小学校の英語授業ではALTの導入が進んでいる
英語の授業を外国人の先生が教えることは、今では当たり前になりました。彼らはALT(エーエルティー)と呼ばれる人たちで、英語担当教師と協力して授業を進めていくことが役割です。ALTは、1987年の「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」をきっかけにしてできた職で、今では2万人を超えるALTが小中高の英語教育に携わっています。また、小学校では授業の半分以上でALTを活用しています。
ALT活用の実態を文部科学省の「英語教育実施状況調査」から紐解いてみました。
目次
小中高の中では小学校のALT活用時数が一番高い
下のグラフは、小学校、中学校、高等学校の英語授業でのALTによる授業の割合を示したものです。小学校では授業の半分以上でALTを活用しています。中学校ではおよそ5分の1、高等学校ではおよそ10分の1の割合となっています。時系列でみると、年々少しずつALTによる英語授業の割合が増加していることがわかります。
出典:外国語教育(文部科学省)
ALTの活用は年々増加の傾向にある
下のグラフは、小学校、および中学校、高等学校における英語の授業で活用するために雇用しているALTの数の推移を表したものです。
ALTの数は、時系列で見ると年々増加していることがわかります。また、学校別では小学校が最も多く、高等学校が最も少ない結果となっています。ALTの雇用形態では、その他を除くとJETプログラムによる雇用が最も多くなっています。JETプログラムとは、地方自治体が、英語などの外国語の教育の充実や地域の国際交流の推進を図るために諸外国の青年を招く事業のことです。外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略です。
JETプログラムの他の雇用形態としては、地方自治体がJETプログラムを通じない直接雇用や労働者派遣契約、請負契約などがあります。なお、小学校では「その他」の雇用形態の占める割合が高くなっています。その他のALTには、ボランティアやその地域の留学生などが含まれています。
出典:外国語教育(文部科学省)
英語科のある高等学校は普通科の高等学校よりも2倍以上ALTを活用している
下のグラフは、高等学校の普通科と英語教育を主とする学科におけるALT活用時数の割合を示したものです。普通科よりも英語教育を主とする学科の高等学校のほうが2倍以上ALTを利用していることがわかります。
英語教育を主とする学科とは、高等学校設置基準に定められている「外国語に関する学科」のことで、英語科のある高等学校を指します。
出典:外国語教育(文部科学省)
普通科に通う高校生と、英語教育を主とする学科に通う高校生とでは、TOEICのスコアに差があることがわかります。下のグラフを見ると、普通科の高校生のTOEIC L&Rの平均スコアは399で、英語科・国際科の高校生の平均スコアは451という結果でした。
出典:TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2016(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)
関連サイト
一般財団法人自治体国際化協会
青年交流:JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業) – 外務省
教育振興基本計画 – 文部科学省
高等学校設置基準 – e-Gov
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