英作文の添削で押さえておきたい4つのポイント
英作文の添削は、文の書き方や表現方法などを中心にチェックすることが大切です。しかし、生徒の解答は1人ひとり異なるため、模範解答と照らし合わせながら添削を進めていくことは困難です。採点基準を作っておけば、添削をスムーズに進められるかもしれません。
添削基準の1つの目安として、英検のライティングテストの採点基準が挙げられます。英検のライティングテストでは、内容や構成、語彙、文法の4つの観点から採点する方式をとっています。4つの観点を参考にして、英作文添削の時間短縮を図ってみましょう。
目次
英検ライティングテストの採点に関する4つの観点
英検を運営する日本英語検定協会では、Webサイト上に「ライティングテストの採点に関する観点および注意点」として、ライティングテストの採点基準を公開しています。これらの4つの観点は、英検の受検者向けに書かれていますが、英作文を指導したり添削したりする先生にとっては採点基準の目安として活用できます。
英検ライティングテストの採点に関する4つの観点
1. 内容:課題で求められている内容が含まれているか
2. 構成:英文の構成や流れが分かりやすく論理的であるか
3. 語彙:課題に相応しい語彙を正しく使えているか
4. 文法:文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
出典:ライティングテストの採点に関する観点および注意点(1級・準1級・2級)(公益財団法人 日本英語検定協会)
1.内容:課題で求められている内容が含まれているか
英作文を添削する時は、聞かれている内容に答えられているか、またその答えを支える根拠や説明に説得力があるかどうかということを念頭に置きます。なぜそのような意見を持つのか、理由を明確に述べているか、具体例を挙げて詳しく記述しているかをチェックしましょう。
例えば、 Do you think smartphone is good and why? という質問に対して、Yes, because smartphone is useful. という返答がされたとします。YesかNoかの答えをはっきりと述べていますが、理由を具体的に説明していないため、文章に説得力がありません。
Yes, because smartphone is useful when you are lost on streets. You can easily look up and see the map online with a smartphone. というように、具体的な説明を補足している英作文であれば得点の対象になるでしょう。
2.構成:英文の構成や流れが分かりやすく論理的であるか
読み手が、内容を理解しやすいような段落構成になっているかを評価します。英作文が、わかりやすい順番に整理されているかどうかを見ます。
情報と情報の間や、段落の始めと終わりには、論理の展開を示す接続詞が効果的に用いられているかにも着目しましょう。文章の流れをわかりやすくするための工夫は、英作文に欠かせないポイントです。
例えば、100語程度で書く英作文であれば、自分の意見や理由1、理由2、そしてまとめの4段落の構成にするとよいでしょう。100語より多い場合には、理由3を加えたり、反対意見を加えたりして段落を構成します。
以下の英文では1文ごとの主張は伝わりますが、関連性や文章全体の流れは見出せません。
Some people say smartphones are bad. I think smartphones are good. They are useful.
このような場合には、逆説や根拠を述べる接続詞を用いて論の展開を表現します。順接や対比の接続詞や、文頭に使える接続詞と使えない接続詞など、種類がいくつもあるので、正しく使えているかどうかも注意して見る必要があります。
Though some people say smartphones are bad, I think they are good. It is because they are useful […].
3.語彙:課題に相応しい語彙を正しく使えているか
文章内で同じ言葉を繰り返さないように、多様な語彙を用いているかどうかもチェックポイントの1つです。同義語を使いこなして、バリエーションの豊富な文章の方が評価されやすくなります。同義語を、無理に難しい言葉で置き換える必要はありませんが、平易な単語ばかり使われている文章は読んでいても全体に稚拙な雰囲気が感じられるでしょう。
例えば、So, I was very happy. のように簡単な単語を並べた文章と、Therefore, I felt relieved, satisfied, and absolutely overwhelmed. のように詳細を述べた文章とでは、読み手側の受け取る印象が変わってきます。
4.文法:文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
文の形式にも着目しましょう。同じような文構造が続かないように、主語を変えたり短文を挟んだりして工夫するとよいでしょう。文章に緩急がついて、本意が伝わりやすくなります。
英作文にありがちな悪い例は、ほとんどの文が I で始まって単調になってしまうことです。例えば、I like soccor. I feel good when I play soccor. のように、自分に関する記述が続く時は、I like soccor. It makes me feel good. のように主語を反転させると文章の流れが良くなります。
基本的に押さえておきたいポイント
英作文の問題では、高い英語力よりも正しい文章力が求められます。出題の意図を正しくとらえて、筋の通った文章が書けているかどうかに着目しましょう。
問題の条件を満たしているかを確認する
確認しておきたいポイントは、問題文で提示されている条件をクリアしているかどうかです。語数制限が守れているか、質問に答えられているかといった点が守れていないと、いくら英語が正しくても得点の対象にはなりません。減点法の場合は、提示条件をクリアしていれば、ある程度の得点を確保できるかもしれないということを、生徒に伝えておくとよいでしょう。
論理的な文章になっているかどうかを判断する
文全体の中で論理が成立しているか、矛盾しているところがないかという点を確認します。文章構成や論の組み立てが読み手にとってわかりやすく書かれているかどうかもチェックしましょう。
関連サイト
今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~ – 文部科学省
高大接続改革 – 文部科学省
ライティングテストの採点に関する観点および注意点 – 公益財団法人日本英語検定協会
採点について – 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
英作文の添削ならWeblioのライティングテスト
Weblioのライティングテストは、専属の翻訳のプロが開発した採点基準で正確に添削をします。個別苦手分野レポート付きなので普段の授業に活用できます。この機会にぜひご利用ください。
下記番号に送付してください。