高校生の英語力実態調査、国の目標「英検準2級以上」取得者は4割
文部科学省が2018年4月に発表した2017年度の「英語教育実施状況調査」によれば、高校3年で英検準2級相当以上の英語力を持つ生徒は39.3%だったことがわかりました。前年度(2016年度)の36.4%より2.9ポイント増加しましたが、国が目標に掲げている50%以上には届きませんでした。
一方、高校の英語担当教師のうち、英検準1級相当以上の英語力を持つ教師は65.4%で、前年度(2016年度)の62.2%より3.2ポイント増加したものの、国の目標値である75%以上を達成することはできませんでした。
高校生、および英語担当教師の英語力について詳しく見ていきましょう。
目次
高校生の英語力は年々上昇している
下のグラフは、英検準2級相当(CEFR A2レベル)以上の英語力を持つ生徒の割合をグラフで表したものです。高校生の英語力は年々上昇の傾向にあり、2012年度は31%だったのが、2017年度には39.3%まで上昇しました。しかし、国が目標としている50%以上には達しませんでした。
出典:平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について(高等学校) – 文部科学省
なお、学科別で見ると、普通科に通う高校生の英検準2級相当取得率は50.5%で、国の目標値を上回りました。また、英語教育を主とする学科では93.4%、国際関係に関する学科では84.5%と、授業で英語を使用する機会の多い高校では、取得率の高いことがわかりました。一方で、専門教育を主とする学科(例えば、商業高校や工業高校など)に通う高校生の取得率は13.4%、総合学科では18.3%という結果でした。
高校生の英語力、都道府県別では福井県が1位
下の表は、英検準2級相当以上の英語力を持つ高校生の割合を、都道府県別の順位で示したものです。1位は福井県の52.4%で、都道府県の中で唯一、国の目標値である50%以上に到達しています。2位は富山県、3位は兵庫県という結果でした。
1位 福井県、2位 富山県、10位 石川県と、北陸三県の英語力の高いことがわかります。
参考:「北陸3県の英語力の高さと幸福度との意外な関係」(weblio英会話)
出典:平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について(都道府県別調査結果) – 文部科学省
英語担当教師も英語力が年々上昇している
下のグラフは、英検準1級相当以上の英語力を持つ英語担当教師の割合をグラフで表したものです。教師の英語力も、生徒と同じく年々上昇していることがわかります。しかし、国が目標としている75%には届いていません。
出典:平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について(高等学校) – 文部科学省
英語担当教師の都道府県別の順位、教師でも福井県が1位
下の表は、英検準1級相当以上の英語力を持つ英語担当教師の割合を、都道府県別の順位で示したものです。1位は福井県と香川県の91.3%、3位は石川県の89.3%という結果でした。1位から10位までの県は、国の目標である75%以上を達成しました。また、11位以下の徳島県や岐阜県、長野県、岡山県も75%以上を達成しています。
出典:平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について(都道府県別調査結果) – 文部科学省
北陸三県の高校生、および英語担当教師の英語力が高い
下のグラフは、高校生の英語力(縦軸)と、英語担当教師の英語力(横軸)の相関を都道府県別に示したものです。グラフを見ると、福井県、富山県、石川県の英語力の高いことがわかります。
出典:平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について(都道府県別調査結果)を元にWeblioが作成
関連サイト
平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について(高等学校) – 文部科学省
平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について(都道府県別調査結果) – 文部科学省
「生徒の英語力向上推進プラン」について – 文部科学省
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