この記事は、2026年1月から導入されるTOEFL新形式について情報を求めている受験生、留学希望者、英語学習者の方々に向けて執筆しています。
新形式の全体像や主な変更点、各セクションの特徴など、最新情報を網羅的に解説します。
TOEFLの新傾向に不安を感じている方や、効率的な学習法を知りたい方にとって、保存版となる実践的なガイドです。
2026年1月TOEFL新形式とは？
2026年1月からTOEFL iBTは大幅なアップデートが実施されます。
この新形式では、全セクションで問題構成や採点基準が刷新され、特にリーディングとリスニングに「アダプティブ方式」が導入されるのが大きな特徴です。
従来よりも受験者の実力に応じた出題がなされるため、より正確な英語力評価が可能となります。
また、試験時間やセクション構成も見直され、受験体験の効率化と公平性が追求されています。
このアップデートは、グローバルな英語試験のトレンドに沿ったものであり、今後の留学や進学、キャリア形成においても重要な意味を持ちます。
バンドスコア方式が採用することでCEFRとより対応させるとともに、スコア解釈が分かりやすくなります。
新形式導入の背景と世界的な流れ
TOEFL新形式導入の背景には、グローバルな英語力評価の標準化と、受験者の多様なニーズへの対応があります。
世界中の教育機関や企業が、より実践的かつ公平な英語力測定を求めていることから、ETSは最新のテスト理論やAI技術を活用したアダプティブ方式を採用しました。
これにより、受験者一人ひとりのレベルに合わせた問題が出題され、従来よりも正確なスコア算出が可能となります。
また、試験時間の短縮やPC受験の利便性向上も、国際的な英語試験のトレンドに沿ったものです。
主な変更点と従来形式（現行）との違い
2026年1月からのTOEFL新形式では、従来の全受験者共通問題から、リーディング・リスニングでアダプティブ方式が導入されます。前半の回答結果によって後半の問題が調整されるため、受験者の実力に応じた難易度の問題が出題され、短時間でより正確な英語力の測定が可能になります。
また、スピーキングやライティングのタスクが刷新され、より実用的かつ多面的な英語力評価が可能となります。
試験時間やセクションごとの問題数も見直され、受験者の負担軽減と効率化が図られています。
下記の表で主な変更点をまとめます。
| 項目 | 従来形式 | 2026年新形式 |
|---|---|---|
| リーディング/リスニング | 全員同一問題 | アダプティブ方式 |
| スピーキング | 従来型タスク | 新タスク・新評価基準 |
| ライティング | 従来型タスク | 新タスク・新評価基準 |
| 試験時間 | 116分 | 85分 |
問題数と各セクションの試験時間も変更となります。
| セクション | 従来形式 設問数/試験時間 |
2026年新形式 設問数/試験時間 |
|---|---|---|
| リーディング | 20問/35分 | 35-48問/27分 |
| リスニング | 28問/36分 | 35-45問/27分 |
| スピーキング | 4問/16分 | 11問/8分 |
| ライティング | 2問/29分 | 12問/23分 |
試験の順序もスピーキングとライティングが入れ替わります。
- 従来：リーディング → リスニング → スピーキング → ライティング
- 新形式：リーディング → リスニング → ライティング → スピーキング
アダプティブ方式とは？
TOEFL新形式のアダプティブ方式とは、前半パートの結果に応じて後半パートの難易度がリアルタイムで調整される方式です。
これにより受験者一人ひとりの英語力を効率的に測定できるとともに、少ない問題数で正確な能力を測ることが可能になります。
バンドスコア方式とは？
2026年1月からのTOEFL新形式では、バンドスコア方式が採用されます。
これにより、言語能力の国際的な基準であるヨーロッパ言語共通参照枠（CEFR）とより直感的に対応させるとともに、総合スコアおよび各セクションのスコアを「1〜6」のスケールで評価することで、スコアの解釈が分かりやすくなります。
TOEFL iBT®とCEFRの対応表
新形式導入日・移行スケジュール
TOEFL新形式は2026年1月21日から正式に導入されます。
ETS公式サイトにサンプル問題、無料練習テストが公開されています。
現行形式での受験は2026年1月20日までとなり、それ以降は新形式のみが提供されます。
移行期間中は、公式教材や模試も新旧両対応となるため、受験予定時期に合わせて準備を進めることが重要です。
TOEFL新形式セクション別解説
2026年1月からのTOEFL新形式では、各セクションごとに出題形式や評価方法が大きく変わります。
特にリーディングとリスニングはアダプティブ方式が導入され、受験者の前半問題の解答結果に応じて、後半問題の難易度が変化します。
スピーキングとライティングも新タスクや評価基準が追加され、より実践的な英語力が問われるようになります。
ここでは、各セクションの新しい特徴と対策ポイントを詳しく解説します。
リーディング（Reading）セクション
新形式のリーディングセクションでは、アダプティブ方式が採用されます。
最初のセットでの解答結果に応じて、次のセットの難易度が自動調整されるため、幅広いレベルの受験者に対応可能です。
問題数や出題ジャンルも見直され、より実用的な読解力が求められます。
| タスク | 内容 | 求められるスキル |
|---|---|---|
| Complete the Words (単語補完) |
約70〜100語の長さのアカデミックな文章が出題。削除された文字部分を補って単語を完成させる | 文脈理解力、単語力 |
| Read in Daily Life (日常生活に関する文章を読む) |
世界中の日常生活でよく見かける約15～150語の文章を読み、選択肢から回答を選ぶ | 文脈理解力、推論・論理的思考力、速読・精読能力 |
| Read an Academic Passage (アカデミックな文章を読む) |
約200語のアカデミックな文章を読み、選択肢から回答を選ぶ。内容は歴史、美術・音楽、ビジネス・経済学、生命科学、物理科学、社会科学など | アカデミックな語彙力・文法力、長文読解力、速読・精読能力 |
リスニング（Listening）セクション
リスニングセクションもアダプティブ方式が導入され、受験者の解答状況に応じて問題の難易度が変化します。
講義・会話・ディスカッションなど多様な音声素材が使用され、実際の大学生活に近いリスニング力が問われます。
設問数や音声の長さも調整され、集中力と理解力の両方が求められます。
| タスク | 内容 | 求められるスキル |
|---|---|---|
| Listen and Choose a Response (音声を聞いて応答を選ぶ) |
短いやり取りの最初の質問または発言を聞き、話し手の発言に対して最も適切な応答を選ぶ | 語彙力・文法力、即時理解力 |
| Listen to a Conversation (会話を聞く) |
2人の話し手による短い会話を聞き、その会話に関する回答を選ぶ。会話のトピックは、日常に関わる、食事、社交、教育、娯楽、サービス、健康、趣味、家庭、買い物、通信、旅行など | 音声知覚、意味理解、要約力 |
| Listen to an Announcement (アナウンスを聞く) |
アカデミック関連の短いアナウンス（約40〜85語）を聞き、その内容に関する問題の回答を選ぶ。アナウンスの内容は、スケジュール、案内、規則や規定または学生の成果に関する情報が含まれる | 語彙力・文法力、情報整理と理解 |
| Listen to an Academic Talk (アカデミックな講義を聞く) |
アカデミック関連の短い講義（約100〜250語）を聞き、その内容に関する問題の回答を選ぶ。講義のトピックは、歴史、美術・音楽、生命科学、物理科学、ビジネス・経済学、社会科学など | アカデミックな語彙力・文法力、内容理解力、集中力 |
ライティング（Writing）セクション
ライティングセクションでは、新たなタスクや評価基準が導入されます。
アカデミックなエッセイだけでなく、実用的な文章作成力も問われるようになり、採点基準もより細かく設定されます。
論理性・構成力・語彙力など、多面的な評価が行われるため、幅広いライティングスキルが必要です。
| タスク | 内容 | 求められるスキル |
|---|---|---|
| Build a Sentence (文を作る) |
語や句を並べ替えて文法的に正しい文を作り、会話の流れに合った適切な返答を作成する | 文章構造理解力 |
| Write an Email (メールを書く) |
与えられた設定に応じて相手に必要なことを伝えるためのEメールを書く | 文章構成力、文章要約力 |
| Write for an Academic Discussion (アカデミックなディスカッションのために文章を書く) |
オンライン授業のような設定のもと、教授が与えるテーマについて2人の学生の意見を読み、自分の意見を100語以上で書く | 語彙力と文法力、論理的思考力・意見表現力 |
ライティングの評価基準
- development：文章構成・展開のわかりやすさ
- organization：文章のまとまり・一貫性
- grammar and vocabulary：文法・語句の使用の適切さ・正確さ
- accuracy and completeness：内容の充実さ・正確さ
スピーキング（Speaking）セクション
スピーキングセクションでは、従来のタスクは廃止となり、新たなタスクや採点基準が導入されます。
より実践的なコミュニケーション能力を測る設問が追加され、評価基準も細分化されます。
発音・流暢さ・論理構成など、多角的な観点からスコアが算出されるため、バランスの良いスピーキング力が求められます。
| タスク | 内容 | 求められるスキル |
|---|---|---|
| Listen and Repeat (聞いて繰り返す) |
表示された絵に関する説明が、７つの文に分かれて１文ずつ読まれるので、受験者は各文が読まれたあと、8－12秒の間に聞いたものをそのまま繰り返す | 言語処理能力、流暢さ、記憶力 |
| Take an Interview (インタビューを受ける) |
インタビュアーの話のトピックに関連した4つの質問に答え、自分の経験や意見について話す。各質問に対して回答時間は45秒以内。内容は奨学金への応募や調査研究への参加など、さまざまな場面を想定 | 論理的思考力、柔軟な応答能力、説明力 |
スピーキングの評価基準
- General description：概要―全体的に質問に答えているかどうかが判定される
- Delivery：話し方（流暢さ、発音やイントネーション）が判定される
- Language use：文法の正しさと適切な語彙の使い方が判定される
- Topic development：話の論理的な展開が判定される
Q&A：2026年TOEFL新形式によくある質問【講師・専門家監修】
ここでは、2026年TOEFL新形式に関してよくある疑問や不安に、専門家の視点からわかりやすく回答します。
新形式で難易度は上がる？下がる？
新形式ではアダプティブ方式の導入により、受験者のレベルに応じた問題が出題されます。
そのため、全体的な難易度は個人差が出やすくなりますが、正確な英語力評価が可能です。
高得点を狙う場合は、より戦略的な対策が必要となるでしょう。
初心者・社会人・現役学生のための準備アドバイス
初心者や社会人、現役学生は、まず公式サンプル問題や練習テストで新形式に慣れることが大切です。
自分の弱点を早めに把握し、セクションごとに計画的な学習を進めましょう。
また、時間管理やPC操作にも慣れておくと安心です。
試験形式や採点方式以外に変わることは？
AI（人工知能）と人間のハイブリッド監視システムが導入されています。AIが受験者のPC上の操作状況や周囲の環境をリアルタイムで監視し、異常が検知された場合は人間の監督者に通知される仕組みにより、カンニングや不正行為の防止がより徹底されます。
TOEFL新形式の対策はどうすればいい？
TOEFL新形式の対策は、TOEFL対策コースを準備している英会話スクールや英語塾がおすすめです。
【まとめ】TOEFL新形式
2026年1月に新形式となるTOEFL。
これまでのアカデミックな英語に加えて、現代の学習環境で必要とされる重要な言語スキルとコミュニケーション能力を測定します。
新形式をよく理解することから始め、効率的に対策しましょう！
Weblio編集部はWeblio辞書や学校法人/教育機関へ250件以上導入されているWeblio英会話などの学習サービスを通して、学習支援事業を展開しているGRASグループ株式会社のメディア部門です。
【編集部メンバー】
・高校時代、英語の偏差値40台が勉強と半年の留学でTOEIC870点を取得
・オーストラリアの大学院卒業で留学経験があり、英検準1級取得
・前職が中学校・高等学校の英語教諭でIELTS Overall 7.0取得
・中学生でインターナショナルスクールに編入し、英検2級を取得。
