日本の小学校の英語教育の現状とアジア3か国との比較
学習指導要領の改訂により、2020年度から小学校3年生から英語の授業が始まります。文部科学省が公開した「小学校英語の現状・成果・課題について」によれば、日本の英語教育は、中国や韓国、台湾などのアジアの国々と比較すると、導入時期や開始学年、年間授業時間などで後れを取っていることがわかりました。
日本の小学校と、中国や韓国、台湾の小学校の英語教育を比較してみました。
目次
日本の小学校における英語教育の現状
日本の小学校では、2011年度から小学校5年生と6年生を対象に、外国語活動の1つとして英語の授業が週に1コマ行われています。
授業では、児童が英語の歌やゲームを通じて音声や表現に慣れ親しむ活動が中心となっています。小学校では、4技能のうち「話す」「聞く」に重きが置かれており、中学校に入ってから「読む」「書く」の授業が本格的に始まります。
英語の授業は学級担任が主に行っていますが、半分以上の授業はALTを活用した授業が行われています。小学校におけるALTの活用は、中学校、高等学校に比べて多いという結果が出ています。文部科学省が、外国語指導助手(ALT)等の任用・契約形態別人数等の状況(平成28年度)を公開しています。ALTの活用は小学校では、中学校に比べて約2.8倍、高等学校に比べて約6.3倍という結果でした。
出典:平成28年度外国語指導助手(ALT)等の任用・契約形態別人数等の状況(文部科学省)
現行の学習指導要領では、小学校5年生と6年生は年間35時間の英語授業が必修とされています。加えて、総合的な学習の時間に国際理解を深める学習の一環として、外国語活動ができるようになっています。
アジア3か国よりも遅れを取っている日本の英語教育
文部科学省が公開した「小学校英語の現状・成果・課題について」に、日本の小学校と中国や韓国、台湾の小学校の英語教育について比較したデータが掲載されています。
出典:小学校の英語教育の現状・成果・課題について(文部科学省)
小学校で外国語教育が始まった時期を見てみると、1997年に導入した韓国が最も早く、続いて2001年に中国と台湾が導入し、日本は2011年に導入しています。英語の授業が始まるのは、中国や韓国、台湾では3年生で、日本は5年生からとなっています。1週間の英語の授業数は、中国では週4回以上と他の3か国よりも多くなっています。
外国語教育の導入時期や開始年次、授業時数について日本は他の3か国よりも低い水準にあることがわかります。日本は、英語授業を小学校3年生から始めることを決めたり、小中高連携で一部の小学校に「英語科」の授業を設けるなどして外国語教育の推進を図っています。
関連サイト
小学校における英語教育の在り方に係る現状と課題、主な意見 – 文部科学省
小学校外国語活動サイト – 文部科学省
幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について – 文部科学省
学校の授業時間に関する国際比較調査 – 文部科学省
小学校における英語教育の充実について – 文部科学省
小学校における英語活動の研究 – 野瀬範裕
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