小学校英語の授業向け「学習指導案」の作り方
文部科学省は2017年に、小学校の新しい学習指導要領を発表しました。新しい学習指導要領は、2020年度から完全実施され、2018年度と2019度年は、現行の学習指導要領から新・学習指導要領への移行期間となります。新しい学習指導要領の特徴の1つに、外国語(英語)の授業の増加が挙げられます。小学校5年生と6年生では、年間70単位時間が英語の授業に割り当てられます。また、英語の授業は、小学校3年生から始まります。
小学校の英語の授業が大きく変化している中で、先生たちはどのような英語の学習指導案を作れば良いのでしょうか。
目次
学習指導案の役割
指導案は、授業の進め方を考える上での土台になります。年間指導計画に基づいて、各単元、各本時における目標や生徒の評価基準、目標を達成するためにどういった形で生徒に接するのか、指導をする上での注意点などを各クラスに合わせて作成していきます。
指導案がしっかりと作られていないと、目的が不明確になったり、指導内容が行き当たりばったりになったりする可能性があるので注意が必要です。
指導案の構成
指導案の作成にあたっては、「単元目標」の設定と「単元指導計画」の作成、「本時の指導案」の作成の3つを行うことで、授業を円滑に進めることができます。学習指導案の形式は、特に決められたものがあるわけではなく、各学校によって異なるものが使われています。
単元目標
単元ごとに目標を設定していきます。単元目標には以下のような項目を記載します。
- 単元名:その単元の名前です(年間指導計画などに記載されているものが該当します。例:「世界の「こんにちは」を知ろう」、「アルファベットで遊ぼう」など)
- 指導観:「児童観(当該学級の児童の特徴、これまでの学習経験など)」「教材観(題材や教材の内容や特徴、価値など)」「指導観(実際の指導方法)」を記載します
- 単元の指導目標:「知識や技能」「思考力、判断力、表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの項目に関して、授業を通して生徒にどのようになってほしいか目標を設定します
- 言語材料:児童が「発言する表現」と「使う語彙」をそれぞれ記載します
- 学習指導要領における領域別の目標:当該単元の領域別目標を記載します(「聞くこと」「話すこと(やり取り)」といった各領域の目標)
- 評価基準:児童の目指すべき姿、目標を達成した際になっているであろう姿を記載します
単元指導計画
単元指導計画では、各単元のうち1単位時間ごとに目標やその単位時間でどういった活動をするのかを記載します。各単位時間における評価方法も記入するようにしましょう。
本時の指導案
本時の指導案とは、1単位時間の内容をより具体的に示したものです。1回の授業での目標の他、授業で使用する教材(テキストやカード、色鉛筆など実際に使用するもの)、時間配分について記載します。時間配分とは、例えば、「挨拶に2分」「最初の活動を5分」「その後のゲームを6分」といった具合に、細かいタイムスケジュールを設定することです。また、時間配分と一緒に生徒がどういったことに取り組むのか、その時の評価基準なども記載しておくことで、より授業の構成を具体的なものにすることができます。
指導案は文部科学省のWebサイトに掲載されている
文部科学省のWebサイトには、実際に現場の先生が作成した以下のような学習指導案が公開されているので参考にすることができます。
参考:小学校外国語活動サイト 2. 単元別学習指導案和歌山県海南市立亀川小学校(文部科学省)
関連サイト
外国語教育における新学習指導要領の円滑な実施に向けた移行措置(案) – 文部科学省
小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック – 文部科学省
小学校学習指導要領(外国語編) – 文部科学省
小学校外国語活動サイト 2. 単元別学習指導案 – 文部科学省
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