学習障がいとは? 特徴や症状・対応の仕方まとめ
学習障がいとは、知的発達には遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった能力のうち、1つ以上に著しい遅れが見られる障がいのことです。英語では、Learning Disabilityといい、略してLDともいいます。
学習障がいに見られる特徴や対処の仕方を1つ1つ見ていきましょう。
聞く
聞く能力に著しい遅れがある子どもは、ものごとの順番が理解できなかったり、聞いてもすぐに忘れてしまったりするケースが多く見られます。例えば、親御さんが「宿題が終わったらおやつを食べてね」と伝えてもおやつのことを忘れてしまう、また、お子さんが「宿題が終わったら何をするんだっけ」と何度も聞いてくる、というようなことがあります。
聞く能力に遅れが見られる子どもには、やることをメモ書きして渡したり、見える場所に物を置くなどするとよいでしょう。
話す
話すことの困難な子どもは、聞いた内容は理解していても、正しく発音ができなかったり、話す内容にまとまりがなかったりします。また、「そこのあれ取って」のように「これ」「それ」「あれ」をよく使ったり、「学校、漢字テスト、100点、取った」のように「が、の、を、に、へ、と、より、から、で、や」などの助詞を抜かして話したりします。
このような話し方をする子どもには、親御さんが正しい言葉で言い直したり、正しい言葉を子どもに言わせたりするとよいでしょう。
読む、書く
読む能力に遅れが見られる子どもは、書く能力にも遅れの見られるケースがあります。このような症状を、ディスレクシア、あるいは発達性読み書き障がいと呼んでいます。
読むことについては、文字を1文字ずつ読んだり、句読点で句切らないで読んだりすることがあります。また、本を指でなぞって読んだり、文を変えて読んだりすることもあります。幼児期に文字に興味を示さなかった、あるいは覚えようとしなかったという子どもに見られます。
書くことについては、「っ」(促音)や「ゃ、ゅ、ょ、ゎ」(拗音)、「ん」(撥音)を含む語を書き誤ります。例えば、「きゃべつ」を「やべつ」「きべつ」、「がっこう」を「がこう」「がこうっ」のように書くことがあります。また、「ぬ」と「め」、「ね」と「わ」のような似たようなひらがな、「雪」と「雷」のような形の似た漢字を書き誤ることがあります。アルファベットでは、「I」と「l」、「b」と「d」を誤って書くことがあります。
このような症状の見られる子どもには、興味を示す内容の本を読む、書く練習をするといったことを日頃から行っていくとよいでしょう。
計算する、推論する
数字を計算したり算数の問題を解いたりすることが著しく困難な場合、学習障がいと診断されることがあります。計算が苦手、算数が苦手という子どもは数多くいますが、お子さんが学習障がいに当たるかどうかわからない時は、児童発達支援事業所などに相談するとよいでしょう。
例えば、繰り上がりのある足し算の計算やメートルをセンチメートルなどの単位の計算が極端に苦手な場合や、グラフが全く理解できない場合などが計算の学習障がいに当たります。いくつかの計算式を経て答えを出すような文章問題が全く解けない場合は推論の学習障がいの可能性があります。
算数が極端に苦手な子どもには、小学校3年生であれば1年生の問題を解いてみるなど、解ける問題をこなしていき、自信を失わせないようにすることが大切です。
関連サイト
発達障害の理解のために – 発達障害情報センター
ディスレクシア | 子どもの病気 – 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
学習障害児に対する指導について – 文部科学省