訪日外国人観光客が第一に必須と考える道具はスマホ
日本政府観光局(JNTO)によれば、2015年に日本に訪れた外国人観光客数はおよそ1,697万人でした。10年前の2005年と比べると、およそ3.9倍にも増加しています。ターミナル駅や繁華街、観光地などでもよく外国人観光客を見かけるようになりました。
外国人観光客はインターネットを使って情報を入手している
外国人観光客への「日本滞在中に役に立った旅行情報源は何か」という調査の結果によれば、トップはインターネットで全体の半数近くを占めています。インターネット利用端末の内訳は、スマートフォンが最も多く、パソコン、タブレットと続いています。
出典:日本政府観光局「訪日外客統計の集計・発表」
アジア圏の国とアジア圏外の国との違い
「日本滞在中に役に立った旅行情報源」の調査結果をアジア圏の国とアジア圏外の国に分けてみると、アジア圏の国では「インターネット」と回答する率がアジア圏外の国よりも高いことがわかります。一方で、「日本在住の親族・知人」と回答する率は、アジア圏外の国のほうが上回っている結果となりました。
出典:日本政府観光局「訪日外客統計の集計・発表」
※アジア圏の国は、韓国、台湾、香港、中国、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インドの11か国です。
出典:日本政府観光局「訪日外客統計の集計・発表」
※アジア圏外の国は、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、米国、カナダ、オーストラリアの9か国です。
各項目を国別でみると、「インターネット」の回答率が高かった国は、ロシア(56.0%)、シンガポール(52.2%)、ベトナム(50.5%)でした。また、「観光案内所」はオーストラリア(21.4%)、カナダ(20.8%)、シンガポール(20.6%)が高い回答率でした。その他、「冊子」はフランス(16.2%)、香港(14.6%)、スペイン(14.0%)で、「日本在住の親族・知人」はインド(17.2%)、ベトナム(16.6%)、米国(15.8%)、「宿泊施設」は台湾とオーストラリア(ともに10.2%)、香港(10.0%)という結果でした。
アジア圏の外国人観光客は情報を自分で調べる傾向にある
下のグラフは、「日本滞在中に役に立った旅行情報源」の入手形態を「誰かに聞く」と「自分で調べる」、「その他」に分類し、アジア圏とアジア圏以外で比較したものです。グラフを見ると、「誰かに聞く」はアジア圏以外がアジア圏を上回っていることがわかります。これは、アジア圏の外国人観光客は、インターネットや冊子などを使って自分で調べる傾向が強いことを表しています。一方、アジア圏以外(欧米諸国など)の外国人観光客は、観光案内所に行って聞いたり、日本在住の親族・知人などに聞いたりするケースが多いということになります。
出典:日本政府観光局「訪日外客統計の集計・発表」
参考サイト
JNTO訪日旅行データハンドブック2016 – 日本政府観光局
訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業) – 観光庁
訪日外国人旅行者の受入環境整備 – 観光庁