訪日外国人観光客の日本に対する不満、第1位は「Wi-Fiの充実度」
観光庁では毎年、訪日外国人観光客に「日本滞在中にあると便利だと思った情報は何か」というアンケート調査を行っています。裏を返せば滞在中に「不便に思ったこと」、「困ったこと」は何かという調査で、観光立国を目指す日本に足りないものは何かを知る手がかりになります。
外国人観光客は無料Wi-Fiスポット探しに困っている
アンケート調査で最も多かったのは「無料Wi-Fi」で、およそ53.3%の人が困ったと回答しています。キャリアのローミングサービスを利用すればインターネットへの接続は可能ですが、従量制であることが多いため、ほとんどの外国人観光客は無料Wi-Fiを利用します。無料Wi-Fiスポットは近年、駅やコンビニエンスストア、ショッピングモールなどに設置され、よく見かけるようになりました。また、観光庁が無料Wi-Fiスポットが検索できるWebサイト「Free Wi-Fi Spot List」を開設するなど環境は整備されてきています。
出典:観光庁「統計情報」
下のグラフは、外国人観光客が日本滞在中に役立った情報源は何かというアンケート調査の結果を表したものです。この調査でも「インターネット」と回答する人が多い結果となりました。
出典:観光庁「統計情報」
外国人観光客は複雑な鉄道網に困っている
「日本滞在中にあると便利だと思った情報は何か」の調査結果の2位は交通手段でした。特に首都圏の地下鉄は複雑に入り組んでおり、日本人でも目的地への経路に迷うことがあるほどです。その対策として東京メトロをはじめJRグループ各社、私鉄の一部では、英字と数字からなる「駅ナンバリング」を導入するなどの施策を講じています。例えば、新宿駅の場合、山手線ホームには「JY17」、中央線快速ホームには「JC05」、丸の内線ホームには「M08」の駅ナンバリングを掲示しています。
買い物場所の情報は中国語で提供したい
「あると便利だと思った情報」の中身をアメリカ合衆国と中国の場合で比較すると、いくつかの項目で特徴が見られます。まず、無料Wi-Fiや宿泊施設、買い物場所については、中国に多い傾向が見られます。一方、ATMについてはアメリカ合衆国のほうが多い結果となっています。これは、クレジットカードで現金を引き出せるATMの情報が少なくて困っていることを指しています。
出典:観光庁「統計情報」
なお、日本滞在中にあると便利だと思った情報のうち祈祷室を多く回答した国は、マレーシア(21.4%)やインドネシア(20.1%)などのイスラム教徒の多い国でした。
参考サイト
無料公衆無線LAN整備促進協議会 – 観光庁
Japan connected – free Wi-Fi – NTTBP
訪日外国人のお客さま向け無料公衆無線LANサービス 山手線内全駅へのサービス拡大について – JR東日本
訪日外国人向けの東京都心における鉄道フリー切符「TOKYO TRANSPORT PASS」を設定します! – 観光庁
路線・駅の情報 – 東京メトロ