発達障がいの子どもへの勉強の教え方
発達障がいの子どもは、コミュニケーションや対人関係が苦手で、学校では「ちょっと変わった子」と見られることがあります。勉強も遅れがちで、先生や友だちから怒られたり、からかわれたりすることも少なくありません。
発達障がいを抱える子どもには、どのようにして勉強を教えればよいでしょうか。
1回の勉強時間を短くする
ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の子どもは、気が散りやすく、じっとしていることが苦手です。学校の授業でも、周りの子どもとおしゃべりをしたり、窓の外を眺めたりして、勉強に集中することができません。
家庭では、1回の勉強時間を短くして、子どもへの負担を減らしてあげましょう。飽きてしまう時間は子どもによってまちまちですが、10分から20分程度にします。もう少し継続できそうなら時間を増やし、飽きてしまうようであれば時間を減らしてみるとよいでしょう。1回の勉強時間だけでは、宿題や予習、復習は終わりませんので、おやつの時間や部屋を掃除する時間、あるいは自由時間を挟んで、2回目の勉強を始めます。もし、2回目の勉強で終わらない時は、3回目の勉強、4回目の勉強をして、1日の勉強を終わらせます。
理解できなかったところは理解できるまで勉強する
例えば、小学校4年生の子どもであれば、4年生で習うことを勉強するのが普通です。親御さんも、学校の勉強に遅れないように、予習、復習のスケジュールを立てると思います。しかし、小学校3年生までに習った勉強の中で理解していないところがあったら、そちらも勉強して習得させましょう。1日の勉強時間のうち、半分、あるいは3分の1の時間を、小学校3年生までに習った勉強時間に充てます。小学校を卒業する時には、1年生から6年生までの学習をすべて理解できていることを目標にスケジュールを組むとよいでしょう。
たくさんの「できた」で自信をつけさせる
勉強に自信をつけさせるには、たくさんの「できた」を与えることです。ドリルで100点を取ったり、宿題を短時間で終わらせることができたりすれば、子どもは自信がついて勉強へのモチベーションもアップします。答えを導くためのヒントを書き添えたり、ポイントとなる部分に線を引いたりしてあげるとよいでしょう。
パソコンやタブレット端末で勉強する
最近では、パソコンやタブレット端末で使える学習教材がたくさん出ています。動画や画像を見ながら勉強することもできます。学習障がい(LD)を抱えていて、書くことが苦手な子どもは、パソコンやタブレット端末を使って勉強すれば、文字を書く手間が省けます。子どもは、画面に映し出される指示に従って学習を進めていくので、親御さんの負担も軽くなります。
英語の勉強はオンライン英会話がお薦め
2020年度から、小学校3年生で英語の授業が始まります。小学校の英語教育では、主に「話す」ことと「聞く」ことに重点を置いて授業が進められます。「話す」「聞く」の能力を身につけるには、オンライン英会話サービスがお薦めです。最近では、発達障がいの子ども向けのオンライン英会話サービスもあります。英語教育が本格的に始まる中学校までに、英語の基礎を習得しておきましょう。
関連サイト
個性に応じ放課後指導 県内、発達障害の児童・生徒支援 – 独立行政法人福祉医療機構
資料4‐1 障害のある幼児児童生徒への指導について – 文部科学省
平成27年版子ども・若者白書 – 内閣府
学習障害児に対する指導について(報告) – 文部科学省