CAN-DOリスト導入率と英語力との意外な関係
文部科学省では、中学校、高等学校の生徒に求められている英語力を達成するために、学習到達目標をCAN-DOリストを用いることを提言しています。求められる英語力は、中学校卒業段階で英検3級程度以上、高等学校卒業段階で英検準2級程度以上で、その英語力をもつ生徒の割合を50%にするというものです。
目次
CAN-DOリスト導入率と英語力の関係
下の表は、都道府県別のCAN-DOリストの導入率と英語力との相関を表したものです。中学校においては、CAN-DOリストの導入率の高さと英語力には関係のないことがわかります。また、高等学校においては、英語力40以上の4都道府県において、CAN-DOリスト導入率の高いことがわかりますが、100%の導入率でも英語力が30未満の都道府県が8で、はっきりとした相関は見られない結果となりました。
出典:英語教育実施状況調査 – 文部科学省
※表中の数値は都道府県の数を表しています。
中学校ではCAN-DOリストの導入率が低い
CAN-DOリストの導入率を都道府県別で見ると、中学校では導入率50%未満の都道府県が25もあることがわかりました。一方、高等学校では導入率100%の都道府県が21にのぼっています。
出典:英語教育実施状況調査 – 文部科学省
CAN-DOリストの導入は文部科学省が「提言」として発表したもので、導入が義務付けされているわけではありません。しかし、英検3級合格、準2級合格といった具体的な目標が設定されていますから、達成に向けたCAN-DOリストの導入が望まれます。
英検合格のためのCAN-DOリスト
中学校卒業段階で英検3級程度以上、高等学校卒業段階で英検準2級程度以上の合格者数アップのために、学習指導要領をもとに英検の発表するCAN-DOリストを参考にして学習到達目標を立てることも手段の1つです。
英検3級の主なCAN-DOリスト
- 読む…簡単な物語や身近なことに関する文章を理解することができる。
- 聞く…ゆっくり話してもらえば、身近なことに関する話や指示を理解することができる。
- 話す…身近なことについて簡単なやりとりをしたり、自分のことについて述べることができる。
- 書く…自分のことについて簡単な文章を書くことができる。
英検準2級の主なCAN-DOリスト
- 読む…簡単な説明文を理解したり、図や表から情報を得ることができる。
- 聞く…日常生活での話題や簡単な説明・指示を理解することができる。
- 話す…日常生活で簡単な用を足したり、興味・関心のあることについて自分の考えを述べることができる。
- 書く…興味・関心のあることについて簡単な文章を書くことができる。
出典:公益財団法人日本英語検定協会「英検Can-doリスト一覧」
参考サイト
各中・高等学校の外国語教育における「CAN-DO リスト」の形での学習到達目標設定のための手引き – 文部科学省
「CAN-DO リスト」の形での学習到達目標例(中学校学習指導要領における外国語科の目標に基づく設定例)及び年間指導計画・単元計画への反映例 – 文部科学省
各級の目安 – 英検
CAN-DO リストについて – 三省堂
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