中学校における英語で授業「オールイングリッシュ」の進め方とコツ
2020年度から実施される新しい学習指導要領により、中学校の英語教育は、英語での授業が進められていきます。授業を英語のみで進めることを「オールイングリッシュ」と呼びます。
先生が英語で授業を進めていくには、「生徒の発話量を増やすこと」「英語が苦手な生徒へのフォローを充実させること」などカギになります。そのためには、相互交流型の授業にしたり、発話のハードルを下げる工夫をしたりするとよいでしょう。オールイングリッシュの授業での進め方やコツなどを見ていきましょう。
目次
英語で授業するコツは、先生と生徒、生徒と生徒で会話する機会を増やすこと
2017年3月に文部科学省から発表された中学校向けの新・学習指導要領では、「生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とする」としています。
英語授業で生徒の発話量を増やすためには、会話する機会を増やすことがすすめられます。
先生と生徒の英会話を増やす
生徒と先生の間の英会話を増やしていきます。先生から生徒に対し、英語でどんどん質問していきましょう。また、生徒から先生に対し、英語でどんどん質問させましょう。簡単な質問でも構いません。できるだけ英語でのやりとりを増やすことで、生徒の発話量を確保できます。
「1回の授業で10回先生に質問する」「10秒以内に必ず何か答える」などといったルールを作ったり、先生が生徒に、英語で何かの説明を求めたりと、工夫次第でたくさんの会話の機会を作ることができます。夏休みのラジオ体操のように、1回会話するたびにポイントがたまる、といったようなゲーム感覚を取り入れるのも良さそうです。
生徒と生徒の英会話を増やす
先生と生徒の間の英会話を増やしつつ、ペアワークやグループワークを取り入れて生徒と生徒間で英語を話す機会を作っていきましょう。
ペアワークでは、2人で英語の問題を解いたり、お互いの答案を採点して英語で感想を言い合ったりすることができます。グループワークでは、グループごとに何かのタスクの達成を競い合わせるのも生徒のモチベーションが高まるでしょう。じゃんけんを英語でやる、誰かと組みたい理由を英語で述べさせるなど、ペアやグループを作る過程自体を英語でやってみるのも、発話量のアップに役立ちます。
英語で授業する際は、英語が苦手な生徒をケアすることも大切
英語に苦手意識があったり、英語を話すことに抵抗があったりする生徒もいます。こうした生徒は、英語のみの授業でも日本語を話してしまったり、そもそも発言しなくなったりしてしまうことがあります。その場合には、英語を話すハードルを少し下げてあげることが大切です。
少人数グループを取り入れる
例えば、クラスの大勢の前で話すことが苦手な生徒がいるなら、少人数のグループを作って授業を進める方法があります。少人数ならば思いきって英語を話すことができるので、英語が苦手な生徒の発話量を確保することができます。数人のグループでもいいですし、2人1組のペアワークにしてもいいでしょう。
すぐに使える英語表現を教えておく
英語で授業を始める前に、すぐに使える便利な英語表現を紹介しておくことで、英語が苦手な生徒でも会話を成り立たせやすくなります。英語で先生に質問する時の表現や、英語で何かを説明する時、言いよどむ時などの表現を教えておくとよいでしょう。
- Mr./Ms. 〜, I have a question.
〜さん、質問があります - Excuse me, may I ask a question?
すみません、質問してもいいですか? - I think that〜
私は〜と思います - In Japan, we have〜
日本には〜があります - In my school, there is〜
私の学校には〜があります - Well, let me see…
そうですね、ええと…
紹介した用例の丸写し表現でも、ごく簡単な表現でも構わないので、できるだけ発話量を確保していくことが大事です。単純でも上手でなくても「ともかく話す」ことは、英語が苦手な生徒にとって、「私にも英語を話せるんだ」という自信がつくきっかけになるでしょう。
今後は英語で授業を行う技術が求められる
新しい中学校指導要領では、指導計画の作成と内容の取り扱いに関して、「生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とする。その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いるようにすること」としています。
「英語を使った授業が生徒の英語力を伸ばす」ということが示唆されるデータもあります。今後、中学校では英語での授業実施が必須となっていきます。英語で授業を行う技術のブラッシュアップが求められます。(参照:「英語を使った授業が生徒の英語力を伸ばすという事実」)
関連サイト
今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~ ― 文部科学省
生徒の英語力推進プラン ― 文部科学省
生きる力 ― 文部科学省
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