生徒の英語スピーキング力向上のコツ
2020年の大学入試改革により、英語入試では「読む」「聞く」だけでなく、「話す」「書く」も重視されるようになります。文部科学省が公表した「英語力調査事業報告」によると、高校生は「話す」ことについて不安を持っていることが分かりました。
英語授業における活動は依然「読む」「聞く」活動が中心であり、生徒のスピーキング力向上が急がれます。どうすれば生徒のスピーキング力を効率よく伸ばせるか、見ていきましょう。
目次
これからの授業はスピーキングも重視していく必要がある
2020年に大学入試改革が行われ、現在の「読む」「聞く」重視の大学入試から、外部試験なども取り入れ「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能がバランスよく測られるようになります。
文部科学省が公表した「英語力調査事業報告」を見ると、高校生は「話す」ことについて、「即興で英文を組み立てること」「人前での英語によるプレゼンテーション」にやや不安を抱いていることが分かりました。
学習内容別の活動状況を見てみると、「即興で話す」「ディベートやディスカッション」に関しての活動を「していたと思う」と回答した生徒は、そのほかの活動に比べて少ない結果となりました。
「英会話」は即興で話したり、自分の身の回りのことをプレゼンテーションしたりすることが求められますから、生徒は英会話には少し不安を持っていることがうかがえます。
高校生が「どの程度英語を使えるようになりたいか」というアンケート結果では、「海外旅行をしたときに英語で会話できるようになりたい」という回答が35.6%で1位でした。(中学生へのアンケートでも同様の結果)生徒も英会話能力を伸ばしたいと考えていることが分かります。
スピーキング力向上には、自分で簡単な文章を作るトレーニングが有効
高校1年生の半数以上は、定型的な表現であれば、ショップ店員などと英語で会話のやり取りができるという調査結果が出ています。(参照:日本の高校生の英語スピーキング能力実態調査 Ⅰ アルク)
I want this one.や、I want to try it.のような、ある程度定型的な受け答えなどは暗記した表現を使ってできるのですが、もう1レベル上の「自分の学んでいることや学校生活についての説明」がまだできていないということです。
Our school has about 3000 students, and most of them belong to some club activities.
私たちの学校には3000人の学生がおり、その大半はクラブ活動をしている
上の例文のような、自分で考えて文章を組み立てることがだ苦手だと考えられます。この例文の場合は、Our schoolを主語にする(無生物主語)ことは、日本語にはあまりない表現方法です。または、most of themのような表現がすぐに浮かばない、といったことも考えられます。
定型的な文章ではなく、自分で簡単な文章を作るトレーニングをしていけば、表現できる幅は広がります。特に、「英語で独り言を言う」ことはお勧めの学習法です。
What should I have for lunch today?
今日はランチに何を食べようかな?
I have to finish this first.
これを先にやらなくちゃ
独り言で日常言うようなことを英語で言うことによって、発話を早くしたり表現の幅を広げられます。
普段から考えていることを英語で表現することは最初は難しいですが、日常的な語彙が多く身に付きますし、簡単な文章をどんどん作ることによってスピーキング力の向上に役立ちます。英語レベルの高い生徒には、プレゼンテーションやディスカッションを取り入れることも有効です。
自宅での課題学習は、チェックのしやすさからどうしても「読み」「書き」中心になってしまいがちなので、授業中に積極的にスピーキングを取り入れていくことが大切です。
生徒のスピーキング力向上には、教員が積極的に発話を増やすことも有効
生徒のスピーキング力向上には、教員が積極的に英語の発話を増やすことも有効です。授業での生徒の英語使用率は、教師と同じ(41.2%)かそれよりも少なく(35.3%)、教師が英語を多く使っていると、生徒も多く英語を使う傾向にある、という調査結果が出ています。(参照:日本の高校生の英語スピーキング能力実態調査 Ⅰ アルク)
「英語を英語らしく発音すること」に抵抗があったり、発音が下手だから人に聞かれたくなかったり、英語の発音に対する抵抗がある生徒も多いかもしれません。教員が積極的に英語を発話すること、もしくはクラス全体で英語をどんどん発話することで、英語の発話そのものへの抵抗感を減らすことができるでしょう。
生徒の英語発話量を増やすなら、オンライン英会話サービスを利用するのも良いでしょう。生徒1人1人が決まった発話量を確保できるオンライン英会話サービスならば、教師の英語発話量にかかわらず生徒は英語を話せます。
スピーキングテストのある試験を活用する
スピーキングテストのある試験を活用することで、生徒がスピーキングの練習をするいいモチベーションになるでしょう。加えて、2020年の大学入試改革で、TOEICやTOEFLなどの外部試験が導入されるため、外部試験に慣れるという点でもメリットがあります。スピーキング能力を測れる英語試験は、TOEIC SW、TOEFL、英検などがあります。
TOEIC SWは、スピーキングとライティングに特化した試験で、アウトプット力を測れます。
TOEFLは海外の大学に入学する際のボーダーとして使われており、世界的に知名度の高い英語能力試験です。難易度が高く、受験料も高額なので、あまり気軽に受けられる試験とは言えないかもしれませんが、余裕がある生徒は受けてみるとよいでしょう。
英検は、1次試験に合格すると2次試験でスピーキング能力が測定されます。受験料が比較的安価で、級によって難易度が異なるので学生が受験しやすい試験と言えるでしょう。しかし、1次試験で落ちてしまうとスピーキング能力を測る2次試験には進めないので注意が必要です。
関連サイト
TOEIC SW – 一般財団法人国際コミュニケーション協会
4技能外部英語検定試験の導入について – 筑波大学
大学入試改革実行プランについて – 文部科学省
TOEFL – ETS
英検 – 公益財団法人 日本英語検定協会
英語のスピーキング力を鍛えるなら、weblio英会話がお勧め
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