北陸3県の英語力の高さと幸福度との意外な関係
文部科学省の「英語教育実施状況調査」によれば、英語力の高さを都道府県別で見ると、1位は福井県、2位は石川県、3位は富山県と、北陸3県が上位を占めています。一方、都道府県の幸福度ランキングでは、1位は福井県、2位は富山県、3位は石川県と、同じく北陸3県が上位を占める結果でした。
目次
英語力と幸福度ランキング
幸福度ランキングとは、法政大学大学院の坂本光司教授や幸福度指数研究会によって、社会経済統計の中から、地域住民の幸福度を端的に示していると思われる40の指標を数値化してランキングしたものです。
40の指標は「生活・家族部門」、「労働・企業部門」、「安全・安心部門」、「医療・健康部門」に大別されており、内容は次の通りです。
- 生活・家族部門……出生率、未婚率、転入率、交際費比率、持ち家率、畳数、下水道普及率、生活保護比率、保育所定員比率
- 労働・企業部門……離職率、労働時間、有業率、正社員比率、就業希望者比率、就業期間、完全失業率、障がい者雇用比率、欠損法人(赤字企業)比率、平均工賃月額
- 安全・安心部門……刑法犯認知数、公害苦情件数、交通事故件数、出火件数、労働災害率、地方債現在高、負債現在高、貯蓄現在高、老人福祉費、手助け必要者比率、悩みストレス比率、相談できない人比率
- 医療・健康部門……休養時間、趣味娯楽時間、医療費、病床数、医師数、老衰死亡者数、自殺死亡者数、平均寿命(男)、平均寿命(女)
幸福度ランキングに組み入れられている指標は、総じて安心した暮らが送られるかどうかに重きが置かれており、英語や教育、学習などに関連する項目は見受けられません。
例えば、これらの指標がすべて満足できる状況であれば円満な生活を送ることができるでしょうし、その家庭で育った子は一層、勉強やスポーツに励むことができるでしょう。英語力(学力)を付けるには英語を学ぶ環境も必要ですが、日常生活面での満足度を高めることも大切であることが調査結果から読み取ることができます。
幸福度と英語力の相関
下の図は、都道府県の英語力(縦軸)と幸福度(横軸)の相関を表した散布図です。ほとんどの都道府県は、英語力は30から50まで、幸福度は5.00から7.00までの範囲内に収まっています。なお、英語力は、文部科学省「英語教育実施状況調査」に基づいて、中高の生徒、および教師の英語力をパーセンテージで表したものです。福井県、石川県、富山県は他の都道府県と乖離して高い水準に位置しています。この図からも、幸福度が高い都道府県ほど英語力が高いことがわかります。
出典:都道府県の幸福度ランキング、文部科学省「英語教育実施状況調査」
参考サイト
都道府県の教育費と、生徒と教師の英語力との意外な関係
北陸地域の幸福度
幸福度に関する研究会 – 内閣府
社会指標に関する調査研究 – 内閣府経済社会総合研究所
国民生活選好度調査 – 内閣府
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