外国人観光客がすき焼きよりもしゃぶしゃぶを好む意外な理由
観光庁の「訪日外国人の消費動向」によれば、外国人観光客が日本でしたいことの1位は「日本食を食べること」という結果でした。その中でも肉や寿司の人気が高い傾向にありますが、食習慣や宗教の違いなどから国によって大きな差のあることがわかりました。
すき焼きの生たまごが不人気という事実
「しゃぶしゃぶ」、「すき焼き」、「焼肉」の3つの肉料理を好んで食べる国はどこかという調査では、しゃぶしゃぶが17か国中7か国と、最も多いことがわかりました。韓国では一般的な料理としても知られており、日本料理の中でも人気の高い料理の1つとなっています。また、すき焼きや焼肉よりも薄い味付けである点も人気の1つのようです。
2位はすき焼きで、5か国が好んでいるという結果でした。肉を付ける生たまごを食べる習慣がないこと、味付けが濃いことが原因です。これからのすき焼き店の課題は、外国人向けに「薄い味付け」で「生たまご以外」でもおいしく食べられるすき焼きの提供であるといえるでしょう。
出典:観光庁「外国人客接遇マニュアル」
インド人は寿司も刺身も好まない結果に
寿司は、日本を代表する料理の1つです。調査結果では、多くの国が寿司を好んでいることがわかりますが、一方では刺身を好まない国も多くあることがわかりました。刺身が好まれないのは、生ものを食べる習慣のないことが理由です。また、インドはベジタリアンが多いため、寿司も好んで食べません。インド人には、天ぷらや豆腐などの料理がよいとされています。
出典:観光庁「外国人客接遇マニュアル」
「うどんvsそば」はうどんの勝利
うどん、そば、ラーメンの麺類では、ラーメンを好む国が多いという結果でした。続いてうどん、そばと続きます。そばは、中国では家畜用の飼料で用いられているため、あまり良いイメージを持っていないため人気がありません。また、ざるそばのような冷たい料理を敬遠する国が多いのも人気のない原因です。冷たい料理を好まない国は、中国や台湾、香港、タイ、アメリカ合衆国などです。
出典:観光庁「外国人客接遇マニュアル」
参考サイト
多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル – 観光庁
和食文化の保護・継承 – 農林水産省
日本食文化の海外展開 – 農林水産省
備考
本稿は、観光庁「外国人客接遇マニュアル」に掲載されている内容をもとに作成したものです。調査対象の国は、中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、オーストラリア、アメリカ合衆国、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ロシアの17か国です。なお、調査結果がその国すべての国民に該当するものではありません。