英検の新しい英語試験「英検CBT」とは
英検(実用英語技能検定)を運営、開催している公益財団法人日本英語検定協会は、2018年8月からコンピュータによる受験を可能にした「英検CBT」を開始しました。
英検CBTの大きな特徴の1つに、「読む」「聞く」「話す」「書く」の英語4技能を、コンピュータを使って1日で受験できることが挙げられます。英検CBTに合格すると、通常の英検で取得できる資格と同じ資格が取得できます。また、英検CBTにて取得した資格は、2020年度から始まる大学入試共通テストに活用することもできます。
英検CBTとはどのような検定試験なのか見ていきましょう。
目次
英検CBTの試験は3種類ある
英検CBTの試験は、2級と準2級、3級の3種類の試験があります。通常の英検にある、1級や準1級、4級、5級の試験はありません(2018年10月現在)。英検CBTは、主に、大学受験を目指す高校生や、高校受験を目指す中学生向けの試験という位置づけです。
英検CBTは1日で試験が終わる
英検CBTでは、1日で英語4技能の試験が終わります。試験は、「スピーキング」→「リーディング」と「ライティング」→「リスニング」の順番に行われます。試験時間は級によってまちまちで、1時間半から2時間前後で終わります。
級 | スピーキング | リーディングとライティング | リスニング |
---|---|---|---|
2級 | 15分 | 85分 | 25分 |
準2級 | 15分 | 75分 | 25分 |
3級 | 15分 | 50分 | 25分 |
英検CBTでの合否判定の流れは、通常の英検と同じく、まず、リーディングとライティング、リスニングの3技能について合否判定をします。次に、3技能に合格した人についてスピーキングの技能を測定し、合格していれば、その級が合格になります。英検CBTにおいて、リーディングとライティング、リスニングの3技能に合格し、スピーキングの技能に不合格だった人は、次の試験において3技能試験が免除されます。
英検CBTではパソコンを操作するスキルが求められる
英検CBTのCBTは、Computer Based Testing の略です。全ての試験はコンピュータを使って行われます。試験に使われるコンピュータは、Windows が搭載されているパソコンです。受検する席には、パソコンやキーボード、ディスプレイ、マウス、ヘッドセットなどが置かれています。
試験問題は、ディスプレイに表示されます。択一問題ではマウスをクリックして解答します。ライティングテストでは、キーボードを使って文字を入力します。また、リスニングやスピーキングの問題では、ヘッドセットを介して音声を聞いたり発声したりします。英検CBTでは、マウスの操作方法や大文字、小文字の入力の仕方、ヘッドセットの使い方といった、パソコン関連の操作方法を覚えておく必要があります。
英検CBTの試験は毎月実施される
英検CBTの試験は、2018年8月からスタートし、毎月実施されます。試験会場は本会場のみで、準会場において受検することはできません。本会場とは、公益財団法人日本英語検定協会が指定する試験会場のことです。準会場とは、中学校や高等学校などが団体にて申し込みする場合に、団体が設定する試験会場のことで、具体的には中学校や高等学校の教室などが挙げられます。英検CBTは、団体での申し込みができないため、準会場において受検することはできません。
ちなみに通常の英検は、毎年1月と6月、10月頃に実施されます。
英検CBTの検定料金は、通常の英検と比較すると高い
英検CBTの検定料金は、2級が7500円、準2級が6900円、3級が5800円です。通常の英検の検定料金よりもやや高めに設定されています。
英検CBTと英検の検定料金比較表
2級 | 準2級 | 3級 | |
英検CBT | 7500円 | 6900円 | 5800円 |
英検 | 5800円 | 5200円 | 3800円 |
英検CBTを大学入試共通テストに活用するには
2020年度以降の大学入試において、大学入試センターの「大学入試英語成績提供システム」を導入する大学については、英検CBTにて取得した資格が活用できます。英検CBTの受検者は、志望する大学が、大学入試英語成績提供システムを導入するかどうか確認することが大切です。
大学入試英語成績提供システムを導入しない大学のうち、英検などの外部民間試験の取得状況を考慮する大学の場合には、通常の英検、英検CBTのどちらの資格でも活用することができます。
ちなみに、公益財団法人日本英語検定協会では、英検CBTの他に、大学入試共通テストに活用できるテストとして「英検S-Interview」と「英検S-CBT」の2つの試験を実施する予定です。(2018年10月現在)
英検CBTに関連するサイト
大学入学共通テストで受験できる英語の民間試験まとめ – weblio英会話
英検CBT – 公益財団法人日本英語検定協会
試験内容 – 公益財団法人日本英語検定協会
FAQ・ご確認事項 – 公益財団法人日本英語検定協会
「大学入試英語成績提供システム」の参加要件確認結果について – 独立行政法人大学入試センター