えましょう。また、約束の時間に近づいたら「ゲームは何時まで遊ぶ約束だったかな?」「あと5分でゲームを終わる約束だったね。」のように確認をしてみるとよいでしょう。