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大学の英語外部試験導入で塾・予備校は4技能対応の講義が必須

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ここ数年、入学試験で英語の試験を実施しない大学が出てきています。受験生には、TOEICや英検、IELTSなど外部の英語資格、検定試験を受けてもらい、その結果で英語力を測って合否判定したり出願要件にしたりしています。このような新しい大学入試の体制は、文部科学省の取り組む「英語教育改革」が背景にあります。英語教育改革が進む中、高等学校はもとより、塾や予備校の英語授業の要領にも影響の及ぶことが予想されます。

大学入試は「読む」「聞く」の2技能試験から「話す」「書く」を加えた4技能試験へ移行しつつある

文部科学省では、今後の英語教育の改善・充実方策の1つとして、大学入試においては「国による資格・検定試験団体と連携した生徒の英語力調査を進めるとともに、4技能を測定する資格・検定試験のうち、CEFRとの関連を考慮しつつ、国際的に広く受け入れられている試験や国内で開発され広く受け入れられている試験を、入学者選抜において積極的に活用することを促進する。」ことを提言しています。また、「高等学校、大学へ進学を希望する者については、中・高等学校卒業時までに育成された4技能が、高等学校及び大学入学者選抜においても適切に評価されることが重要である。」とも述べています。大学入試、高校入試においては従来の「読む」「聞く」の2技能から「話す」「書く」を加えた4技能で英語力が測定されることになるでしょう。

これまでの塾や予備校では、「読む」「聞く」に重きが置かれて授業が進められており、特に「話す」ことの授業はあまり行われていませんでした。「話す」では、相手の話した内容を理解して、自分の考えなどを相手に正確に伝える力が求められます。話す力を伸ばすには発話量が重要とされていますが、講師が複数の受講者と対話することが困難な場合には、Skypeを用いた英会話レッスンの導入も手段の1つとして考えられます。

MARCHでは一部の学部で外部試験を導入

下の表は、2016年度の明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学(MARCH)の英語外部試験の導入状況を一覧にしたものです。一部の学部がTOEICや英検、TOEFL iBT、TOEFL PBT、IELTS、TEAP、GTEC CBTといった英語資格、検定試験を導入しています。入学出願には、規定の資格、点数の取得が必要になります。

20161208-1

※1 TOEIC L&RとS&Wの合計のスコア。また、各科目においてスコアの条件が設定されています。Listening 335以上、Reading 325以上、L&R合計 680以上、Speaking 140以上、Writing 130以上、S&W合計 280以上。
※2 CSE2.0が2200以上、かつ各技能530以上。
※3 ListeningとReadingはそれぞれ13以上、SpeakingとWritingはそれぞれ12以上。
※4 ListeningとReadingはそれぞれ4.5以上、SpeakingとWritingはそれぞれ4.0以上。
※5 ListeningとReadingはそれぞれ60以上、SpeakingとWritingはそれぞれ45以上。
※6 各技能とも65以上。
※7 TOEIC L&RとTOEIC S&Wの合計のスコア。
※8 2016年3月以前に受験して取得した場合。2016年6月以降に受験した場合は2級以上取得が条件。
※9 Cambridge EnglishのFCE、CAE、CPEも取得基準に含まれています。

 

慶應義塾は外部試験を導入していない

下の表は、2016年度の早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学(早慶上理)の英語外部試験の導入状況を一覧にしたものです。慶應義塾大学では英語の外部試験を導入していません。早稲田大学は、他の大学と比べると英語資格、検定試験の基準がやや高い傾向にあります。また、上智大学はTEAPを採用する学部が多く見受けられます。

20161208-2

※1 CSE2.0が2200以上、かつ各技能500以上。
※2 4技能とも14以上。
※3 4技能とも5以上。
※4 4技能とも65以上。
※5 一般入学試験(TEAP利用型)の場合。学科により基準が異なる場合は基準の最大値と最小値を表示しています。TEAPについては4技能それぞれに必要点数が設定されています。
※6 2技能の場合は100以上。

 

関連サイト

英語教育の在り方に関する有識者会議 – 文部科学省
英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会 – 文部科学省
平成27年度英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会 – 文部科学省
今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~ – 文部科学省
TEAP – 公益財団法人日本英語検定協会
入学試験の基準 – 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会

備考

本稿の「英語外部試験の導入状況」の表は、各大学のWebサイトに掲載されている、2016年度の入試情報を元に作成したものです。外部試験の導入内容は変更される可能性があることをご承知おきください。なお、詳しい情報は各大学のWebサイトを参照してください。

 

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