高校生の英語力アップには「スモールトーク」の授業がお薦め
英語の授業におけるスモールトーク(small talk)とは、授業の5分~10分程度を使って、あるテーマについて教師が英語で話をしたり、生徒がペアになって自分の考えや気持ちを英語で伝え合ったりする活動のことです。スモールトークの授業をすることで、生徒の英語学習の定着やコミュニケーションスキルの向上を図ることができます。
スモールトークの授業を導入した高校の中には、生徒の英語力がアップしたという効果も確認されています。スモールトークの授業は、どのようにして進めていけばよいのでしょうか。
目次
大分県立竹田高校の英語授業でのスモールトークの進め方
大分県立竹田高等学校のスモールトークの授業の実践例を紹介します。
スモールトークのトピックを考える
先生は、まずスモールトークのトピックを考えます。日常生活や学校生活の中で、生徒が関心を示すようなトピックを中心に考えます。ちなみに、竹田高校では、生徒に大きな声を出させることと英語を学ぶ雰囲気作りのために、洋楽を教室に流しています。そのための音楽CDも用意します。
ペアで英会話させる
生徒は、隣の席の人とペアを組みます。先生は生徒にトピックを与え、ペアで会話をさせます。会話が始まったと同時に洋楽を教室に流します。
スモールトーク中は、話し手には、大きな声で易しい英語を用いること、アイコンタクトをとること、ボディランゲージを用いることを促します。聞き手には、よき聞き手となるように「You mean ~?」のような言葉を使うように促します。
竹田高校でのトピックの例
Which do you like better, cats or dogs? Why?
発話例を音読させる
3分間程度会話をさせたら、今度は発話例を音読させます。
発話例1
・I prefer dogs to cats. In my opinion, dogs are friendlier than cats. For me, my dog is like a family member. I often talk to him when I play with him. How about you?
発話例2
・I like cats better than dogs. Cats are independent. To sleep with my cat makes me happy. Do you like cats?
4人のグループで会話をする
次に、後ろの席のペアと組んで、4人のグループを作ります。発話例を参考にしながら、今度は、自分の後ろの席にいる人と、隣の席にいる人と会話を始めます。
竹田高校の先生が「いわゆるbroken Englishでも構わないし、間違えても構わない。とにかく話そう!」と激励したところ、生徒の楽しそうに話し続ける姿が見られたとのことです。
これでスモールトークの授業は終わりです。
スモールトークの導入で英語力が向上
竹田高等学校がスモールトークを導入した目的は、英語の授業すべてにおいて話す機会を設けるためでした。1年次と2年次の2年間にわたり、スモールトークを導入した結果、スピーキング力が向上するとともに、リーディング力やリスニング力、ライティング力も向上したと報告しています。
スモールトークは学習内容の定着と基本表現の習得に役立つ
スモールトークは「おしゃべり」や「世間話」といった意味の言葉で、英会話のウォーミングアップの役割を担っています。
スモールトークの目的は主に2つあります。1つは、既に学習した内容の定着を狙うことです。繰り返し英語表現を使うことで、授業で習った言語表現を習得しやすくなります。もう1つは、英語によるコミュニケーションの基本表現を習得することです。挨拶や確認、質問など、スムーズな会話を行うための基本表現を身に付ける機会として、スモールトークが役立ちます。
関連サイト
高等学校等における英語教育の改善について(参考資料) – 文部科学省
高等学校等における教科・科目の現状・課題と今後の在り方について – 文部科学省
スピーキング活動の導入で英語力は伸びる! – 大分県立竹田高等学校
英語の「話す」「聞く」の能力アップにはweblio英会話がお薦めです
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