睡眠環境を工夫して発達障がいの子の生活リズムを整えよう
発達障がいを抱える子どもは、すぐに怒ったり泣いたり感情のコントロールが苦手です。そのため疲れやすくなってすぐに寝てしまったり、起床時間に起きられなくなってしまうことがあります。このようなことが習慣になると、昼夜逆転生活や体調不良、登校拒否を招く恐れがあります。
生活リズムを整えるためにはまず、睡眠環境の工夫が必要です。家庭でも簡単にできる睡眠の工夫をいくつかご紹介しましょう。
睡眠時間を決める
10歳前後の子どもの場合、1日の睡眠時間は8時間程度が望ましいとされています(参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014」)。朝6時に起きるのであれば、寝る時間は午後10時頃に決めておきます。子どもが眠くないと言っていても寝る時間になったら必ずパジャマに着替えて床に就く習慣を付けさせます。
休日だからといって起床時間を遅らせてはいけません。前日の就寝時間が遅い場合でも起床時間は守るようにしましょう。睡眠時間が少ない日には昼寝させるのもよいでしょう。ただし、あまり長い時間昼寝をすると夜に寝られなくなるので注意が必要です。
寝つきの悪い子どもには昼間に運動をさせる
ADHDなど多動性の見られる子どもの場合、なかなか眠れないことがあります。このような子どもの場合、昼間の時間に運動をさせるとよいでしょう。夜になると疲れて眠くなり寝やすくなります。ちなみに、就寝前にテレビゲームをすると脳の興奮が収まらずに寝付けなくなってしまうことがあります。寝る前はリラックスした環境で過ごすようにしましょう。
部屋の環境を工夫する
子どもが寝る部屋には、気が散るような物はなるべく置かないようにします。音が鳴ったり振動するスマートフォンや、ちょっとした風で音の鳴る飾り物、食べ物、ポスター類などが挙げられます。部屋の明かりはなるべく暗くしておきましょう。暗いと怖がることがあるので、怖がらない程度の明るさがよいでしょう。匂いに敏感な子どもの場合には、無臭の消臭剤を使うとよいでしょう。
就寝後の工夫
子どもが寝た後は、大きな物音がしないように注意を払います。夜遅くに帰宅する家族にも協力してもらいましょう。ドアを開ける時の音、トイレの音、スマートフォンの音などにも注意しましょう。様子をうかがいにドアを開ける時も音が鳴らないようにし、また、光が差し込まないような配慮が必要です。
起床時間になったら確実に起こす
起床時間になったら元気な声で「○○ちゃん、朝だよ、おはよう!」と声を掛けてあげましょう。カーテンを開いて部屋を明るくしたり、天候の良い日には窓を開けて空気を入れ替えたりするのもよいでしょう。「あと10分寝させて」と言われても断ります。許可してしまうと毎日同じようなことを言ってくるようになります。
関連サイト
健康づくりのための睡眠指針 – 厚生労働省
子どもの睡眠と脳の発達 – 国立研究開発法人科学技術振興機構
子どもの睡眠 – 国立保健医療科学院
発達障害児に対する有効な家族支援サービスの開発と普及の研究 – 国立障害者リハビリテーションセンター
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