発達障がいの子どものコミュニケーション力を改善する効果的な叱り方
発達障がいを抱える子どもは、対人関係やコミュニケーションが苦手です。「何度注意しても言うことを聞かない」「叱ってもまた同じことを繰り返してしまう」といった悩みを抱える親御さんもいることでしょう。
発達障がいの子どもにはどのような叱り方が効果的でしょうか?
「しないで!」を使わない叱り方
子どもがいけないことをしていると、つい「大きな声を出さないで!」「ドアを開けっ放しにしないで!」のように、禁止の表現を用いてしまいます。このような言葉を使うと、子どもは、「しないで!」よりも「大きな声を出す」「ドアを開けっ放しにする」ということに注意がいってしまいます。
「大きな声を出さないで!」は「静かにしようね」、「ドアを開けっ放しにしないで!」は、「ドアを閉めようね」のように「しないで!」を使わないようにしましょう。
危ないことをしている時の叱り方
子どもが、窓から身を乗り出していたり、友だちと喧嘩をしていたりしたら、まずは子どもの身の安全を確保しましょう。危ないことをした時には「ダメ!」ときつく叱ることも必要です。その上で、「部屋の中で遊ぼうね」「お友だちと仲良くしようね」と言ってあげます。
子どもが「うん、わかった。ごめんね」と言って反省していたら「いいこだね。ありがとう」と褒めてあげましょう。叱る時はなるべく短い時間でコミュニケーションを済ませるように心掛けてください。
時には叱らずに見て見ぬ振りをするのもよい
子どもや周りの人に危険が迫っていてどうしても叱らなければならない時以外は、見て見ぬ振りをするのもよいでしょう。親御さんの携帯電話をいじっている時、脱いだ靴下をボールに見立てて投げて遊んでいる時など、その度に叱っていると、子どもは「またか」と思って注意を無視するようになります。また、強い叱り方をすると、親御さんに対して恐怖心を抱くこともあります。
子どもがいたずらをやめた時に「いたずらやめたんだね。いいことだね」と褒めてあげましょう。おもちゃの携帯電話やゴムボールなど、代わりのものを用意しておくと、いたずらも減ります。
叱る時に頭やお尻を叩いてはいけない
親御さんが小さい頃は、叱られたら頭を叩かれたり、お尻を叩かれたりしたこともあるでしょう。
2013年に「改正子ども虐待対応の手引き」(厚生労働省)が改正され、子どもへの身体的虐待に「叩く」行為が追加されました。叩くという体罰は、子どもにとって効果がないばかりか、悪影響をもたらす不適切な行為であるとしています。
軽くお尻を叩いたつもりでも、発達障がいを抱える子どもは親のことを嫌いになり、次第にコミュニケーションの回数が減っていくこともあります。
関連サイト
子ども虐待対応の手引の改正について – 厚生労働省
やりとりの苦手な子どもへの支援 – 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
正しいしつけは 子どもへの大切な贈り物。 – 文部科学省
ともに歩む親たちのための家族支援ガイドブック – 厚生労働省
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