広汎性発達障がいの子どもが取り組みやすい勉強方法まとめ
広汎性発達障がいとは、自閉症やアスペルガー症候群、レット障がい、小児期崩壊性障がい、特定不能の広汎性発達障がいなどの総称です。英語では、pervasive developmental disorders(PDD)といいます。
広汎性発達障がいは、他人とのコミュニケーションが苦手だったり、行動パターンに強いこだわりを示したりする障がいです。広汎性発達障がいを抱える子どもには、どのような勉強方法が向いているのでしょうか?
具体的に指摘するように心掛ける
広汎性発達障がいの子どもは、曖昧な表現が理解できません。例えば、作文の指導で「もう少し文章の量を多くして書いてみよう」と言ったとしても、どの程度の文章量が必要なのかがわかりません。「ノート2ページ分は書こうね」のように具体的に示してあげる必要があります。「算数のドリルをやるんだよ」と言うよりも「算数のドリルの10ページから11ページまでをやるんだよ」と言ってあげましょう。勉強するページに付せんを貼り付けたり、マーカーで印をしたりしておくのもよいでしょう。
説明する時は長くならないようにする
算数の文章問題などで「ああして、こうして、こうすれば解けるでしょう」と説明してしまうと、子どもは最初に言われた内容を忘れてしまいます。1つずつ短く説明しながら段階を踏んで問題を解いていくように心掛けます。
図やイラストを多用する
広汎性発達障がいの中で自閉症を抱える子どもは、聴覚の認知能力が低いことがあります。言葉で伝わらない時には、図やイラストを使って説明すると理解度が高まるかもしれません。漢字を書く練習では、書きだしの部分にマークを付けてみたり、書き順を示す数字を付けてみたりするとよいでしょう。算数の計算問題では、間違いやすい箇所やポイントとなる箇所をマーカーで色付けしておくのもよいでしょう。
使いやすい筆記用具を用意する
広汎性発達障がいのうち、アスペルガー症候群の子どもは、手先があまり器用でないことがあります。短い鉛筆や小さい消しゴムなど、子どもが使いづらそうにしていたら使いやすい道具に換えてあげましょう。
勉強する場所や環境にも配慮する
アスペルガー症候群を抱える子どもは、勉強をしていても周囲が気になって集中できないことがあります。近くにスマートフォンや雑誌があると、そちらが気になってしまいます。勉強以外の物はなるべく視界に入らないようにしましょう。音や光、匂いなどにも過敏に反応することがありますので、子どもの様子を伺って勉強しやすい環境を作ってあげましょう。
パソコンやタブレット端末を活用する
レット障がいの子どもは、症状によっては鉛筆を持って字を書くことができないことがあります。そのような場合には、パソコンやタブレット端末を使って画面に映し出される映像や文字を見ながら勉強を進めるとよいでしょう。
関連サイト
広汎性発達障害とは – 国立障害者リハビリテーションセンター
自閉症の医学 – 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
特別支援教育について – 文部科学省
発達障がいを抱える子ども向けの英会話レッスンがお薦め