ただの観光地巡りではなく、学びのある旅にしたい。
国内や海外の社会問題について、もっと学びたい。
SDGsについて、もっと考える機会を作りたい。
そのような人のためにあるのがスタディツアーです。
スタディツアーと聞くと、海外のイメージがあるかもしれませんが、実は今国内のスタディツアーも多く開催されています。
今回は、スタディツアーの概要、国内海外のスタディツアー、自宅や学校から参加できるオンラインスタディツアーについて説明していきます。
この記事の目次
スタディツアーとは?
スタディツアーってそもそも何なのでしょうか?
スタディツアーとは、その名の通り「学び」のためのツアーです。
具体的には、体験学習や現地の人々との交流を目的としたツアーです。
海外のスタディツアーの場合、開発途上国で国際協力NGOなどの活動現場を視察したり、実際にボランティア活動に参加します。
現在では、国外に出る開発途上国向けのスタディツアーだけでなく、国内のスタディツアーも増えてきております。
「観光」を主な目的とする一般のツアーと異なり、スタディツアーは旅を通じ「学ぶ」ことが目的なのは変わりません。
国内における、被災地の復興活動、SDGs、地域活性化、自然保護、歴史問題、文化交流など、国内の社会問題をテーマにしたツアーが開催されています。
ツアー先は国内になるため、不慣れな環境や体力面にあまり自信がないという人でも安心して参加しやすいのも特徴となっています。
また、近年ではオンラインで参加するスタディツアーも増えてきています。
テレビ電話やオンライン通話サービスなどを活用し、海外の方とテーマに沿った交流をしたり、VRで地域や文化を視察したりと、時代に合わせた参加方法も増えてきています。
つまり、スタディツアーには、
国内か海外の違いがある「海外スタディツアー」「国内スタディツアー」の2種類。
そして、現地かオンラインの違いがある「現地参加スタディツアー」「オンラインスタディツアー」の2種類があります。
なぜスタディツアーに参加するのか?
スタディツアーに参加する人は、なぜ一般のツアーではなくスタディツアーに参加しているのでしょうか?
一般のツアーとの大きな違いは、このツアーに求められている目的です。
一般のツアーは、観光が目的であることが多いです。
スタディツアーの場合は、普段訪問できないような場所に行くことで、国内海外の社会問題について学ぶことを目的としています。
社会問題に直面する現地の状況や活動を見て、体感する。
現地の方々との交流を通して、生の声を聞く。
そうして、社会や世界の新たな一面を発見し考えるための旅ができると言えるでしょう。
学生の場合は、学ぶだけでなく、その体験を進学や就職活動のアピールに活かすようなケースもあります。
スタディツアー、国内と海外で何が違うのか?
国内のスタディツアーと海外のスタディツアー、どっちにいくのがいいのでしょうか?
言語、治安、目的の3つのポイントで比較します。
国内スタディツアーの場合
<言語>
日本語
<治安>
問題なし
<目的>
SDGs、地域活性化、被災地支援、文化交流、環境問題への取り組み、歴史学習など
海外スタディツアーの場合
<言語>
多くのツアーで日本語ガイドが同行
<治安>
スリから交通事故まで、さまざまな危険がまったくないとは言い切れない
実施団体の日本人駐在員や現地スタッフが同行しますので、スタッフの指示に従い、危険を回避する行動を心がける
<目的>
途上国支援、SDGs、異文化交流、子供と交流、ボランティア、環境問題への取り組み、偉人研究など
参加する地域によって、学べる内容は大きく異なります。
「参加希望者の関心があることは何か」を整理して、適切な地域を見つけるようにしましょう。
国内海外スタディツアーの費用相場と期間
スタディツアーは一般のツアーより割高になるケースもありますが、最近では低価格で参加できるスタディツアーが増えてきています。
期間は、国内と海外で以下のような違いがあります。
国内:1日〜数日
海外:数日〜1週間
参加費は実施団体や訪問国や日数によって異なりますが、以下のような相場感です。
国内:2~10万円ほど
アジア地域:5~30万円ほど
アフリカ・中南米地域:15~50万円ほど
参加費には、渡航費、宿泊費、食費、移動費、コーディネート費、通訳料など、ツアーに関わるすべての経費を含んでいるツアーや、逆に含まれていないツアーもあります。
募集内容をしっかり確認するようにしましょう。
パスポート取得料や集合場所までの国内交通費、海外旅行保険代は含まれないことがほとんどです。
全体的に見ると、やはり国内のスタディツアーが低価格で参加しやすく、アフリカなどの遠い地域になると期間がのび、価格が高くなる傾向にあります。
スタディツアーはオンラインでも参加できる
魅力的なスタディツアーですが、このような不安の声もあります。
スタディツアーが中止になってしまった。
行きたいけど、今の時代に旅行は行きにくい。
海外のツアーに参加したいけど、費用が高い。
それを解決してくれるのが、インターネットを通じて参加するオンラインスタディツアーです。
オンラインなら比較的低価格で、グループでの大人数参加も可能になります。
治安や病気など、現地参加のリスクを気にする必要もありませんので、興味のあるテーマを集中して学び、コミュニケーションをとることができます。
オンライン化したスタディツアーの事例
実際に行われたオンラインスタディツアーの事例を紹介します。
HIS:マヤ刺繍から知るマヤ民族の暮らしとSDGsスタディツアー
HISでは多くのオンラインのスタディツアーを開催しています。
内容 | 日本とマヤの文化的な交流の拡大 |
時間 | 1時間半 |
費用 | 3,912円 |
紹介ページ | HIS公式サイト |
Dialogue for People:東北オンラインスタディツアー2021
元々現地開催だったが、オンライン化したツアーです。
内容 | 被災地交流 |
時間 | 2時間半 |
費用 | 無料 |
紹介ページ | Dialogue for People |
Alternative Tour:オンラインで旅して学ぶSDGs 〜フィリピン・ミャンマー・マレーシアへ行こう!〜
高校生限定で、Zoomを利用し、SGDsが必要なのかの背景を探りながら、
課題を見つけ、解決のために自分にできることを考えるツアーです。
内容 | SDGs学習 |
時間 | 2時間×3日間 |
費用 | 5,000円 |
紹介ページ | Alternative Tour公式サイト |
オンラインスタディツアーのメリットデメリット
オンラインスタディツアーはまだまだ事例が少ない分、このような悩みを抱える方も多いと思います。
オンラインで本当に楽しめるの?
オンラインで良い体験になるの?
現地参加とオンラインではどちらが良い?
そんな疑問を解決すべく、オンラインスタディツアーのメリットとデメリットを解説していきます。
オンラインスタディツアーのメリット
<準備物>
パスポートや大きな旅支度の準備が必要ありません。
<大人数の参加が可能>
海外スタディツアーの場合、安全管理や費用面の問題で大人数での参加は難しいです。
自宅や教室からオンラインで参加ができるので、大人数での参加も可能です。
<低予算で実現できる>
自宅や学校などから参加が可能になるため、費用の大部分を占める宿泊代や交通費が実質かかりません。
また、引率や駐在員、ガイドなど、オンラインでは比較的少人数で運営できるため全体的な予算をおさえることが可能です。
<安全面>
安心安全に参加ができるので、精神面でもかなりのメリットがあります。
渡航時の虫やウイルスによる病気、スリなどの犯罪、事故の心配がいりません。
保護者や先生にとっても、安心して生徒をスタディツアーに参加させることができます。
オンラインスタディツアーのデメリット
<準備物>
ネット環境やパソコンやタブレットなどの機器が必要になります。
<空気感が違う>
現地参加のスタディツアーで得られるような、その地域特有の匂いや味、空間を楽しむことはオンラインではできなくなります。
しかし、参加者の声を見てみると「オンラインでもリアルを感じられた」という声は多くあがっています。
<参加者同士の交流>
現地参加のスタディツアーは同じ関心をもつ仲間と出会えるため、ツアー終了後も交流が続くケースが多いです。
しかし、オンラインでは、時間が限られているため参加者同士の交流は少ない傾向にあります。
初めてのスタディツアーを思う存分楽しみましょう
いかがでしたでしょうか。
社会問題に関心がある生徒や社会問題を体感させてあげたい先生には、
手軽に参加できるオンラインスタディツアーをおすすめします。
比較的低価格で、安全に、集中して学べるかと思います。
百聞は一見にしかず。
まずはオンラインスタディツアーを試してみてはいかがでしょうか?
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