学習指導要領改訂で小学校3・4年生の英語は英会話を重視
新しい学習指導要領が2017年3月に公示され、2020年度から「外国語活動」として小学校3年生と4年生で英語の授業が行われることになりました。これまで小学校5年生と6年生で行われていた英語の授業が、2年前倒しされて行われることになります。このような状況を受けて、学校や学習塾などの教育現場では英語教育への関心が高まってきています。
目次
3・4年生では聞くことと話すことの資質、能力を育成する
新・学習指導要領によれば、小学校3年生と4年生の英語について「聞くこと、話すこと[やり取り]、話すこと[発表]の三つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して、資質・能力を一体的に育成する」と書かれています。
はじめに注目したいのは、「聞く」技能と「話す」技能の2技能を学習するという点です。英語の技能は「聞く」「話す」の他に「読む」「書く」という技能がありますが、初めて英語を勉強する児童は、まず「聞く」「話す」から取り掛かることになります。次に、「話す」技能を「話す[やり取り]」と「話す[発表]」の2つに分けている点です。「話す」技能に重点が置かれていることがわかります。「l」と「r」の発音の仕方、聞き分け方なども習得しなければなりません。学校や学習塾は、オンライン英会話サービスなどを活用して話す技能を伸ばしていくとよいでしょう。
「聞く」技能では聞き取って意味を理解できるようにする
新しい学習指導要領では「聞く」技能の目標を次のように定めています。
- ゆっくりはっきりと話された際に、自分のことや身の回りの物を表す簡単な語句を聞き取るようにする。
- ゆっくりはっきりと話された際に、身近で簡単な事柄に関する基本的な表現の意味が分かるようにする。
- 文字の読み方が発音されるのを聞いた際に、どの文字であるかが分かるようにする。
「話す[やり取り]」技能では会話のキャッチボールができるようにする
「話す[やり取り]」の技能では、相手の声掛けに答えておしまいではなく、会話が続けられるような能力が求められます。また、動作を交えながらの会話も求められています。
- 基本的な表現を用いて挨拶、感謝、簡単な指示をしたり、それらに応じたりするようにする。
- 自分のことや身の回りの物について、動作を交えながら、自分の考えや気持ちなどを、簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うようにする。
- サポートを受けて、自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について、簡単な語句や基本的な表現を用いて質問をしたり質問に答えたりするようにする。
「話す[発表]」技能では、自分の考えも述べられるようにする
「話す[発表]」の技能では、事柄についての説明にとどまらずに、自分の考えも述べることのできる能力が求められています。
- 身の回りの物について、人前で実物などを見せながら、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
- 自分のことについて、人前で実物などを見せながら、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
- 日常生活に関する身近で簡単な事柄について、人前で実物などを見せながら、自分の考えや気持ちなどを、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
関連サイト
次期学習指導要領等の改訂案を公表しました – 文部科学省
学校教育法施行規則の一部を改正する省令案並びに幼稚園教育要領,小学校学習指導要領案及び中学校学習指導要領案に対する意見公募手続(パブリック・コメント)の実施について – 文部科学省
学習指導要領「生きる力」外国語活動 – 文部科学省
外国語活動 年間指導計画例 – 文部科学省
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