英語で授業する「オールイングリッシュ」はいつから始まる?
文部科学省は、2014年に発表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」に基づいて、グローバル化に対応した教育環境づくりを進めるため、小学校における英語教育の拡充強化や、中学校、高等学校における英語教育の高度化など、英語教育全体の抜本的充実を図っています。
その1つに、英語科目の授業を英語で行う「オールイングリッシュ」が挙げられます。オールイングリッシュの授業はいつから始まるのか、また、英語教育はどのように変わっていくのか見ていきましょう。
目次
英語で授業するオールイングリッシュは2018年度から段階的に導入される
英語で授業をするオールイングリッシュは、2018年度から中学校と高等学校で段階的に導入されていきます。文部科学省の「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」によれば、中学校での英語科目は英語を使って授業を行い、対話能力の向上を目指すとしています。授業では、身近な事柄を中心にコミュニケーションを図ることを目標に据えています。例えば、短い新聞記事を読んだり、テレビのニュースを観たりして、その概要を英語で伝えるといった授業が行われます。生徒が主体的に、英語を「読む」「聞く」「話す」機会を増やしていく授業へと変わっていくことがわかります。これに、文法知識などの「書く」という要素も加えて、バランスよく英語の知識を伸ばしていきます。中学校では、英語科目の授業を全て英語で進めることで、スムーズに会話ができることが到達点となっています。
中学校で基本的な会話を身につけた後、高等学校ではさらにコミュニケーション能力を向上させていきます。高等学校の英語科目では、英語で授業を行うこと(オールイングリッシュ)で、的確に情報や自分の思いを伝えることに重点を置いています。具体的には、ある程度の長さの新聞記事を速読しながら、必要な情報をピックアップし、課題を発表するというものです。英語科目を英語で学びながら、討論や交渉力を養うことを目的としています。英語科目のオールイングリッシュ化に向けて、授業内容も変わってくることが予想されます。
小学校では英語に触れて「感覚」を養う
小学校の英語の授業も変わります。これまで、小学校5年生と6年生で必修とされていた「外国語活動」が、小学校3年生と4年生に前倒しされます。そして小学校5年生と6年生では英語が教科として扱われ、授業が進められます。
小学校3年生と4年生が行う外国語活動では、「英語に親しむ」「英語を楽しむ」に重きを置きます。英語を使ったクイズやカードなどで英語に触れ、英語そのものに馴染む授業を行っていきます。音声を用いながら、「聞く」授業にも行われます。
小学校5年生と6年生では、「書く」「読む」の授業も行われます。新たに教科化されることでテストも行われ、通知表には成績がつきます。この動きは中学入試にも影響しており、首都圏模試センターの調査では、英語を試験科目に導入している中学校は112校に上ります(2018年1月現在)。
小学校における英語の授業では、初歩的な能力を身につけ、本格的に英語を使い英語科目を学ぶ中学校に向けた導入が図られます。東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、今後さらに国際交流の機会が増えてくることでしょう。新学習指導要領の下では、グローバル化に必要となるコミュニケーション能力を早期に身につけることが求められています。
中学校や高等学校の英語担当教師には英検準1級以上の英語力が求められる
中学校や高等学校で英語科目をオールイングリッシュで進めるには、英語科目の担当教員の英語力が求められます。文部科学省では、中学校や高等学校の英語科目教員に対して、英検準1級やTOEFL iBT 80点程度以上の英語力を求めています。小学校教員に対しては、授業計画や授業内で取り入れるゲームなどを示した「小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック」を配布して、英語教育のサポートを行っています。
新学習指導要領での英語科目を通して、児童や生徒が正しい文法で読み書きができ、違和感なくコミュニケーションをとることが理想です。まずは、子どもたちが英語に触れて「楽しい」「もっと知りたい」と思える環境づくりが大切になってくるでしょう。
関連サイト
「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」 – 文部科学省
外国語教育における新学習指導要領の円滑な実施に向けた移行措置(案) – 文部科学省
平成28年度 英語教育実施状況調査(中学校)の結果 – 文部科学省
小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック – 文部科学省
2018年首都圏中学入試での「英語(選択)入試」実施校〈私立・国立中〉_一覧_2018年1月9日作成 – 首都圏模試センター
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