外国人観光客を迎える企業・ターゲットは20代女性客
2016年に日本を訪れた外国人観光客数は、前年比21.8%増の2,403万人でした。2020年には外国人観光客数を4,000万人にするという日本政府の目標が現実味を帯びてきました。その中で、観光庁の発表した訪日外国人消費動向調査において、近年、日本を訪れる外国人観光客の年齢層や男女比に大きな変化の見られることがわかりました。年齢層では20代が増加の傾向にあり、男女比では女性の割合が増えてきているのです。
小売店や宿泊施設、鉄道・バス・タクシー会社など外国人観光客を迎える企業にとっては「20代」、「女性」をターゲットにした商品開発、サービス提供が鍵になるでしょう。そのためにも、英語によるコミュニケーション力は欠かすことができません。
外国人観光客の3人に1人は20代
下のグラフは、日本を訪れた20代の外国人観光客数の推移を表したものです。2012年は男性103万人、女性103万人でほぼ男女比は同じでした。その後2016年には、男性349万人(2012年比3.39倍)、女性433万人(同比4.16倍)に増加しています。男女の増加率は男性よりも女性のほうが高くなっています。
また、20代の占める割合については、2012年は24.7%でしたが、2016年には32.5%と大きく伸びています。日本に興味を示す若い人たちが増えていることがわかります。
出典:訪日外国人消費動向調査(観光庁)
女性の外国人観光客の割合が増加している
下のグラフは、外国人観光客の男女比の推移を表したものです。2012年は男性58.9%、女性41.1%でした。2016年には男性52.7%、女性47.3%と年々男性の割合が減って女性の割合が増えてきていることがわかります。
出典:訪日外国人消費動向調査(観光庁)
下のグラフは、2016年に訪日した外国人観光客の国・地域別の男女比を表したものです。台湾や香港、中国からの観光客は、男性よりも女性の方が多い結果となっています。一方、韓国は男女比はほぼ同じ結果、米国は男性の割合が多いという結果となり、男女比は国によって異なることがわかります。
出典:訪日外国人消費動向調査(観光庁)
中国からの観光客は20代~30代女性が多い
下のグラフは、訪日の多い中国と韓国からの観光客を年代別、男女別で示したものです。最も多い年代、性別は、中国、韓国とも20代女性でした。中国からの観光客2位は30代女性で、中国からの観光客の5人に2人は比較的年齢の若い20代~30代の女性ということになります。続いて、30代男性、20代男性という結果でした。韓国からの観光客2位は20代男性で、20代の男女が上位を占める結果となりました。続いて30代男性、30代女性でした。
出典:訪日外国人消費動向調査(観光庁)
下のグラフは、外国人観光客の年代別の推移を示したものです。20歳未満は、3%~4%前後の推移が続いています。20代は、上述のように増加の傾向にあり2016年の時点では最も多い年代です。30代は30%前後で推移しています。40代と50代の占める割合は年々減少の傾向にあります。しかし、減少の傾向といっても実数は減っていません。
出典:訪日外国人消費動向調査(観光庁)
国・地域別でみると、韓国からは20代、台湾と中国からは30代が多いことがわかります。香港や米国は20代~40代までのばらつきが比較的低い傾向にあります。
出典:訪日外国人消費動向調査(観光庁)
関連サイト
共通基準による観光入込客統計 – 観光庁
利用する観光客に合わせた観光情報提供手法 – 国土交通省
ビジット・ジャパン事業開始以降の訪日客数の推移(2003年~2015年) – 観光庁
最近の訪日外国人の動向を分析しました~韓国・タイからの観光客の消費動向とLCC利用者の特徴について~『訪日観光消費動向調査(トピックス分析)』 – 観光庁