英語のスピーキング力アップにはシャドーイングがおすすめ
英語のスピーキング力を伸ばすには、英語の発話量を増やすことが大切です。発話を練習する方法の1つに、シャドーイングがあります。シャドーイングとは、音声を聞いて、すぐに復唱する練習方法のことです。シャドーイングすることで、英語を英語のまま理解する思考が鍛えられ、スピーキング力やリスニング力の向上が期待できます。
シャドーイングのやり方を見ていきましょう。
目次
シャドーイングの進め方
(1)教材を選ぶ
シャドーイングを始める前に、まず、教材を選びます。教材は、語彙レベルや英文のスピードなど自分の英語力に応じた教材がお薦めです。童話やスピーチ、ニュース解説などのジャンルの中から好きなものを選びます。英語が得意な生徒でも、はじめから難しめの教材に挑もうとせず、まずは十分に平易な英語教材を選ぶようにしましょう。英文に書き起こした教材だと、後で語彙の意味を調べたり、英文を読んで学習したりすることもできます。
(2)まずは音声を聞いてみる
教材を手に入れたら、まずは英語を聞くことに徹しましょう。追いかけて発声したり、意味を調べたりする必要はありません。英文全体の音の流れを意識して聞きます。英文の終盤で声が大きくなる、終始ゆったりしている、一部分だけ早口になる、といった印象を掴むとよいでしょう。
(3)音を真似る
英語が聞き慣れてきたら、次は、真似しながら声に出してみます。英単語を正確に発音しようとはせず、音のつながりに意識しながら、小声でつぶやくだけで十分です。何度か繰り返し行ってみましょう。
(4)音真似の精度を上げていく
スクリプトを見つつ、音真似の精度を少しずつ上げていきましょう。自分の声を録音して、チェックしながら行うとより効果が上がります。
(5)文章の単語をチェックする
発声を何度か繰り返していくと、何となく単語の句切れ目がわかるようになります。文章の単語の意味を調べてみましょう。文意を正確に読み取る必要はありません。
(6)それぞれの単語を目で追いながら聞く
文の意味が理解できたら、それぞれの単語を目で追いながら聞きましょう。この段階では発音はしません。英語を聞きながら、すんなりと意味が頭に入ってくるようになるまで繰り返します。
(7)何も見ずに聞こえてくる文章を追いかけて発音する
何も見ずに、聞こえてくる文章を後から追うようにして発音します。ここがシャドーイングです。上級者であれば、いきなりこの作業から入ってもよいでしょう。
実際のシャドーイングの例
シャドーイングの例を、バラク・オバマ・アメリカ合衆国前大統領のスピーチで確認してみましょう。以下は、オバマ前大統領の演説の冒頭部分です。実際の演説の様子は、ニューヨークタイムズ社の記事「President Obama’s Farewell Address: Full Video and Text」で確認できます。
It’s good to be home. My fellow Americans, Michelle and I have been so touched by all the well-wishes we’ve received over the past few weeks. But tonight it’s my turn to say thanks. Whether we’ve seen eye-to-eye or rarely agreed at all, my conversations with you, the American people – in living rooms and schools; at farms and on factory floors; at diners and on distant outposts – are what have kept me honest, kept me inspired, and kept me going.
まずは、スクリプトを見ずに英語の音に集中して繰り返し聞きます。耳が慣れてきたら、今度は真似て発音してみましょう。例えば、beenは短く「ベン」のように発音したり、eye-to-eyeやat allは何と言っているのか分からないかもしれません。この作業中に、どうしてもうまく発音できない部分があったら、スクリプトを見ながら単語をチェックしたり、発音をチェックしたりしましょう。単語をチェックすれば、何となく文意が分かるようになってきます。
それぞれの単語を目で追いながら、音と同時に英文の意味が頭の中でイメージできるまで聞き込みます。そして、聞こえてくる文章を後から追うようにして、スクリプトを見ずに発音します。自分の発音を録音して、お手本の音声と同じように発音できているか確認します。
効果を確かめるためには録音が有効
シャドーイングは英語ならではの発音やリズム、強弱などの「発音の精度」を上げるのに効果的です。シャドーイングの効果を確かめるには、トレーニングを行う前と後での音読の様子を比較するとよいでしょう。例えば、「単語の発音にアクセントが生まれた」「つっかえることなくなめらかに発音できるようになった」「ロボットのような棒読み感がなくなった」など、発話に関する進歩が見られるまで続けるとよいでしょう。音読の様子を比較するために、発音を録音して練習するとよいでしょう。
関連サイト
インプットをアウトプットにつなぐシャドーイング – 門田修平
入学者選抜改革における英語4技能の評価 – 英語4技能 資格・検定試験懇談会
新たな英語教育のための改革とその背景 – 英語4技能 資格・検定試験懇談会
リスニング力向上におけるシャドーイングの効果について – 玉井 健
生徒の英語4技能を伸ばすならweblio英会話がお薦め
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