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英作文・ライティング

高校入試の英語の自由英作文問題で押さえておきたい基礎知識

高校入試の自由英作文で高得点を取るには、英作文の練習を繰り返すことが大切です。練習する前に、まず、生徒に基礎的な英文法の知識を身に付けさせることから始めるとよいでしょう。英文法の知識がある程度身に付いたら、繰り返して英作文問題を解いてきます。練習を重ねていくうちに、英作文のコツが身に付いてきます。

 

高校入試の自由英作文で高得点を取るために覚えておきたい英語表現や英文法の注意点、英作文のポイントを確認していきましょう。

高校入試の自由英作文では時制の使い方に気を付ける

生徒が、過去形や未来形などの時制をうまく使い分けているかを確認するために、短い英作文の小テストを利用するとよいでしょう。自由英作文の問題でよくミスをするケースは、時制の使い方です。動詞を過去形に変化するべき場面で、現在形にしたり、未来形のwillを付け忘れたりしていないか確認しておきましょう。

 

間違った時制の英文

I show you how to make paper animals when you come to Japan.

 

正しい時制の英文

I will show you how to make paper animals when you come to Japan.

あなたが日本に来たとき、折り紙で動物の折り方を教えてあげます。

 

出典:「平成29年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表 採点のポイント」

 

willを付け忘れているだけですが、 willがないと意味が通じなくなります。英作文の問題では、いつ行われることを問われているのか意識しておくと、時制のミスを減らせます。すでに起きたことについて説明する問題なら過去形を使い、これから起こることについて説明する場合は未来系を使うというのが基本です。問題を解く時に求められている情報が、今という時点よりも前のことなのか、これからのことなのか、理解してから英文を作ることで時制のミスは防げます。

自由英作文ならではの冠詞の付け忘れに注意する

冠詞は日本語では使用しない文法なので、英作文では付け忘れてしまいがちです。基本的な英文法を理解していていも、冠詞がきちんと付けられない生徒もいますので、使い分けられるよう指導しましょう。冠詞は3種類を覚えておけば十分ですので、使い分けることはさほど難しくありません。

 

aとan

不特定の名詞や初めて話題にする単語に使用します。

 

I am a student.

私は学生です。

 

the

特定の名詞やすでに話題になった単語に使用します。

 

There is a public high school near my home and I will be a student of the school.

私の家の近くに公立の高等学校があり、その学校の生徒になります。

前置詞の使い分けができるように熟語を覚える

前置詞も冠詞と同じく日本語にはない文法ですので、英作文で書き忘れている生徒も少なくありません。前置詞とはoninなど、動詞とセットで使われることが多い品詞です。生徒が適切に前置詞を使えるようになるための指導方法は、主に2つに分けられます。

 

1つ目の方法は英熟語を覚えてしまうということです。高校入試で求められる前置詞の知識は熟語でカバーできることが多くあります。

 

  • look for
    ~を探す
  • come into
    ~へ入る

 

熟語の参考書では、動詞と前置詞がセットになってリストアップされています。高校入試で求められる英熟語の数は500個ほどです。前置詞を使い間違えないように、暗記してしまうのもいいでしょう。

 

前置詞を使い分けるもう1つの方法は、前置詞がそれぞれ持っているイメージを暗記することです。

 

  • up
    上に向かっていく
  • to
    前へ進んでいく
  • on
    表面に接触している

 

Tom will come to Japan.

トムは日本に来ます。

 

トムが日本に向かってやってくるイメージですので、toを使用します。

自由英作文では、接続詞を活用して流れのある英文にする

前後の英文につながりがあり、流れのある英文になるように指導しましょう。流れのない英文は、単調な短文が続いており、接続詞を活用していません。

 

高校入試でよく出題される接続詞には、次のようなものがあります。

 

  • or
    または
  • when
    ~の時
  • if
    もし
  • that
    ~ということ
  • because
    なぜなら
  • but
    しかし
  • and
    そして

 

接続詞を使わずに英作文をしてしまうと、次の例文のように流れのない読みづらい文章になってしまいます。

 

接続詞を使わない場合の英作文

I like to play tennis. I want to join the tennis club.

私はテニスをするのが好きです。私はテニスクラブに入りたいです。

 

接続詞を使った場合の英作文

I want to join the tennis club because I like playing tennis.

私はテニスをするのが好きなので、テニスクラブに入りたいです。

 

接続詞を使わなくても、意味は通じます。しかし、接続詞を用いていないという点で、減点の対象になる場合があるので注意してください。接続詞を使い、流れのよい英文であれば加点の対象になります。自由英作文の問題の中には、単語や文の数が決められていることがあります。短文を羅列することで、字数やセンテンス数を増やすことができますが、流れのない文章は減点対象になる場合もあるので気を付けましょう。

 

He is a musician. But he does not like playing the piano.

彼はミュージシャンです。しかし彼はピアノを弾くことを好みません。

 

上の英文は、表現として間違ってはいませんが、高校入試の自由英作文問題では、接続詞を単体で使用するのは避けた方がよいでしょう。英文としての意味は同じですが、次の英文のように、文を区切らない英文にしましょう。

 

He is a musician but he does not like playing the piano.

 

高校入試の自由英作文では関係代名詞と分詞の知識が問われる

英作文で表現の幅を広げるには、関係代名詞と分詞の活用が役立ちます。高校入試に臨む生徒には、中学校3年生までの英文法もきちんと学習するように指導しておきましょう。次の例文のように、文章に肉付けをしたり、字数を増やしたりするときに便利な表現です。

 

  • 分詞を使った英文
    The boy playing baseball over there is my brother.
  • 関係代名詞を使った英文
    The boy who is playing baseball over there is my brother.
  • 関係代名詞や分詞を使わない英文
    The boy is playing baseball over there. He is my brother.

 

関係代名詞や分子を使うことで、英作文の表現の幅を広げられます。一方、関係代名詞や分子を使っても文法ミスをしてしまうと減点の対象になってしまいます。

自由英作文の問題でよく出題される比較や現在完了を習得する

高校入試の英作文問題では、中学3年生で習う文法がよく出題される傾向にあります。比較現在完了などが中学校3年生で習いますので、習得しておきましょう。

 

問題例

あなたは1年間の季節の中で、夏と冬のどちらが好きですか。理由も含めて答えなさい。

 

解答例

I like summer because I was born in summer season.

私は夏に生まれたので、夏が好きです。

 

夏と冬のどちらが好きかと聞かれた問題で、上のような表現を使えば夏が好きと答えることはできます。ですが、ここでの問題の意図は、冬と比べて夏が好きである理由、もしくは、夏と比べて冬が好きな理由を説明できているかどうかを測っています。上のような表現では、問題の意図と外れています。次の解答例のように、夏と冬の両方の単語を使って、2つの季節を比べる英語表現をしましょう。

 

解答例

My favorite season is summer, because in summer season I can play outside with my friends more than in winter.

夏の季節には、冬よりも外で友達と遊ぶことができるので、私が好きな季節は夏です。

Introduction、Body、Conclusionの順番を意識した英作文が大事

考え方や意見を表明する英作文では、文章の流れにルールがあります。Introduction(序論)、Body(本論)、Conclusion(結論)というブロックに分けて書きます。

 

Introduction(序論)

文章の趣旨を説明する部分です。自分の立場を表明し、その理由を簡単に説明します。賛成であるか反対であるかといった問題の場合は、 Introductionでどちらの立場かを書きます。

 

Body(本論)

意見の理由付けをする段落です。文字量の多い英作文では、Body1Body2のように、段落を分けることもあります。

 

Conclusion(結論)

文章のまとめの部分です。自分の意見を主張して、理由を付けます。

 

英作文では、順番が決まっています。最初に意見を述べ、理由を説明し、最後にまとめるという順番を覚えておきましょう。

副詞を使って文章の構成を明確にする

序論、本論、結論という英作文の文章構成では、読み手にわかりやすく表現することが求められます。英作文の流れを理解している生徒には、副詞を活用するように指導しましょう。副詞を利用すると、構成がよくわかる英作文ができます。

 

  • 「はじめに」という意味で使える表現
    First of all
    To begin with
  • 英作文で役に立つ序数表現
    Firstly(1つ目に)
    Secondly(2つ目に)
    Thirdly(3つ目に)
  • 「最後に」という意味で使える表現
    To sum up
    In conclusion

 

副詞を使って、「あなたが好きな食べ物を教えてください」という問題に答えてみましょう。

 

解答例

First of all, I like apples and I dream of eating an apple every day.

There are three reasons that I like apples. Firstly, the red color of an apple is beautiful. Secondly, I love the sweet taste of apples. Thirdly, I can eat an apple wherever I live.

In conclusion, my favorite food is an apple because the fruit always makes me happy by those three reasons.

 

日本語訳

はじめに、私はリンゴが好きで、毎日リンゴを食べることを夢見ているほどです。

私がリンゴを好きな理由は3つあります。 まず、リンゴの赤い色が美しいと思います。 2つ目に、私はリンゴの甘い味が大好きです。3つ目に、リンゴは私がどこに住んでいても食べることができます。

結論として、その果物はいつも私を3つの理由で幸せな気持ちにしてくれますので、私の好きな食べ物はリンゴです。

 

関連サイト

平成29年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表 採点のポイント – 東京都教育委員会

第2章 各教科 第9節 外国語 – 文部科学省

ライティングテストの採点に関する観点および注意点(3級) – 公益財団法人日本英語検定協会

生徒の英語力向上推進プランについて – 文部科学省

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