発達障がいの子どもの偏食を改善する方法
発達障がいを抱える子どもの中には、食べ物に強いこだわりを持っている子どもがいます。匂いが強かったり色が濃かったりする食べ物や、ぱさぱさしている食べ物、どろっとしている食べ物などが食べられないことがあります。
子どもの偏食を改善するにはどのような方法があるのでしょうか。
硬いものが食べられない子どもには、まずはペースト状にして与える
咀嚼(そしゃく)が困難な子どもは、硬い食べ物や形の大きい食べ物が食べられません。食材をミキサーでペースト状にしたり、みじん切りにしたりして与えるとよいでしょう。少しずつ形を大きくしていきながら咀嚼の練習をするとよいでしょう。例えば、肉料理の場合は、挽き肉から始めて、薄切り肉、フライと、少しずつ硬い料理を出していきます。
柔らかい食べ物がダメな子どもにはフライから始める
煎餅やポテトチップスなどが好きな子どもは、パリっとした食感や濃い味を好む傾向にあります。その一方で、柔らかい食べ物を嫌がることがあります。柔らかい食べ物を食べられるようにするには、最初は硬く調理したものを与えて、徐々に柔らいものに変えていくようにするとよいでしょう。
例えば、煮魚が食べられない子どもには、まず、魚にパン粉を付けたフライを出します。次に、竜田揚げ、焼き魚と、徐々に柔らかいものを出していきます。焼き魚が食べられるようになったら、煮魚にチャレンジしてみましょう。揚げ物に醤油やソースをかける時は、なるべく少量にして塩分の摂り過ぎに注意しましょう。
色の濃い食べ物が苦手な子どもには、まずはおろしてカレーやシチューに混ぜる
ピーマンやトマトのような色の濃い食べ物が苦手な子どもには、食材をおろしてカレーやシチューに混ぜて与えるとよいでしょう。気にせずに食べられるようになったら、今度は、食材の形や色が少し分かる程度にみじん切りにした料理を出します。そして、千切り、輪切りと徐々に食材を大きくしていって、色が濃くても食べられるようにします。
一方で、トンカツや魚のフライなど、衣で中身が見えない食べ物が食べられない子どもには、パン粉の代わりに小麦粉や片栗粉を使うか、素揚げにするとよいでしょう。
子どもに人気のハンバーグやコロッケを使って偏食を改善する
匂いや味に敏感な子どもには、ハンバーグやコロッケ、カレー、シチュー、味噌汁などの具材として、小さく切って少しだけ入れるとよいでしょう。少しずつ量を増やしたり形を大きくしたりして改善を図ります。ハンバーグやコロッケなど、子どもが好きな料理に混ぜて入れると、苦手な食べ物もいつの間にか食べられるようになることがあります。
ゆで卵や豆類、キノコ類など、表面が滑らかな食べ物が苦手という子どももいます。滑らかな食感が残らないように小さく切ったり、衣をつけてフライにしたりするとよいでしょう。調理には煮る、焼く、揚げるなどさまざまな手段があります。子どもが好む調理方法で、より多くの食材が食べられるように改善を図っていきましょう。
関連サイト
発達障害児の偏食対応 – 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
発達障害児における「食の困難・ニーズ」の実態と支援に関する研究 – 日本教育学会
広汎性発達障害児に対する食事指導 – 日本行動分析学会
学校給食を生きた教材として活用した食育の推進 – 文部科学省
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